41-衆-商工委員会金属鉱山に関…-3号 昭和37年10月25日

昭和三十七年十月二十五日(木曜日)午前十時三十五分開議
 出席小委員
   小委員長 中村 幸八君
      藏内 修治君    齋藤 憲三君
      小林 ちづ君    多賀谷真稔君
      田中 武夫君    伊藤卯四郎君
 小委員外の出席者
        議     員 石川 次夫君
        通商産業事務官(通商局予算課長)  長橋  尚君
        通商産業事務官(鉱山局長)  川出 千速君
        通商産業技官(工業技術院地質調査所鉱床部長)  高畠  彰君
        労働事務官(職業安定局長)     三治 重信君
        労働事務官(職業安定局調整課長)  北川 俊夫君
        参  考  人(鉱業審議会会長)  新海 英一君
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十月二十五日
 小委員齋藤憲三君同月十一日委員辞任につき、その補欠として齋藤憲三君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員松平忠久君同日小委員辞任につき、その補欠として小林ちづ君が委員長の指名で小委員に選任された。
同日
 小委員小林ちづ君同日小委員辞任につき、その 補欠として松平忠久君が委員長の指名で小委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 金属鉱山に関する件(鉱業審議会中間答申に関する問題)
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○中村小委員長 これより商工委員会金属鉱山に関する小委員会を開会いたします。
 金属鉱山に関する件について調査を進めます。
 本日は、本件の調査のため、参考人として鉱業審議会会長新海英一君が御出席になっております。
 新海参考人には、御繁忙中特に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。本日は、自由化に対処する鉱業政策のあり方等について御意見を承りたいと存じますが、まず、去る十月四日鉱業審議会から通商産業大臣に対し中間答申がなされましたので、その説明をお述べいただきたいと存じます。鉱業審議会会長新海英一君。

[中略]

○新海参考人 雇用問題につきましては、審議会の中に雇用特別分科会を設けてそこでさらに検討しようということもございましたが、緊急を要するものでございますので、概括いたしまして石炭鉱業に準ずる扱いということで、今のようなものを網羅したつもりでございます。

○多賀谷小委員 では、次に政府に質問をいたしたいと思います。
 まず十月一日から自由化される品目中、非常に問題がございましたマンガン鉱石、石綿、水銀、アンチモニー、タングステン鉱、これの自由化延期の声が御存じのように相当激しく、またずいぶん役所にも陳情に行かれたと思います。まあわれわれも従来この小委員会においてもあまり論議をされておりませんでしたけれども、その実態をよくお聞きすると、たとえばマンガン等においても、ことにソビエトの鉱石が非常に安い、まあこういうこと、それがどういう誤解があったのか、ソビエトから来る鉱石の自由化については何か差別ができるような話が伝わっておる。そこに誤解があったという話ですけれども、とうていそういうことはわれわれとして常識上なかなか考えられないところなんですけれども、とにかくそういうことで従来楽観をされておった、急に激しい運動になって現われたわけなんですが、これについて十月一日からついにマンガン、石綿は自由化に入ったわけですね。そして一番問題であったマンガン、ことに中小鉱山が非常に多い、零細である。ところが、〇・二六%という自由化率は、これは鉱石としては大きいとおっしゃるけれども、われわれとしてはこの程度のものがなぜ自由化に踏み切らざるを得なかったのか、それから自由化に踏み切るについては一体どういう処置を考えておられるのか、これをはっきりお聞かせ願いたい。

○川出説明員 お答え申し上げます。ことしの十月から自由化を予定されておりました鉱産物は、十の数をこえておったと思います。その中で、銅、鉛、亜鉛は、これは十月から来年の三月末までという猶予期間がついておりまして、十月ということは確定をしていなかったわけでございます。十月に実施を見るということで確定をしておりましたのが十以上あったわけでございますが、その中で海外情勢の変化等、昨年予想をしていなかった事情のために大へん困難な問題が生ずるということになったのが、先生御指摘のような品目が五つあったわけでございます。その中でマンガンあるいは石綿は自由化いたしたわけでございます。マンガン鉱石につきましては、御承知のように、山の数は非常に多い、全国に散在をしている。従業員の数も相当なものである、中小鉱山であるということで、自由化による影響は非常に大きいということは事実でございます。いろいろ苦心をしたわけでございますけれども、結局自由化を無期延期をするわけではないのでございます。事情変更によりました点の——これはマンガン鉱石は関税割当制度になっております。一次関税率はゼロ、二次が一〇%ということになっておりますが、その二次関税率を合理的なものにする間の問題、過渡的な期間の問題でございます。その辺をどのように考えるかという問題であったわけでございますが、これはマンガンの需要者とマンガンの供給者とには多年の協調関係がございます。マンガンの鉱石も建値は需要業界の方が建てておるのがマンガン業界の実態でございます。この協調関係は私は今後も維持していきたいという考えでおったわけでございます。需要業界の方は自由化を切望しておる、そういう事情はございます。ただし、このまま自由化することになりますと、マンガン業界あるいは鉱山局がおそれておったような事態も起きるかもしれないわけでございまして、その自由化にあたりましては、これは名前は自由化でございますが、自動割当制、AFA制といっておりますけれども、絶えず政府が輸入の状況を監視しておるわけでございまして、毎日々々見ておるわけでございます。事態によりましては、直ちに緊急措置もとり得るということができるわけでございます。一方需要業界の方は従来のような協調態勢を存続をして、国内鉱山を危機に陥れるような輸入はしないという行政指導をやることに約束もできておるわけでございまして、現実に自由化はしておりますけれども、現在何らの問題も起きていないわけでございます。そういう見通しのもとに自由化に踏み切ったわけでございます石綿についても同様のことでございます。
 それから他の三品目、タングステン鉱でございますとかあるいはアンチモニー、水銀等につきましては、これは十月の自由化は延期をいたしました。その中の全部ではございませんけれども、来たる通常国会におきましては、関税改正を考慮しておるわけでございます。もちろんマンガン鉱石あるいは石綿についても関税改正を考慮しておるわけでございます。
 以上でございます。

○多賀谷小委員 協調関係を維持するということですが、具体的にはどういうことなんですか。またそれは業界と業界との関係であるから公表を避けるとおっしゃればそれもけっこうですけれども、一体協調関係という一言でおっしゃったけれども、具体的にはどういうことなんですか、これをお聞かせ願いたい。

[後略]