31-参-建設委員会-12号 昭和34年02月26日

昭和三十四年二月二十六日(木曜日)午前十時三十七分開会
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  委員の異動
二月二十五日議長において、上條愛一君を委員に指名した。
本日委員紅露みつ君及び草葉隆圓君辞任につき、その補欠として松野孝一君及び小山邦太郎君を議長において指名した。
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 出席者は次の通り。
   委員長     早川 愼一君
   理事
           稲浦 鹿藏君
           田中  一君
   委員
           石井  桂君
           小山邦太郎君
           西岡 ハル君
           秋山 長造君
           内村 清次君
           上條 愛一君
           村上 義一君
           安部 清美君
  政府委員
   建設政務次官  徳安 實藏君
   建設省住宅局長 稗田  治君
  事務局側
   常任委員会専門員       武井  篤君
  説明員
   農林省農地局管理部農地課長  中島 正明君
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  本日の会議に付した案件
○建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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[前略]

○委員長(早川愼一君) これから建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案については先日の委員会に建設大臣から提案理由の説明を聴取いたしましたので、本日はまず住宅局長より補足説明を聴取することにいたします。ちょっと速語をとめて下さい。
   〔速記中止〕

[中略]

○田中一君 政令におそらくいろいろなものを譲るのだと思うのですが、たとえば、不燃材料とは何か、どんなものをいっているのか。せんだっても参考人にも質問しておいたのですが、不燃材料という定義だけでは、どこで不燃材料と認めているものが不燃材料かというと、たとえばせんだっての参考人の意見では市川さんは省令できめてくれ、それから古川さん、大須賀さんはJISで認めてくれ、統一してくれ、それから内藤さんはいろいろ役人らしい理屈を雷ってい、涼したがね。どういらものを不燃材料と定義づけるかということです。まただれがそれをきめるかということですね。というのは新しい材料がどしどし出ております。そういう点に対する認定といいますかね、この法稚できめておりますところの不燃材料というものは何か。また政令でどういうようなきめ方をするのか。最初にそれを司いたいと思うのです。

○政府委員(稗田治君) 防火関係の材料につきましては、一応防火性能に関するJISの試験の規格をきめるわけでございます。従いまして、その規格に合っておれば新しい製品でも使えることになるわけでございますけれども、やはり一般にただJISの何号の規格というような表現でも、かえってわかりにくい面もあるかと思いまして、石綿板であるとかあるいは鉄網、ラス・モルタル塗りとか、そういった平易にわかる普通名詞は例示として使いたいと思っております。

○田中一君 どこでその不燃材料という決定をする権限を持っておるのですか。法律に規定するとこれは強制されるのです。従って、ラスモルタルというものというその決定する権利はどこにあるのですか。権利はだれが持っているのですか。あの工法をやってみたが今まで燃えなかったから不燃材料だ、こういうような今までの経験からくるところの通念でやるのか、もっと学問的にごうなっているからこうなんだということでもなければならないと思うのです。同じ不燃材料でも火災の場合熱が千度をこえる場合と七百度である場合とでは、その結果というものはおのずから迷ってくるわけです。千度が瞬間千五百度、千八百度になった場合にどうなるかということになると、これまたむずかしい問題が起ってくるわけです。単に火災現場に行って熱度を調べたりするわけではないのですから、推定とか経験をもって判断をすると思うのです。従って、もう今口の自由経済の世の中では続々と新製品というものは生まれてきている。またそれを実際にすすめているような設計技術家もいるわけです。そうした場合実験するような学校は日本にたくさんあります。京都大学でやったらいいというものも東京大学では否定する場合だってある思うのです。そういう不燃材料を法律できめる以上その不燃材料を便わなければならないのです。その場合これが不燃材料である、安心なものであるということを決定づける権限はどこにあるのか。

[後略]