76-衆-公害対策並びに環境保全…-2号 昭和50年11月11日

昭和五十年十一月十一日(火曜日)午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 渡辺 惣蔵君
   理事 田中  覚君 理事 登坂重次郎君
   理事 島本 虎三君 理事 土井たか子君
   理事 木下 元二君
      八田 貞義君    渡辺 栄一君
      岩垂寿喜男君    角屋堅次郎君
      米原  昶君    岡本 富夫君
      坂口  力君    折小野良一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣(環境庁長官) 小沢 辰男君
 出席政府委員
        公害等調整委員会委員長    小澤 文雄君
        公害等調整委員会事務局長   小熊 鐵雄君
        科学技術庁原子力局長     生田 豊朗君
        科学技術庁原子力局次長    山野 正登君
        環境庁長官官房長       金子 太郎君
        環境庁企画調整局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁企画調整局環境保健部長 野津  聖君
        環境庁自然保護局長      信澤  清君
        環境庁大気保全局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全局長      堀川 春彦君
        厚生省環境衛生局長      松浦十四郎君
        水産庁次長   佐々木輝夫君
        通商産業省基礎産業局長    矢野俊比古君
        資源エネルギー庁公益事業部長 大永 勇作君
        運輸省自動車局整備部長    田付 健次君
        労働省労働基準局安全衛生部長 中西 正雄君
 委員外の出席者
        法務省民事局参事官      吉野  衛君
        厚生省環境衛生局乳肉衛生課長 岡部 祥治君
        厚生省環境衛生局食品化学課長 宮沢  香君
        厚生省薬務局安全課長     代田久米雄君
        通商産業省機械情報産業局自動車課長     富永 孝雄君
        運輸省自動車局整備部公害防止課長      北川  清君
        運輸省航空局飛行場部長    梶原  清君
        労働省労働基準局補償課長   山口  全君
        建設省道路局企画課長     浅井新一郎君
        建設省住宅局住宅生産課長   松谷蒼一郎君
        自治省税務局固定資産税課長  川俣 芳郎君
        特別委員会調査室長      綿貫 敏行君
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< 略>
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本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(塩化ビニールモノマー汚染問題等)
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○渡辺委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。

[中略]

○島本委員 これらの新建材がつくられるようになったときには、厚生省それから建設省は、特に火災時の安全性などについて完全にチェックしておりますか。耐火効果は十分調べているということを聞いているけれども、耐火効果があればあるほど、火災時の安全性などについても十分チェックしなければならないはずであります。新建材で認可制度をとっておりますか。おるとするならば、この火災時の安全性などに対してのチェックはどうなっていますか。

○松谷説明員 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、火災時の安全性のために、建築基準法に基づきまして建設大臣が防火の材料を認定しておるわけでございます。その認定の種類といたしましては、不燃材料、これは最も燃えない材料でございます。鉄板でありますとか石綿スレートでありますとか、そういうような材料であります。それから、それに準ずる準不燃材料、それから燃えにくい難燃材料と、この三つの材料を認定をしております。その認定の仕方といたしましては、建設大臣の告示に基づきまして試験方法を定め、それによりまして判定をしておるわけでございますが、特に、これまでの火災の事例に徴しまして、告示を四十五年に改正いたしまして、通常の火災時における熱におきまして、避難上、著しい有毒なガスの発生がないようにということを判定の条件としております。

○島本委員 それが条件として完全に守られているかどうかということも、今後やはり重大な問題であるから、繰り返し聞くのでありますが、やはり塩ビ樹脂の使用される新建材、なるほどこれは発火はしにくい、したがって耐火効果はあるわけであります。しかし、一たん火事に見舞われてしまうと、今度は毒性の高い塩化水素、毒ガスの原料の一つになっているホスゲン、こういうようなものであるとか、大量の一酸化炭素を発生して、火が回る前に、このガスが建物の中に充満して、多くの人命を損傷するような結果になる、これはもうすでにわかり切ったことなのであります。いま塩ビが問題になっている際に、食用ばかりの問題ではなくて、建材についても、この点をもう一回考える段階に来ているのじゃないか。建材としても塩ビ樹脂を使用するのは、この機会にもう一度考えてみるべきじゃないかと思うのです。火災が発生して、耐火効果はあるけれども、その前にどうしても人身に障害を与える。ことに一酸化炭素であるとか、または毒性の高い塩化水素やホスゲン、こういうようなものを発生するものは禁止すべきであって、これは確かに火が回るのは遅いけれども、その先に毒ガスのようなものでまいってしまう。まさに燃えないけれども、ガスでもって人を殺すような建材だということになってしまうおそれがある、そうでしょう。したがって、いまこの塩化ビニールが問題になっている際に、もう一度、問題になっていない建材、こういうようなものに対しても十分考えるべきじゃないかと思うのです。この点に対してどうですか。必要があるならばこれは禁止という措置も前提にして考えるべきじゃないかと思うのであります。

[後略]