28-参-商工委員会-23号 昭和33年04月24日

28-参-商工委員会-23号 昭和33年04月24日

昭和三十三年四月二十四日(木曜日)午前十一時二十一分開会
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  委員の異動
本日委員野溝勝君辞任につき、その補欠として岡三郎君を議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     近藤 信一君
   理事
           青柳 秀夫君
           高橋進太郎君
           阿部 竹松君
           相馬 助治君
   委員
           小沢久太郎君
           小幡 治和君
           古池 信三君
           小西 英雄君
           高橋  衛君
           三木與吉郎君
           椿  繁夫君
  国務大臣
   国 務 大 臣 石井光次郎君
  政府委員
   北海道開発庁総務監理官    中平 榮利君
   科学技術政務次官       吉田 萬次君
   科学技術庁原子力局長     佐々木義武君
   通商産業省鉱山局長      福井 政男君
   通商産業省石炭局長      村田  恒君
  事務局側
   常任委員会専門員       小田橋貞壽君
  説明員
   北海道開発庁事務次官     池田 一男君
   北海道開発庁主幹       桑原 幸信君
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  本日の会議に付した案件

[前略]

○北海道地下資源開発株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)

[後略]

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[前略]

○委員長(近藤信一君) これより北海道地下資源開発株式会社法案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言願います。

[中略]

○政府委員(村田恒君) まず第一の前提になります中小炭鉱は、ほとんど独立の鉱業権を持っているものは少い、租鉱権者が多いから、従って共同の鉱業権者となる場合はあり得ないし、またそういうものが相当委託をしていたのではなかなか負担にたえないだろうという点でございますが、その前提となります中小炭鉱という、中小と申しますその範囲の問題であるかと存じます。ただいま阿部委員のおっしゃいましたように、きわめて零細な小さいものにつきましてはおっしゃる通りだと存じますが、中小と申しましても、いわゆる石炭協会に所属していない、あるいは連合会に所属をしておる炭鉱ということで考えますと、相当大手と十分に匹敵し得るようなものが中小炭鉱というカテゴリーの中に言われておるわけであります。これらにつきましては、相当程度、もしこの会社のボーリングの単価というものが、ほかの一般のコマーシャルのボーリング会社の単価と比較して合理的なものである限り、それに対する発注というものは行われる可能性があると申し上げられると存じます。
 それから第二にどういう地域を考えているかという問題でございますが、あくまで今日の出炭の重点というものを原料炭というふうに考えますので、これはやはり石狩炭田、いま一つは最近きわめて大きなる発展をしております、原料炭のみではございませんが、釧路炭田の開発、そういうものに対して今後の大規模な開発計画が進められると存じます。短期的に見ますと、確かに現在は貯炭というものが増加しておりまして、この貯炭増加というものをどういうふうに処理していくかということは、短期的な問題としては研究問題でございまするけれども、そもそも北海道に対します抜本的な将来の大きな開発計画というものを考えます場合、さらにそれに関連して日本の総合的なエネルギー対策の一環として国内炭の増産をはかっていくという観点から申しますと、当面の問題と離しまして相当程度この種の会社の活躍し得る余地が相当あるというふうに申し上げていいのではないかと存じます。

○政府委員(福井政男君) 石炭以外の金属、非金属等の鉱産物につきまして、簡単に申し上げますと、北海道は、私から申し上げるまでもなく、各種の鉱物が産出されるわけでございますが、将来の需給関係でありますとか、あるいは賦存鉱量でございますとか、そういった点を、あるいはまた、探査の効果でありますとか、そういった点を勘案いたしまして、私どもの方といたしましては、重要鉱種といたしまして、八種類くらいの鉱種を、本件につきまして特に重要視いたしております。それを申し上げますと、水銀でございます。それからマンガン、鉄、砂鉄、石綿、銅、鉛、亜鉛、こういったようなものが非常におもな鉱種でございまして、そのほかにも黒鉛でございますとか、クロームでございますとか、ニッケルでございますとか、こういうようなものがございます。こういう鉱種につきましては、御承知のように、一般的な鉱物の賦存状況につきましては、地下資源の調査書もございますので、どういう鉱床の状況になっておるかということはわかっておるわけでございまして、また、私どもの方の従来の研究結果でも、今申し上げました鉱種については、大体こういう鉱物がこういう地区にあるという見当は、およそのところはついておりますので、こういつたところに、この仕事の重点を向けていきたいと、かように考えております。

○阿部竹松君 両局長の御答弁で、僕は満足しないのです。もう少し具体的にお答え願いたいのです。ということは、空知炭田とか、釧路炭田とか、白糠炭田とおっしゃいましたが、石炭局長は。これは全部、中小の炭鉱の持っておる鉱区なんてありませんよ。おそらくそこに書類を持ってきておられると思うのですが、あれば、お目にかかりたい。空知炭田であれば、三井、三菱、北海道炭磯汽船株式会社という大企業が持っておる。白糠炭田しかりです。それから今、福井局長が御答弁になったけれども、メタル山の方でも、日本鉱業とか、住友鉱業とか、三菱金属、こういうところばかりが持っているのです。そして、これらの会社は全部本法案に賛成しておらぬ。ほんとうは経営者は、政府が金を一円出すといったって、ぱくりと食いついてきますよ。政府の金を使うのに、なぜ、そんなに経営者が反対しなければならぬのかということを考えれば、きわめて、これはもう成功しないということを断言しているのです、彼らは。そういうときに、これはどこで一体ボーリングをおろす、その個所、空知炭田とか、白糠炭田とか、どこのところへ持っていってやるか、話はこれからでしょうが、そういうところはありませんよ。おそらく拒否権を発動してしまう。どこへいってやるのですか。抽象的でなく、具体的に、住友であったら鴻の舞鉱山をやりますとか、あるいは日本鉱業であれば上の国をやりますとか、金属山であれば、そういうようなことを具体的にお教え願わぬと、ただ空地炭田なんていったって、空知炭田を持っているのは大手ばかりですから、頼みに来ませんよ。

[中略]

○阿部竹松君 日高なんかあまりないのです。あなたは目高地方でやると言っても、日高の方は石油が出るといって調べても、これを見ると石油を除くというのですから、まさかあなた石油資源株式会社と競争してやるのじゃないでしょう。この法律は石油はやらないことになっておりますからね。ただ私が聞くのは、どこでやるのかというのは想定があると思うのです。この法律を作って、金をもらってから、その後いかがでしょうかと御注文をとって歩くのではなくて、北海道には大体この地方にこういう鉱区が埋没していると、北海道にはこういう地方に大体こういう鉱物なり、こういうものが埋没しておるという見当がついたので、これこれの金を投じてこういうものをやっていきたいということにならなければ、これはうまくないと思う。あなたのおっしゃるように、日高へ行ってやったって、出るものは石灰石ぐらいで、何にもならぬですね。

○○政府委員(福井政男君) 石炭以外の鉱産物につきましては、先ほどちょっと申し上げましたように、私どもの方では北海道で賦存いたしております鉱種につきまして、将来の需給見通しなり、鉱量の関係なり、あるいはまたその探査の効果という点から見まして、八鉱種ほど先ほど申し上げましたように考えておりますが、そのそれぞれの鉱種につきまして、この鉱物については大体この地区である、たとえば水銀で申しますと北見の地域一帯でありますとか、あるいは砂鉄につきましてはどの辺であるとか、あるいは石綿についてはどの辺であるという見当はつけてございます。

○政府委員(村田恒君) 石炭につきましては、この会社がどの程度北海道におきましてこれからやりますボーリングを受け持つていただけるかどうかは、先ほど開発庁の方からお話のございましたように、今後の問題であろうと存じますが、三十三年度におきまして、北海道の全体としてボーリングを打ちます数は九十七本と考えております。このボーリングを打ちます中で、大手と中小の比率は大体七〇対三〇、こいうふうな考えでございます。
 なお、それから先の一つの推定でございますが、三十四年度には同じく九十七本、三十五年度は百二本、三十六年度は百七本、三十七年度は百十二本、これだけのボーリングだけは北海道へ打っていこうというふうな考えでおります。
 それで地域といたしましては、われわれどもの通産省の考えております総合炭田開発の重点的な地域といたしまして、とりあえず、釧路地域の、今までこれは特に関連産業施設の整備が立ちおくれている、関連産業施設の整備を行うことによってきわめて計画的な合理的な出炭が可能であろうという所、並びに鉱区調整等の措置がきわめて有効に働くであろうという地域として、本年度釧路地域を考えておりますが、それらの地域につきまして大体釧路の東部、中部、西部、北部と分けまして、これはもちろん会社といたしましては宇部興産、三菱、雄別、ラサ工業、共同、日鉄、日炭、住友という工合に大手が大部分を占めております。やや中間的なものとしてラサ工業があるわけでございますが、これらの地域に対しまして重点的にやるわけでございますが、この場合に開発庁の方のこの会社がどの程度この事業計画の中で、具体的な注文をとっておやりになられるかということは、何回も申し上げましたように、あくまでこれが一般の市価よりも勉強して、ボーリングを打っていただくということでないと、なかなか受託というものは――そういうことによって受託というものは可能になっていくというふうに考えております。

[後略]