41-参-商工委員会-2号 昭和37年08月23日

昭和三十七年八月二十三日(木曜日)午前十時三十六分開会
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 出席者は左の通り。
   理事
           剱木 亨弘君
           武藤 常介君
           中田 吉雄君
           向井 長年君
   委員
           上原 正吉君
           亀井  光君
           川上 為治君
           岸田 幸雄君
           小林 英三君
           豊田 雅孝君
           阿部 竹松君
           近藤 信一君
           吉田 法晴君
           椿  繁夫君
           二宮 文造君
           奥 むめお君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
   国 務 大 臣 宮澤 喜一君
  政府委員
   通商産業政務次官       上林 忠次君
   通商産業省通商局長      松村 敬一君
  説明員
   通商産業省軽工業局長     倉八  正君
   通商産業省鉱山局長      川出 千速君
   通商産業省鉱山局鉱業課長   大木  恒君
  事務局側
   常任委員会専門員       小田橋貞壽君
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  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査(通商産業大臣及び経済企画庁長官の施策に関する件)
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  〔理事剱木亨弘君委員長席に着く〕

[前略]

○理事(剱木亨弘君) それではこれより議事に入ります。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、まず、福田通商産業大臣及び宮澤経済企画庁長官から、それぞれ施策に関する所信を聴取いたします。福田通商産業大臣。

[中略]

○吉田法晴君 重ねて恐縮ですけれども、一般的な問題もそうですが、主権者の一人といえども、その生活を安定させる、保障するというのは民主政治のこれは責任です。そういう意味で、一人の転業者があっても云々というておるのは、基本的な精神においても私は違うんじゃないか。特に金属鉱山の場合に山の中、そうしてほとんど何代にわたってそこで仕事をしてきた。その鉱山がほとんどあげて自由化をされるならば、壊滅をするだろうという予想がなされる今日、その職場でもあり、あるいは金属鉱業というものを安定をさせるために、鉱業政策を確立しなければならぬ、こういう私は立場に追い込まれていると思うんです。鉱業政策の問題として、それに対して政府として、これは通産大臣がひとつきておられるから、通産大臣に生活、雇用の問題も含めてお尋ねをいたしておるわけです。それには今のようなありきたりの答弁でなしに、もう少し金属鉱業の安定のために、抜本的な対策を立てたいという決意がなければなるまいと思うんですが、いかがですか。

○国務大臣(福田一君) お説のとおり、自由化に踏み切るというと大部分のものが、その山自体もやっていけない、したがって、そこにいる大部分の人が職を失うという事態である、そして対策もないんだ、今対策が立っておらぬということであれば、それは私はこの際踏み切ってやるということにはならないだろうと思います。しかしその判断というものは、個々の企業についてたとえば石綿なら石綿と、あるいはマンガンというものでは事情も違います。たとえばの例でありますが、そういうふうにすべて一つ一つの産業についてこまかく検討をしていくという形で考えていきますならば、その最後の断を下すのはやはり九月の半ばころに総合的に断を下す。それではそういうような非常に今困っておって何とかせにゃならぬ産業があるとして、それに対して何ら対策を講じないかということであれば、これはもう私が申し上げるまでもなく、鉱業審議会というので検討もいたしてもらっております。また通産省自体としても、こういう問題は重要な問題でございますから研究をいたしておりまして、そういうことはどうでもいい、ほっておいてそうして自由化だけに踏み切っていこうという考えではございませんで、ひとつその点を御理解をしていただきたい、かように申し上げておるわけであります。

○阿部竹松君 時間がございませんから簡単にお尋ねいたします。
 さいぜん大臣の所信表明の中にございました、貿易の自由化と石炭、非鉄金属ですね、この非鉄金属のほうで探鉱補助の増額、合理化資金の確保、こういう項目でございますが、法の定めるところによりますと、予算を八月一ぱいに大蔵省に各省から提出しなければならないというようにきまっておるわけですね。ですから、おそらく通商産業省としては、明年度の予算の最終決定はもちろんことし一ぱいかかるでしょうけれども、予算の骨組みというものは、通商産業省としてはできておるわけです。ですからここに探鉱補助金の増額、合理化資金の確保というように明示してございますが、その三十八年度の予算に対する構想をひとつ承りたい。

[後略]