64-衆-産業公害対策特別委員会-5号 昭和45年12月09日

昭和四十五年十二月九日(水曜日)午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 加藤 清二君
   理事 小山 省二君 理事 始関 伊平君
   理事 古川 丈吉君 理事 山本 幸雄君
   理事 渡辺 栄一君 理事 島本 虎三君
   理事 岡本 富夫君 理事 寒川 喜一君
      伊藤宗一郎君    木部 佳昭君
      久保田円次君    葉梨 信行君
      浜田 幸一君    林  義郎君
      藤波 孝生君    松本 十郎君
      土井たか子君    古寺  宏君
      田中 昭二君    西田 八郎君
      米原  昶君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
        国 務 大 臣(総理府総務長官)      山中 貞則君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審議官      城戸 謙次君
        内閣法制局第四部長      角田礼次郎君
        警察庁交通局長 片岡  誠君
        経済企画庁審議官       西川  喬君
        法務政務次官  大竹 太郎君
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵大臣官房審議官      吉田太郎一君
        文部政務次官  西岡 武夫君
        厚生省環境衛生局公害部長   曾根田郁夫君
        林野庁長官   松本 守雄君
        通商産業政務次官      小宮山重四郎君
        通商産業省公害保安局長    莊   清君
        通商産業省鉱山石炭局長    本田 早苗君
        通商産業省公益事業局長    長橋  尚君
        運輸省鉄道監督局長      山口 真弘君
        運輸省自動車局長       野村 一彦君
        自治政務次官  大石 八治君
        自治大臣官房長 岸   昌君
 委員外の出席者
        人事院給与局次長       渡辺 哲利君
        通商産業省鉱山石炭局石油業務課長      斎藤  顕君
        運輸省自動車局整備部長    隅田  豊君
        自治大臣官房参事官      立田 清士君
        参  考  人(中央公害対策審議会会長)  和達 清夫君
        参  考  人(早稲田大学教授)      野村 平爾君
        参  考  人(大阪学院大学教授)     板橋 郁夫君
        参  考  人(横浜国立大学助教授)    宮脇  昭君
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委員の異動
十二月九日
 辞任         補欠選任
  古寺  宏君     田中 昭二君
同日
 辞任         補欠選任
  田中 昭二君     古寺  宏君
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本日の会議に付した案件
 公害対策基本法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
 環境保全基本法案(細谷治嘉君外七名提出、衆法第一号)
 公害防止事業費事業者負担法案(内閣提出第一七号)
 騒音規制法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)
 大気汚染防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)
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[前略]

○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出の公害対策基本法の一部を改正する法律案、公害防止事業費事業者負担法案、騒音規制法の一部を改正する法律案、及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案、並びに細谷治嘉君外七名提出の環境保全基本法案について審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。寒川喜一君。

[中略]

○莊政府委員 産業界でも、まだ本格的な研究は行なわれておらないと承知しておりますが、自動車技術研究所というものが財界の出資でつくられております。そこが今後タイヤ業界と提携いたしまして、タイヤに関して総合的な研究を行なうことになっております。将来、御指摘のような問題につきましても、業界自体でも製品公害という問題もあるわけでございますから、そういう立場から研究するように、今後の問題として指導いたしたいと思います。

○田中(昭)委員 重大なことであるけれども、結局研究がなされていないということです。私たちがどんなに調べようとしても、これは通産省も企業の秘密なんかといって、絶対に教えてくれない。しかし、このことについてはやはり世の中は、あなたたちが研究しなくても、ちゃんと現実は調べてあるところもあるのです。ある研究所で調べてみますと、このタイヤの摩耗によるところのタイヤの粉じんが、年間三十万トンにのぼると私は聞いております。問題は、このタイヤの——また役人さんに聞いても時間がかかりますから、私のほうから申し上げますが、このタイヤの成分はどうか、成分が問題です。ゴムであることは間違いない。そのほかアスベスト、硫黄、カーボン、その他重金属ということになっておるようでございますが、こういう重大なものが大気を汚染し、人体に影響があるということについて、いままで何の研究もなされていないということは、一体どういうことですか。関係各省、通産省、運輸省。

○隅田説明員 タイヤの微粒子が、身体的にどういう影響を及ぼすかということは、いわゆる医学関係のほうの研究としてはやっておられると思いますが、私たちのほうとしてはやっておりません。

○莊政府委員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、産業界のほうでもタイヤの問題について研究をしようということになってきておりますので、指導をいたしたいと思います。

○田中(昭)委員 御存じのとおり、何べん答弁を求めても同じことです。やっていて言わないのか、その点は大臣にひとつ考えてもらいたい、そして答弁してもらいたい。この古タイヤが町で焼かれております。いまのような成分であれば、重大な有毒ガスが多量に発生する。この古タイヤによって交通事故まで起こっている、死人まで出ておる。厚生大臣のほうも、今度廃棄物処理法を出されたわけですが、そういうものでこれがどのように取り締まれるのか。またこのタイヤの主成分になっておりますゴム、アスベストについて、重大な事柄でございますから、どのようなお考えを持っておりますか最後にお尋ねしたいと思います。そして、いま申し上げましたことを踏まえて、山中総務長官から最後にお考えを聞きたい。

○内田国務大臣 私のほうも実は苦慮いたしております。これは運輸省なり、通産省なりに、大いに一歩を進めてもらわなければならない問題でありまして、今度の法律で取り入れましたのは、一つの施設から生ずる粉じんにつきましては、そのいろいろな管理、監督の規定もございますが、古タイヤで自動車が走っておるときに、その摩擦によって生ずる粉じんというようなものにつきましては、施設ではないものですから、直接今度の法律の対象にもならないので、私のほうではたいへん困っておりますから、もとにさかのぼって、そうしてそういう粉じんが生じないようなタイヤをつくっていただくことと、今度はあと始末としてのいまおっしゃいました廃棄物処理法、これによって私どもは責任をもちまして、たとえば自動車、タクシー会社等から生ずる古タイヤの処置については、排出者責任の原則に立ちまして、そういう自動車会社等につきまして処置を講じさせますし、また自家用の車に売られた古タイヤが一般廃棄物に出されます際には、これは家庭の一般の廃棄物などとは区分して処理する等、いろいろ苦心して道を考えてまいりますが、要はやはりそういうものをつくるときに、そういう粉じんが出ないようなものをつくっていただくということで、私どもひとつ大いに関係各省にお願いをいたし、国民の健康を守ってまいりたいと思います。

[後略]