75-衆-商工委員会-8号 昭和50年03月14日

昭和五十年三月十四日(金曜日)午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 山村新治郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 田中 六助君
   理事 萩原 幸雄君 理事 前田治一郎君
   理事 武藤 嘉文君 理事 佐野  進君
   理事 中村 重光君 理事 神崎 敏雄君
      天野 公義君    内田 常雄君
      浦野 幸男君    小川 平二君
      越智 通雄君    塩崎  潤君
      田中 栄一君    橋口  隆君
      八田 貞義君    深谷 隆司君
      森下 元晴君    板川 正吾君
      加藤 清政君    勝澤 芳雄君
      上坂  昇君    渡辺 三郎君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
      玉置 一徳君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  河本 敏夫君
 出席政府委員
        通商産業大臣官房審議官    大薗 英夫君
        通商産業省産業政策局長    和田 敏信君
        通商産業省立地公害局長    佐藤淳一郎君
        通商産業省基礎産業局長    矢野俊比古君
        通商産業省生活産業局長    野口 一郎君
        資源エネルギー庁長官     増田  実君
        資源エネルギー庁公益事業部長 大永 勇作君
        中小企業庁長官 斎藤 太一君
 委員外の出席者
        労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長   山本 秀夫君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        商工委員会調査室長      藤沼 六郎君
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委員の異動
< 略>
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< 略>
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本日の会議に付した案件
 高圧ガス取締法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 通商産業の基本施策に関する件
 中小企業に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
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○山村委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、中小企業に関する件並びに経済の計画及び総合調整に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐野進君。

[中略]

○近江委員 次に、いま問題になっておりますいわゆる隔膜法の転換計画の問題についてお伺いしたいと思っておりますが、この苛性ソーダの隔膜転換計画は今年の九月までに三分の二、五十三年の三月までに全部完了の予定ということで通産省の指導が行われておるわけでございますが、現在の進捗状況についてはどうかという問題。
 それからさらに、この隔膜法というものは水銀法に比較した場合、コストあるいは品質面で若干不利じゃないかというようなこと、転換のための設備資材や建設費が高騰した、こういうことで隔膜法自体にも技術的問題が残されている等々のことを産業界が言っておるわけです。最近米国、カナダから帰国いたしました調査団が、隔膜法転換について慎重論を述べておるわけですね。そういうことによりまして、苛性ソーダ業界が転換を見合わせると同時に、政府に対して転換計画の延期を要請しているというようなことをちょっと聞くわけでございますが、これは公害防止、環境保全の立場からいきまして、われわれとしては非常に心配しておるわけでございます。そういう意味において、政府のそういう転換計画の指導方針が後退することがないかどうか改めて確認をしておきたいと思うのです。
 以上二点につきましてお答えいただきたいと思います。

[中略]

○近江委員 この隔膜に使用いたします石綿の発がん問題が新たに注目されておるわけでございますが、この点について政府としてはどういうような対応策をおとりになるか、これは労働省からお伺いしたいと思います。

○山本説明員 お答え申し上げます。
 石綿石綿肺というじん肺の一種の原因でございますから、昭和三十五年以来健康管理を厳重にするように事業者にじん肺法で義務づけております。しかしながら、その後ILOあるいはWHOにおきますところの専門会議におきましてこの物質が気管支がんを起こすということが確認されるに至りましたので、私どもといたしましては特定化学物資等障害予防規則というものにこれを指定いたしまして監督、指導をしております。しかし、このたびその規制内容をさらに深めまして、たとえば石綿の吹きつけ作業の禁止でございますとか、それから抑制濃度、環境を管理する濃度でございますが、これを少し厳しくするということで、労働者が石綿によるがんというようなものにかからないようにしようというふうに考えております。

○近江委員 今日ソーダ工業界におきましていろいろな問題が出ておるようでございますが、一つは、ダウケミカル社の日本進出計画が明らかにされておる。現在非常に波乱を巻き起こしておりますが、このダウケミカル社の国際的な進出状況を見ておりますと、大体一〇〇%子会社出資、こういう形態になっております。聞くところによりますと、計画は何か三十六万トンであるとか、先ほど局長が御答弁になったように三百五十万トンからしますと非常に大きな額になるし、これもさらにまた増産計画という第二期のことも考えていきますと、中小企業等も多い業界から考えますと、この波乱というものは非常に大きいと思うわけですが、この進出問題についてはどのように調整をなさるおつもりですか。

[後略]