63-衆-商工委員会-26号 昭和45年05月06日

昭和四十五年五月六日(水曜日)午前十時四十分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 浦野 幸男君 理事 鴨田 宗一君
   理事 橋口  隆君 理事 前田 正男君
   理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君
   理事 岡本 富夫君 理事 塚本 三郎君
      石井  一君    稲村 利幸君
      小川 平二君    大久保武雄君
      海部 俊樹君    神田  博君
      小峯 柳多君    左藤  恵君
      坂本三十次君    進藤 一馬君
      田中 六助君    藤尾 正行君
      山田 久就君    石川 次夫君
      岡田 利春君    加藤 清二君
      中井徳次郎君    中谷 鉄也君
      松平 忠久君    横山 利秋君
      近江巳記夫君    多田 時子君
      松尾 信人君    川端 文夫君
      吉田 泰造君    米原  昶君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        通商産業政務次官      小宮山重四郎君
        通商産業省公益事業局長    馬場 一也君
        通商産業省鉱山保安局長    橋本 徳男君
        建設省道路局長 蓑輪健二郎君
        消防庁長官   松島 五郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保安部長     長谷川俊之君
        運輸省鉄道監督局民営鉄道部長 佐原  亨君
        労働省労働基準局安全衛生部安全課長     中西 正雄君
        消防庁予防課長 永瀬  章君
        参  考  人(大阪ガス株式会社社長)   西山  磐君
        参  考  人(大阪ガス株式会社営業部次長)      藤田 彰男君
        参  考  人(鉄建建設株式会社社長)   大石 重成君
        参  考  人(鉄建建設株式会社大阪支店土木工事第二部長)      金子 越郎君
        参  考  人(大阪市交通局長)      黒田 泰輔君
        商工委員会調査室長      椎野 幸雄君
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委員の異動
五月六日
 辞任         補欠選任
  岡田 利春君     加藤 清二君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 清二君     岡田 利春君
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< 略>
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本日の会議に付した案件
 公益事業に関する件(大阪ガス爆発事故問題)
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○八田委員長 これより会議を開きます。
 公益事業に関する件について調査を進めます。
 本日は、大阪ガス爆発事故問題について、配付いたしました名簿のとおり参考人の方々が出席しておられます。
 参考人には、御多用中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は本問題について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見の開陳をお願いいたします。
 まず、御出席の各参考人の方々から御意見を述べていただき、そのあとに質疑を行なうことといたします。
 それでは最初に、西山参考人にお願いいたします。

[中略]

○岡本委員 あと二、三点で終わります。
 それから、もう一つガス会社にお伺いしたいのは、先ほども話がありましたように、地中にあるときはガス管というものは、温度が一定しておりますから収縮率が少ない。しかし、地上へ出ますと、これは寒暖によりまして、要するに寒かった、暑かった、この温度差によって収縮する率が多いと思うのです。鉄道線路でもみな間隔をあけておるわけですから、これに対しては先ほど八トンとか何とか言いましたけれども、なかなかこれはとめてあるボルトくらいはすぱっと切れるわけですよ。その点について、たとえばガス管をそのまま露出するのじゃなくして、上から保安工事をするとか保温工事をするとかして、アスベストあたりで巻いたらだいぶ違いますから、そういうようにして、収縮によってはずれたりしないような措置も極力お願いしておきたい、こう思います。 そこで、鉱山保安局長来ておりますね。石炭の鉱山ですが、そういうところにおいて保安対策はどういうようになっておるのか、ちょっとこれだけお聞きしたいのです。たとえば一酸化炭素の検知機をたくさん置くとか、いろいろやっていると思うのですが、それについて。

○橋本(徳)政府委員 お答えいたします。
 鉱山、特に石炭山におきまするガス爆発と今回の場合と、私、必ずしも石炭山の対策がこれにストレートに結びつくかどうか、ちょっと問題だとは思います。というのは、基本的には、今回のような場合には要するにガス管からガスが出てはいけないというふう状態ですが、鉱山の場合には、むしろガスを出す、地山から全部ガスを出すというふうな対策を中心にとっております。したがいまして、まずそのガスを出すためにいろいろ坑道を穿孔し通気をよくする。さらに、それでもガスが抜けない場合には、ボーリングをやりまして、それで強制的にガスを抜いていくというふうなやり方。そうしまして一%以下の状態になりました場合に、初めてそこで電気施設の設置ができる。御承知のように、ガス爆発の限界はメタンガス四%ないし九%でございますから、一・五%のガスになった場合にはそこで作業停止を命ずるというふうな形になっております。それから二%になれば退避をする。それで退避をする際には、通常の訓練を、毎月図上訓練をやり、それから三カ月に一回現地の訓練をやっておりますが、その方法に基づいて係員の指導のもとに退避をするというふうなことをやっております。
 それからまた、一酸化炭素等につきましては、もちろん坑内に入る全員が自己救命器を持って作業につくというふうなことをやっております。こういった仕組み方は、要するに一つの資格をとりました係員が常時検定機を持ちまして、作業開始の前及びそれ以外の特定の定められた時間ごとにガスの検定を坑内においてやっていく。それと同時に、もう一つは自動警報機という装置を置きまして、これによりまして、ガスが一定量になれば自動的にそれが警報を発する。それからまた、電気施設とそれをインターロックいたしまして、自動的に電気が遮断されるというふうなこともやっております。そういうような方法によってガス爆発の防止につとめておる次第でございます。

[後略]