65-衆-地方行政委員会-30号 昭和46年05月20日
昭和四十六年五月二十日(木曜日)午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 菅 太郎君
理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
理事 古屋 亨君 理事 山口 鶴男君
理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
亀山 孝一君 國場 幸昌君
高鳥 修君 中村 弘海君
中山 正暉君 野呂 恭一君
村田敬次郎君 安田 貴六君
土井たか子君 細谷 治嘉君
桑名 義治君 和田 一郎君
門司 亮君 林 百郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 秋田 大助君
出席政府委員
総理府総務副長官 湊 徹郎君
運輸大臣官房長 高林 康一君
自治省行政局公務員部長 山本 明君
消防庁長官 降矢 敬義君
委員外の出席者
大蔵省主計局主計官 後藤 正君
大蔵省主計局主計官 金子 太郎君
厚生省薬務局薬事課長 山高 章夫君
林野庁指導部長 海法 正昌君
海上保安庁警備救難部長 貞広 豊君
建設省住宅局建築指導課長 前川 喜寛君
自治省財政局交付税課長 横手 正君
消防庁予防課長 永瀬 章君
地方行政委員会調査室長 日原 正雄君
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委員の異動
五月二十日
辞任 補欠選任
山本 幸一君 細谷 治嘉君
同日
辞任 補欠選任
細谷 治嘉君 山本 幸一君
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本日の会議に付した案件
消防法の一部を改正する法律案(内閣提出第四八号)(参議院送付)
小委員長からの報告聴取
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○菅委員長 これより会議を開きます。
理事会の協議により、消防に関する件について調査を進めます。
消防に関する小委員長から、小委員会における調査経過の報告について発言を求められておりますので、この際、これを許します。消防に関する小委員長古屋亨君。
[中略]
○和田(一)委員 いまのお答えにもありましたように、やはり新建材に対する啓蒙といいますか、こういうものを使うべきである、使ってはあぶないというふうな、一般の方々に対する認識を深めることが一番大事だと私は思うのですよ。こういうところに使ってはいけないとか、こういうところはなるべく使わないようにしたほうがいいというような、いわゆる建築基準法的な考え方は、ちまたへ行きますとほとんど守られていないのが現状じゃないかと思うのです。さらにまた新建材というのは見た目には非常に美しい。しかしまた大工さんとしましても、非常に簡単にできるということ、ますますこの新建材等を使う建築がふえてくると思います。おそらくそればかりになるのじゃないかというふうな、そういう趨勢だと思うのですね。ここでひとつ、たとえばあれはいろいろな名前がついているわけですよ。壁に使うやつは〇〇〇というような一つの固有名詞になって販売をされているわけですね。ですから、こういう製品はこうだというふうな、そこまでひとつ消防庁としては調査して発表できませんか。市民の方方に、こういう新建材は非常に危険だ、こういうふうな使用者に対する啓蒙がなされなければ、今後ますますこういう煙死というものがなくなってこないのじゃないか。そういう点で私は、公表と言っちゃずいぶんメーカーに対して犯罪者扱いにするようなかっこうになるかもしれませんが、しかし、こういう製品はこういうように危険だ、この製品はまあまあだいじょうぶだというふうな、そういったものを新聞紙上でも発表すればいいのです。そうすれば、もっとそういう問題が少なくなるのではないかと思うのですけれども、その点についてはどうでしょう。
○降矢政府委員 新建材の問題は結局内装に使う場合に制限するという問題と関連してくるわけでございます。したがいまして、建材につきましても、不燃、こういうものは燃えない、たとえば石綿のスレートとかあるいは石こうのパーライトとか、こういうもの、その次は準不燃材料として、石こうボードあるいは木目のセメント板、こういうもの、それから難燃材料、木質のものもございますし、そうでないものもございます。そういうものにつきまして、一々表示をしておるわけでございまして、その表示がどういう表示になっておるのかということについてのPRを先般建設省とともにやり、また県にもお願いをいたしまして、県のほうにもそういうことでやっていただいたわけでございまして、具体の板につきましてそういう表示をしてありますので、その表示がどういう意味であるのかということを一般の方々に御理解していただくということでやったわけでございます。
○和田(一)委員 内装制限といいますけれども、内装制限といったって、壁はやっぱり壁のようなふうにつくっていかなければならない。必然と新建材がそこで使われるわけです。昔のようなしっくいなんかいまは全然使いませんから、柱にみぞを彫ってそこにはめ込めばいい新建材を使う。それを制限するといったって困るんじゃないですか。それを北側のところに窓をあけるわけにはいかないから、やはり使われるだけは使われてしまうのではないでしょうか。そういう点についての制限はどうされるわけですか。
○前川説明員 これは、かえって建設省のほうの関係でございます。われわれもいまのような御指摘の点でできるだけ燃えにくいといいますか、煙を出さない材料というものを使っていただきたい。法的に強制します分は、特殊建築物とか、そういったものでございます。一般の家庭にもできるだけそういったものを使っていただきたい、こういうように思っております。
したがいまして、今度は表示の問題でございますが、建物につきましては、それなりに部屋の用途とかいろいろなことがありまして、できるだけわかりやすく、たとえばすみっこにでも小さなマークを打つとか、あるいは刻印をするとか、これからいろいろ検討していきたい。そうしてできるだけ消費者なり、持っていますと、検査する側でもすぐわかるというふうなこと、こういうような点をいろいろ考えていきたい、こういうふうに考えております。
ただいずれにしましても、やはり法律で強制する分というものと、それから一般のそれ以外の建物でもやはりいろいろな性能がそれぞれのものに要求されますので、とりあえず要求する分はいまのある範囲ということにしましたけれども、あとはできるだけいまのようなかっこうで指導徹底をはかっていきたい、こういうように考えております。ただ基本的には、御存じだと思いますが、今回の建築基準法の改正につきましても、従来にないくらいに非常に大幅に内装制限の適用範囲を広めているわけでございます。今後逐次この状況を見ながらさらに適用範囲を拡大していきたい、こういうふうに考えております。
○和田(一)委員 建設省の方、ちょうどいらっしゃって答弁してくださいましたので、もう一つお聞きしたいと思うのですが、新建材、これは確かに見た目には美しいし、それから工作についても非常に楽だ。普及されておりますけれども、建物というものは、これはいわゆる難燃性というものを強調するのじゃなくて、これからは不燃化というものに持っていかなければならないのじゃないかと私は思うのですよ。で、昔は壁だったのです。壁は、あれは難燃どころか不燃ですよ、左官屋さんがやる場合には……。ところが、逆に現在では燃えるようなのがどんどんできているわけです。ですから、いわゆるマッチ箱のような中に住んでいるということになる。これがどんどん発達してまいりますと、外側から幾らモルタルでふさいだとしても、中から燃えやすくなっている。ですから、昔から考えればずっとこれは燃えやすい家屋になってくるわけです。
それから話がまた変わりますけれども、農業問題ですね、前に殺虫剤で一番最初にDDTが使われた。それが今度は虫が強くなってきかなくなっちゃって、BHCに切りかえた。BHCだって虫が強くなって死ななくなったために、ドリン系のものになってきた。エスカレートしているわけですね。それも全部、何といいますか、農林省の登録済みで、全部農林省が検査をしてやっているのですよ。それと同じように、建設省のほうでちゃんと法律的にきめたものが、これからどんどん日本の国が火災を起こすような状態になっていく。いま、農薬をごらんなさいよ。おかあさんのおっぱいから出るのです。いまの赤ちゃんに一体何を飲ましたらいいのか、そこまでなってきて、そうしてやめろと言ったって、これは間に合わない。私は新建材は絶対燃えないようにつくればいいと思うのです。何で難燃性にするのですか。ですから、そういうものを使う人はまさか自分のところは火災になるということは気がつかない。これはもうおそらく建設省のほうでやっているのだろうと、マークがついているのだから、安心して買う。しかし火災になったらとんでもないことになってしまう。ですから、こういうものは非常に燃えやすいとか、燃えた場合にはこれは煙が出るとかという、そういったことを私は発表したほうがいいのじゃないかと思うのです。建設省のお考えはどうですか。
○前川説明員 御指摘の点は確かにあると思います。実は普通の建物は従来は壁で塗っているというのが普通の工法でございます。いわば、柱は別としましても、ある意味での不燃的な建築でございます。これがやはり人手が足りないとか、あるいはいろいろ大工さんの技術が非常に低下しているとかいろいろなこと、さらに言いますと、工法をできるだけ省力化したいというふうなことから、だんだん乾式工法といいますか、具体的な名前をあげるとちょっと恐縮でございますけれども、たとえば合板のような材料が非常に普及します。それで、ある意味で煙を非常に出すような材料になってきているという傾向がございます。こういった点は、確かにわれわれとしても省力化とか、これからもだんだん建築費が値上がりするとか、そういった意味ではできるだけ考えなくてはいけないのでございますが、やはり一方人の命はぜひ守りたいという方向で考えていきたいと思っております。したがいまして、実は新建材という中にも最近は、ここ五年程度のところでございますが、逆に煙を出さない非常にいい材料がどんどん開発されております。それが非常に急速度にいろいろな材料が出ております。たとえば従来石綿スレートのようなもの、工場でよく使われました灰色の材料だけだったこういうものが、プリントしたり、色をつけたり、いろいろなきれいな材料が出ております。こういったいい材料をどんどん開発していくというふうな方向で考えていきたい、こういうふうに思っております。
問題は、やはり従来ありましたようなもの、単に省力化だけで人の命に非常に影響を及ぼすもの、こういったものが実はそれ以外にもたくさんあるわけでございます。したがいまして、われわれは特に現在の段階における重点といたしましては、先ほど消防庁長官からお話が出ましたように、難燃材料とか準不燃材料、不燃材料、こういったものをマークをつけて売っております。ぜひこういったものを使っていただきたい。法的に指定しておるところはもちろんでございますが、それ以外のところでも、特に危険なところはぜひそれを使っていただきたい、こういうPRをしたいと思います。ただ先ほども申し上げましたように、建築の材料はその部分、部分でいろいろな性能が要求されております。たとえば防水性を要求しているとか、いろいろな性能が要求されております。これが問題なくて、ほかの性能も全部合致しているというものができましたら、これは一番いいのでございますが、現実にはなかなかそこまでいかない。そうしますと、われわれとしましても、特に命に危険のあるような、たとえば廊下とか階段とかあるいは台所とかいうふうな、一番肝心のところですね、こういったところはぜひそういうものを使っていただきたいというふうな考えでいまやっております。
○和田(一)委員 建設省のほうは相当がんばっていらっしゃるそうですけれども、じゃ消防庁どうですか。家屋の不燃化という問題ですね。先ほどからるる御答弁がございましたけれども、やはり公表というのはまずいですか、そちらのほうでは。これは建設省ではちょっと無理でしょうけれども、消防の立場から、こういうものは使わぬほうがよろしいということ、それはどうでしょう。
[後略]