72-衆-決算委員会-5号 昭和49年03月14日

昭和四十九年三月十四日(木曜日)午前十時二十五分開議
 出席委員
  委員長 臼井 莊一君
   理事 唐沢俊二郎君 理事 田村  元君
   理事 松岡 松平君 理事 綿貫 民輔君
   理事 久保田鶴松君 理事 原   茂君
   理事 庄司 幸助君
      宇都宮徳馬君    吉永 治市君
      藤田 高敏君    田代 文久君
      坂井 弘一君
 委員外の出席者
        通商産業省基礎産業局化学製品課長      赤羽 信久君
        建設省計画局技術調査官    浅間  隆君
        会計検査院事務総局第一局長  高橋 保司君
        会計検査院事務総局第三局長  桜木 拳一君
        参  考  人(日本建設業団体連合会専務理事)      渋江 操一君
        参  考  人(全国中小建設業協会理事)  島田 善雄君
        参  考  人(全国建設労働組合総連合会合理化技術対策部長)      谷内 富三君
        参  考  人(日本管工事工業協会会長)  山本 秀夫君
        参  考  人(日本管工事工業協会管工事資材対策委員長) 三富 榮司君
        参  考  人(塩化ビニール工業協会理事) 鈴木 安丸君
        参  考  人(塩化ビニル管・継手協会長)      下田 謙治君
        参  考  人(塩化ビニル管・継手協会専理事)     渡辺藤四郎君
        参  考  人(全国管工機材商業連合会副会長)      橋本 政雄君
        参  考  人(全国管工機材商業連合会理事)      奥山 二郎君
        決算委員会調査室長      東   哲君
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委員の異動
< 略>
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本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十六年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十六年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十六年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十六年度政府関係機関決算書
 昭和四十六年度国有財産増減及び現在額総計算書
 昭和四十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府所管(経済企画庁)、通商産業省所管、建設省所管〕
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○臼井委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十六年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、総理府所管中経済企画庁、通商産業省所管及び建設省所管について審査を行ないます。
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[中略]

○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 引き続き参考人から御意見をお述べいただきます。それでは橋本参考人。

○橋本参考人 私は、全国管工機材商業連合会の橋本でございます。流通業界の立場から意見を述べさせていただきます。
 全国管工機材商業連合会と申しますのは、配管設備用諸資材、すなわち各種の管・継手類、衛生陶器・金具、バルブ、ポンプ及び住宅設備機器類等の販売業者の団体であります全国六地区の商業組合によって組織されており、会員数は四百七十四社でございます。私は東京の協同組合の理事長もいたしておりますが、東京はもちろん、全国では、会員になっていない業者の方も多数いられるものと思います。
 配管用塩ビ管は、一部の例外を除き、ほとんど管工機材の販売業者を通じ工事業者さんに納入いたしておりますが、その数は全国で、一次店約百三十社、二次店約千五百社といわれております。
 私は、流通業界の立場から配管用塩ビ管の現状を、発売当初から今日に至るまでの過程を申し上げながら御説明いたします。
 塩ビ管が配管用として発売され始めましたのは、約二十年前の昭和二十九年ごろでしたが、当時は鉛管、銅管、鋼管、鋳鉄管、石綿管等が主として給排水用に使用されておりました。塩ビ管は、当時としてはプラスチック製という材質の不安感と、継手類がそろっていなかったこと、さらにはトン当たり六十万円ぐらいという他の管類との価格差メリットのなさから、最終需要家並びに工事業者の方々から敬遠され、目立った需要もなく二、三年推移しましたが、昭和三十二年ごろには継手類も整備され、メーカーさんの合理化と増産による価格ダウンから、その需要も大幅に伸びてまいりました。
 その反面、生産過剰による販売競争は激烈化し、ついには昭和三十四年、四十年と二回にわたって塩ビ管の不況カルテルが実施されましたが、流通業界もまた同様に、きわめて採算の悪い商品として、長年にわたって苦労してまいりました。
 しかしながら、塩ビ管は配管工事にはなくてはならない資材と考えるため、採算を度外視して供給責任につとめてまいりました。幸い、われわれ管工機材の販売業者は、先ほど申し上げました通り、多品種にわたる商品を取り扱っており、塩ビ管・継手はその中の九%ぐらいのため、各社とも、何とか企業努力をもって供給責任を果たすことができたわけでございます。
 現在、塩ビ管・継手のみを取り扱っている販売業者が業界に存在していないことが、塩ビ管がいかに採算の悪い商品であったかを物語っており、私も、過去において塩ビ管・継手専門店が二社倒産したことを記憶いたしております。
 さて、昭和四十五年、四十六年と景気は沈滞しており、四十七年も年央には不況感も強かったのでありますが、中旬より政府の景気刺激策として種々の公共事業投資が実施され、また、金融緩和による住宅ローンの大幅な伸びにより、民間の住宅建築が四十六年に比べ三〇%もふえ、さらには全国的にゴルフ場建設ブームが起こり、塩ビ管の需要量が急激に増加してまいりました。一方、レジンメーカーの不況カルテルは四十七年一月から実施されており、塩ビ管メーカーさんも年初の消極的な生産予測もあって、急激な需要増に製品が追いつかず、四十八年初には一部品種に品切れが目立つようになり、長年いつでも間に合う商品であっただけに、工事業者さんの一部に塩ビ管の品不足感を強めたことになりました。
 四月になって価格は上がり、七月には、続発した石油コンビナートの爆発事故から、塩ビ管の供給は六月比三〇%近くのダウンとなり、一次店、二次店を含め、流通段階には、全くといってよいほど在庫はなくなりました。従来、ほとんど在庫をお持ちにならなかった工事業者さんも、受注工事の先行き手当て買いが活発となり、一方では、メーカーさんから要望どおりの入荷もなく、流通段階では、入荷即出荷の毎日が続いておりましたので、御希望どおりの品種、数量を取りそろえることが不可能な状態になりました。
 また、この間、当業界における流通コストも上昇してまいりました。
 すなわち、このような需給状況のアンバランスは、勢い小口、少量の入出荷となってあらわれ、極度に荷さばき、配送の頻度がふえ、運賃、人件費を含め諸経費がかかるようになりました。加えて取り扱い量の減少による経費率の上昇も当業界の経営を圧迫してきておりました。さらに、得意先から緊急の供給御要望により、同業他社から高い商品を間に合わせて納入いたす場合もありました。
 十一月末からは、石油問題、電力規制などからと存じますが、価格の高騰に加えて、再び供給がダウンして品不足、不安感を起こしましたが、本年に入り、総需要抑制策が効を奏したのか、一応の落ちつきを見せ始め、二月には価格の引き下げも行なわれて、三月に入ってからは徐々に存庫もできるようになってまいりました。
 塩ビ管は長年供給過剰であった商品だけに、昨年のような時期には、逆の意味で、われわれも非常に苦慮をいたしました。
 一般的に品不足になりますと、流通業者は、従来からお取引をいただいておりますお得意様を優先する傾向にあり、そのため、飛び入りのお客様には御不便をおかけしたこともあったかと存じます。また、公共性優先も流通業者の常日ごろ心がけておることでありまして、塩ビ管について申し上げれば、比較的要望の多かったゴルフ場向け等は控えさせていただいておりました。
 一方、工事関係において一部材料持ちの下請が行なわれ、極端な場合はさらにまたそれを下請に出し、受けた業者さんは、勢い情勢に合わないような価格をもって材料の購入をなさろうとされます。もちろん、全部がそうではないと思いますが、幾つかの段階を踏めば、それだけ価格のしわ寄せが流通業者にきて、ついには納入不能のようなことになる場合もありました。そのようなときに元請をされた業者さんが材料を手配されようとしても、平素から取引のある材料業者がないために手に入らなかったというケースもあるかと存じます。
 以上申し上げましたが、いずれにしても材料供給の円滑化は流通の責任であると自覚しておりますので、私は、昨年五月以来数回にわたり、組合員約千七百社を有する東京都管工事工業協同組合の杉原理事長さんはじめ代表の方々とお会いいたしまして、資材の供給には十分協力したい、販売業者に問題があれば、何でも直接私に申しつけて下さいとお伝えしました。
 十二月の会合の時に、一、二の業者について、不当な価格のつり上げや売り惜しみが話題にのぼりましたので、お手元に参考資料として提出いたしましたとおり、十二月二十日付発翰にて全組合員に対して、流通の使命を認識し、適正価格の販売と適切なる供給責任を遂行するよう訴えました。
 種々申し上げましたが、インフレ基調の経済界のもと、相次ぐレジンメーカー工場の爆発事故に加え、石油ショックにより予測し得ない極端な情勢に遭遇し、旺盛な需要とそれに追従し得なかった供給との板ばさみにあいまして、焦慮と混乱の一年でありましたが、今後はメーカーさんの絶大なる御後援と工事業者さんとの緊密なる御協力によりまして、安定供給の責任を果たすべく一そう努力をいたしてまいりたいと存じます。
 なお、二次卸関係につきましては、奥山理事より補足意見を申し上げます。
 終わります。

○臼井委員長 次に、奥山参考人。

[後略]