68-衆-商工委員会-20号 昭和47年05月12日

昭和四十七年五月十二日(金曜日)午前十時四十四分開議
 出席委員
   委員長 鴨田 宗一君
  理事 浦野 幸男君 理事 小宮山重四郎君
   理事 橋口  隆君 理事 武藤 嘉文君
   理事 中村 重光君 理事 樋上 新一君
   理事 吉田 泰造君
      稲村 利幸君    内田 常雄君
      神田  博君    北澤 直吉君
      坂本三十次君    田中 榮一君
      前田 正男君    増岡 博之君
      松永  光君    山田 久就君
      石川 次夫君    岡田 利春君
      加藤 清二君    松平 忠久君
      岡本 富夫君    広沢 直樹君
      川端 文夫君    西田 八郎君
      米原  昶君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 角榮君
 出席政府委員
        外務省経済局長 平原  毅君
        通商産業政務次官      稻村左近四郎君
        通商産業省通商局長      山下 英明君
        通商産業省繊維雑貨局長    佐々木 敏君
 委員外の出席者
        国税庁直税部法人税課長    垣水 孝一君
        通商産業省通商局国際経済部通
        商関税課長   寺田 恵一君
        労働省職業安定局業務指導課長 加藤  孝君
        自治大臣官房審議官      石川 一郎君
        商工委員会調査室長      藤沼 六郎君
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委員の異動
五月十二日
 辞任         補欠選任
  川端 文夫君     西田 八郎君
同日
 辞任         補欠選任
  西田 八郎君     川端 文夫君
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本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
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[前略]

○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。
 先ほどの理事会で御協議願いましたとおり、本案審議のため、参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

[中略]

○田中国務大臣 アメリカに保護貿易主義が台頭しつつあることはもう御承知のとおりでございまして、去年の九月の日米経済閣僚会議の時点から、日米間において、これらの問題に対しては事前に両国で十分話し合いをしようということを議題にし、話を詰めておるわけでございます。この間の陶磁器に対する関税の引き上げ等、この種の問題が幾つか出ておることは、はなはだ遺憾でございます。そういう意味で、一月の会談でも専門家会議の設置を行なったりして、日米間でなるべく摩擦を起こさないように、またこのような措置が一方的にとられるということになると、日米間の貿易経済の交流にも暗影を投ずるという心配がございますので、これらの問題に対しては、なるべく日米間で事前にいろいろ折衝したり意思の疎通をはかろうということでやってきたわけでございます。しかし、本件に対しては、いま御指摘のような状態でございますので、事態の推移を見ながらということでございますが、甘い考えではないのです。甘くはないのですが、向こうのほうが少しきびし過ぎるということで、この問題はどうも、何でもかんでもすぐ法律的に訴えるということは日本には向かないんだから、日本の実情にも合うような状態を考えてもらって、日米間で——アメリカは法律でもって結末をつければいいんだ、出てくるものはみんな、法律的な処置をすれば何らか結論が出るんだというようになっておるようだが、日本はもう法律的に訴えるということはたいへんなことなんだ、特に私は日米繊維協定をやったために、憲法違反の疑いで二つも裁判が起こされておるんだ、これは代議士としては致命的なんだ、そういう意味で日米間はもっと深刻に、かかる問題は事前に調整しよう、こういうことを言っておるわけでありますが、近年アメリカで特にこのような状態が起こっておることはほんとうに遺憾であります。だから、本件自体に対しては、事態の推移を見ながら適切な措置をとらなければなりませんが、その他かかる問題が頻発をしないように、ひとつ十分両国の間で意見調整をしてまいりたいと思います。

○樋上委員 甘く見ておらないと言われるけれども、甘く見せたんじゃないかと思われる。アメリカのほうは、最終的には、ぐっと押し込んでいけばもう何でも通るんだということで、向こうがこちらを甘く見ておるのであります。ですから、米国はことしになって、すでに大型変圧器、漁網、アスベスト・セメント・パイプの三つにダンピング徴収税を決定した。ところが、これに対して今度はダンピング税をかけるかどうか、その場合、もしダンピング税を今度かけてきた場合はどうなるか、ひとつ御所見を承りたいと思うのです。

○佐々木(敏)政府委員 ただいま大臣からお話がございましたように、最近、米国におきましては保護主義の動きが非常に強うございまして、米国のダンピング法の運用につきましても非常にきびしい態度でございます。昨日毛織物が関税差しとめになったのでありますけれども、わが国といたしましては、このようなダンピング法のきびしい適用につきましては、常時米国側に対しましで反対要望をいたしておるわけであります。先月末アンチダンピングのための日米専門家会議も開催いたしまして、米国の非を訴えたのであります。さらに今後他の品目に拡大いたしませんように、専門家会議あるいはOECDの場等を通じまして米側に改善要求をしたい、かように考えている次第であります。

[後略]