43-参-商工委員会-7号 昭和38年02月14日

昭和三十八年二月十四日(木曜日)午前十時三十二分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     赤間 文三君
   理事
           岸田 幸雄君
           近藤 信一君
           向井 長年君
   委員
           上原 正吉君
           川上 為治君
           古池 信三君
           豊田 雅孝君
           阿部 竹松君
           久保  等君
           椿  繁夫君
           松澤 兼人君
           二宮 文造君
           奥 むめお君
       発議者 向井 長年君
  政府委員
   北海道開発庁総務監理官    小島要太郎君
   通商産業政務次官       上林 忠次君
   通商産業省企業局長      佐橋  滋君
   通商産業省重工業局長     島田 喜仁君
   通商産業省鉱山局長      川出 千速君
  事務局側
   常任委員会専門員       小田橋貞寿君
  説明員
   通商産業省通商局輸出振興課長 中川理一郎君
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  本日の会議に付した案件
○中小企業者の産業分野の確保に関する法律案(向井長年君 発議)
○百貨店法の一部を改正する法律案(向井長年君 発議)
○商店街振興組合法の一部を改正する法律案(向井長年君 発議)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (地盤沈下に関する件)
 (プラント類輸出に関する件)
 (金属鉱業に関する件)
 (北海道地下資源開発株式会社に関する件)
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○委員長(赤間文三君) 次に、阿部委員から、北海道地下資源開発株式会社に関する件及び金属鉱業に関する件について、質疑の御要求がありますので、これを許します。

○阿部竹松君 大臣にお尋ねしようと考えておりましたが、大臣は予算委員会で、御出席されておりませんので、政務次官にお尋ねいたします。
 貿易為替の自由化について、いろいろ国内産業で解決しなければならぬ問題がたくさんあるようですが、特にその中で、金属鉱業についてお尋ねをするわけですが、銅から始まって、金、鋲、鉛、亜鉛とか多種多様にあるわけですが、全部自由化は直ちに行なわないという御答弁は、鉱山局長から毎々委員会で承っておるわけですが、その後の政府の施策について、品種別に例をあげて、つまり、銅は自由化いたします、亜鉛、鉛はいたしませんというように、大ざっぱでけっこうですからお示しを願いたいということがまず第一の質問であります。
 その次に、北海道に地下資源開発株式会社ということで、政府が財政投融資を行なって、北海道の地下資源の開発を目的とした会社が、石井さんが開発長官当時だったと思いますが、できておるわけです。それによって中小企業の鉱山にてこ入れをやって、探鉱その他諸問題を取り上げて、コスト・ダウンをはかるというようなことになって、会社が動いているわけです。ですから貿易自由化になると、外国から安いコストの製品なり原鉱が入ってくるわけです。したがって、なかなか日本の商品が太刀打ちできないというのが現状でございまするから、北海道地下資源開発株式会社でどの程度のてこ入れをやっておるものかということをお尋ねしたいわけです。

○政府委員(上林忠次君) わが国の非鉄金属の政策につきましては、わが国の産業の将来に対しまして重大な問題でありまして、現在為替相場の関係からいきますと、わが国は非常な不利な立場に立っておる。しかしながら国の産業の将来を考えますと、ある程度は非鉄金属を所有しなくてはならぬじゃないか。それにはある程度バック・アップしなければならぬじゃないかというような気持はいたしますが、ただいまお尋ねのそれでは現在どういうような、何金属はいつごろどういう工合にするかというようなお尋ねでございますが、最近の情勢については、私の部下が来ておりますから、局長のほうからお答えいたします。

○政府委員(川出千速君) お答え申し上げます。鉱産物は、石炭と違いまして非常に種類が多うございます。もうすでに自由化されたものもございます。今後自由化されようとしているものもございます。おもな鉱物の種類について御説明申し上げたいと思います。
 まず、日本の鉱山で一番ウエートが高いのは、銅と鉛、亜鉛であろうかと思います。したがいまして、銅と鉛、亜鉛についてまず御説明申し上げます。
 銅につきましては、実は政府の方針は、昨年の十月から本年の三月末日までの間に関税改正を行なって、自由化するというのが方針でございますが、その方針で参ろうと思っております。
 それから鉛、亜鉛につきましては、国際相場が非常に下がっておりまして、関税改正をした当時と環境が激変しているわけでございます。政府の方針は、銅と同じく、昨年の十月から本年の三月末までの間に関税改正を行なって、自由化に踏み切るという方針でございましたが、鉱業審議会で、鉛、亜鉛の実情について説明をしたわけでございますけれども、これは審議会で十分対策等も検討しなければいけないのではないかという御意見が多かったのでございます。したがって、さしあたっての措置といたしまして、本年の三月三十一日までに関税改正を実施するというのを改める方針を立てまして、本年四月一日以降来年の三月末までの間に関税改正を行なうということで、一応そういう法案を、これは大蔵省のほうの関係でございますけれども、国会に提案する準備をしているわけでございます。その間には、鉛、亜鉛の国際相場もどういう変動があるかわかりません。その場合にどういうような恒久策を立てたらいいかということも慎重に検討した上、自由化の基本方針をきめたいと、かように思っているわけでございます。
 それから、そのほかのものにつきまして、たとえば昨年の十月に自由化する際に非常に問題になりました品目が四つか五つございます。昨年の十月に自由化に踏み切りましたのは、マンガンと、それから石綿でございます。これは自由化に踏み切りましたけれども、輸入状況をよく見ておりまして、その点ある程度チェックできるような態勢にしておるわけでございますが、現在のところむしろ需要業界の不足ということもございまして、心配するような事態は起きてないわけでございます。なお、マンガンにつきましては、本国会にさらに関税改正を出す予定にしておるわけでございます。
 そのほかの鉱産物でございますが、たとえば硫黄でございますとか、硫化鉱あるいは金鉱石というようなものは、これは非常に自由化に対して抵抗が弱いものですから、しばらく自由化を見送っていく方針でございます。
 それから北海道地下資源の会社の御質問がございましたが、これはなるほど通産省が所管しておりますけれども、北海道開発庁のほうが主務と申しますか、担当しておるわけでございまして、私詳細には存じませんです。北海道地下資源の事業は、共同鉱業権者になりまして、みずから探鉱をするというのが本来の業務でございます。実はこの本来の業務というのはなかなかいろいろ困難な事情がございまして、実績があまり上がっていないと思います。しかし北海道地下資源がやっております仕事の主たるものは、受託探鉱、実質上の受託探鉱でございます。これは北海道のみならず、北海道外の地域でも最近は相当活発にやっておりますけれども、これは要するに、自分が資金を持って探鉱するのではなくて、鉱山会社等の受託、中小鉱山でございますが、の委託を受けて、その資金によりまして機械を持っていって探鉱するという仕事でございます。北海道地下資源は、石炭とそれからその他の鉱山、石油を除くその他の鉱山をやっておるわけでございますが、どの程度の寄与があったかということでございますが、三十七年度は実績はまだはっきりしておりませんけれども、メーター数で申しますと、大体金属鉱山と石炭とボーリングのメーター数はほぼ同じくらいと考えております。そのほかに非金属のほうをやっておりますので、非金属の鉱山ということになりますと、むしろ石炭よりも探鉱のメーター数では石炭以外のもののほうが多いというふうに伺っておる次第でございます。

○阿部竹松君 今御答弁を伺いましたが、たとえば貿易の自由化によって一番打撃をこうむるのは水銀なんですね。国内で生産されるのは、私はっきりわかりませんけれども、トン当たりのコストが三百万円くらいです。外国から入ってくるのは二百三十万円、一トンに対して七十万円も差がある品目で、特に日本で産出されるのは消費量の十分の一しかない、こういうことなんですから、水銀鉱の経営者もそこで働いている従業員も、鉱山局長みずから非常に努力なさったということも私知っておる。しかし、にもかかわらず、あなたの部下の一職員が野村鉱業の、水銀の日本の九割まで算出しておるという会社の重役と——新聞報道ですから、私はっきりわかりませんけれども、つまり贈賄があったやに堂々と記事が出ておる。きわめて遺憾であるし、私不愉快に思うのです。しかしこれはまだ裁判にかかっているでしょうから、どうかわかりませんので、これ以上触れませんけれども、どうもそういう問題については、これは局長の責任でないかもしれませんけれども、しかし現にやはり部下を十分監視していただかなければ……。山がつぶれて、休山になり廃山になり閉山になっていく。一方は、会社の重役と鉱山局長が一生懸命やっている、その下僚が酒を飲んでおったということが新聞に出ること自体が私は遺憾だと思うのですが、そういう点は以後十分……。いかに局長努力しても、百パーセント職員の行動を監視することができないまでも、ひとつお願いしたいと思う。
 では、お尋ねいたしますが、北海道の開発株式会社のことについては、担当係官がおいでになるそうですから、その方にお尋ねするとして、今、自由化がなされるという品目ですね、そのなされる場合の方法ですね、方法は、具体的にどういう方法で自由化をやるか、たとえば保護政策は全然とるものかとらぬものかということをお尋ねしたいのです。