2005年7月1日 石綿(いしわた)障害予防規則 施行

2005(平成17)年2月24日に制定された石綿(いしわた)障害予防規則が、2005年7月1日より施行となります。石綿の発癌性に関する規制を行っていた、特定化学物質等障害予防規則(特化則)から独立させ発展させた、石綿含有建材による今後の石綿飛散の防止を目的とした規則です。

石綿(いしわた)障害予防規則本文は、以下のファイルを御参考ください(石綿障害予防規則PDF)。厚生労働省HPが基本情報を提供しています「石綿障害予防規則の制定について」。なお規則に基づく書式は、以下のファイルです(石綿障害予防規則様式PDF)。また特化則と石綿則の対応は以下のファイルです(対応表PDF)。

厚生労働省作成のリーフレットも、この規則の中心部分をわかりやすく説明しています。建築作業者向けのものと建物の所有者向けのものが作成されていますので、ご活用ください。規則の概要をまず理解したい方には、以下のHP( http://www.kochi.plb.go.jp/topics/topics45.html )が、わかりやすいと思います。規則に関して詳しくお知りになりたい方は、厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課(内線:5516)が担当の窓口です。同規則関連の通達が順次だされていますので、HPに極力順次掲載していきます(基発第0318005号基安化発第0323001号基安化発0323002号基安化発第0323003号基安化発第0613001号)。なお通達は、厚生労働省「石綿情報」のHPもご参考下さい。

この規則は、石綿の環境飛散にとって十分な内容となっている訳ではありませんが、以前の石綿飛散対策と比べると進んだ部分がいくつも盛り込まれているのも事実です。石綿(アスベスト)建材の規制の実質的な開始、清掃における飛散の防止、発注者の義務、保護着や作業着の持ち出し禁止(家族曝露等の防止)、作業従事者への特別教育等が進んだ部分としてあげられます。

問題点としては、法律が守られるだけの経済的な裏付けの保障が乏しい事、石綿(アスベスト)含有建材の判断を行う石綿作業主任者が十分な人数がいない事、そのため建材の石綿(アスベスト)含有の判断が行われない現場が多い状態が続く可能性が高い事、特別教育をうける作業員が限定されそうな懸念、小規模の改築が対象外とされている事、今後詳細の明らかとなるレベル2や3とされる石綿含有建材の飛散防止対策自体が不十分であると予想される事、等があげられます。

法律にあわせた具体的な内容の検討自体が7月1日を目処に大急ぎで進行しており、実際の現場での教育の準備は間に合ってはいない状態です。石綿作業従事者への特別教育が、建災防やその他の団体で開始されています。特別教育のリーフレットについては、次のHP( http://www.kensaibou.or.jp/index.html )をご参考下さい。

規則の施行に伴った、実際の現場対応が遅れる事が、懸念されています。とにかく法の遵守をまず、改築や解体の現場で実施してほしいものです。2005年6月号「労働の科学」(労働科学研究所 発行)が、「石綿障害予防規則」の特集を組んでいます。当センター代表の名取も数ページ、「石綿関連疾患について」記載していますので、ご参考下さい。石綿規則施行に伴い、様々な問題点が生じてくると思われます。気になる点のご相談がある方は、電話でのご相談を是非お寄せ下さい。