28-衆-社会労働委員会-42号 昭和33年04月24日
昭和三十三年四月二十四日(木曜日)午後三時十三分開議
出席委員
委員長 森山 欽司君
理事 植村 武一君 理事 大坪 保雄君
理事 田中 正巳君 理事 野澤 清人君
理事 八田 貞義君 理事 滝井 義高君
理事 八木 一男君
大橋 武夫君 加藤鐐五郎君
倉石 忠雄君 小島 徹三君
小林 郁君 田子 一民君
中山 マサ君 古川 丈吉君
松浦周太郎君 亘 四郎君
赤松 勇君 岡本 隆一君
五島 虎雄君 多賀谷真稔君
中原 健次君 長谷川 保君
山花 秀雄君 吉川 兼光君
出席政府委員
大蔵事務官(主計局次長) 村上 一君
厚生事務官(大臣官房長) 太宰 博邦君
厚 生 技 官(公衆衛生局長) 山口 正義君
労働事務官(労働基準局長) 堀 秀夫君
委員外の出席者
参議院議員 草葉 隆圓君
参議院議員 大矢 正君
参議院議員 山下 義信君
大蔵事務官(主計官) 鳩山威一郎君
専 門 員 川井 章知君
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[中略]
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本日の会議に付した案件
健康保険法の一部を改正する法(野澤清人君外
五名提出、衆法第二三号)調理師法案(参議院
提出、参法第一五号)けい肺及び外傷性せき髄
障害の療養等に関する臨時措置法案(参議院提
出、参法第一九号)
請願
[中略]
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[前略]
○森山委員長 昨二十三日付託されました参議院提出のけい肺及び外傷性せき髄障害の療養等に関する臨時措置法案を議題とし、審査を進めます。
まず発議者より趣旨の説明を聴取することといたします。大矢正君。
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[中略]
○森山委員長 委員長よりの質疑は以上の通りであります。いずれにしましてもけい肺とか外傷性脊髄障害にかかった方々は非常にお気の毒な方々でありますから、これらの方々について事務手続上いろいろなむずかしい点がありましても、できるだけそういう点出について好意的な御運営をなされることを委員長として希望いたします。
○八木(一男)委員 ちょっとけい肺法に関しまして政府当局にお伺いいたしたいのですが、いわゆるけい肺法のよろけ病と同じ症状を呈して、同じように困っている病気の人があるわけです。それはアスベストを取り扱う工場にあるわけでありますが、これは現在けい肺法の適用を受けておらないようでございます。
〔委員長退席、野澤委員長代理着席〕
症状は同じで、対象の人数はごく少い、アスベストを取り扱う労働者は全国でごくわずかです。よろけの症状のある人もごくわずかです。全国探してもすぐぶつかるのは二十人くらいしかいないんじゃないかと思いますが、国庫支出にもそう影響もございませんし、同じ病気で、よろけで苦しんでいる人をけい肺法に適用させることが必要だと思うわけでございますが、それについて政府の御意見を伺いたいと思います。
○堀川政府委員 この点につきましては、実は現行のけい肺法立案のときにも、いろいろ問題が出たわけでございます。アスベスト肺をこのけい肺法の中に入れたらどうかという御意見もあったわけでございますが、アスベスト肺につきましては、その診定の基準等がまだはっきりしてわらなかったというような関係もありまして、けい肺法の中にその患者が入られなかったわけでございまして、その後の研究に待たれたわけでございます。労働省といたしましては、そのアスベスト肺の問題につきましては、実はその後衛生研究のための補助金等を支出いたしまして、民間の大学と連絡をいたしまして研究を願っておるわけでございますが、幸いにしてその研究の成果がだんだんと実ってきているわけでございますが、まだその結論が最終的に出ておりません。診定基準も近く明らかになることであろうと期待しておるわけでありますが、そういうものが出ました上は、他の患者との均衡等も、考えつつ、アスベスト肺の患者であっても、けい肺保護法の患者と同じような問題がある者につきましては、将来の法律改正のときにこれを加えるというような方法で、十分検討、努力をいたしたいと思います。
〔野澤委員長代理退席、植村委員長代理着席〕
○植村委員長代理 八木一男君。
○八木(一男)委員 そういう御準備が進んでおられることは非常にけっこうですが、さらに準備と研究を早く進めていただきまして、できましたなら解散後の次の特別国会にでも、その改正案をお出しいただくように、できるだけ早くしていただくように、努力を再度お願いいたしたいと思います。それからまた法律の問題につきましては、いろいろとほんとうに似た状態にある者については、擬制適用というような方法も、ほかの法律には行われております。法律改正を待たなくてもすぐできるという法律解釈がもしできますならば、即時それを進めていただいて、次に法律を改正する措置をぜひ考えていただきたいと思うわけでございます。そういう意味で、できるだけ早くそういう気の毒な人たちに適用を見るように努力下さるよう、再度ぜひ積極的な御発言をいただきたいと思います。
○堀政府委員 アスベスト肺患者の問題につきましては、実はけい肺の適用患者以外にも、これと同じような悲惨な状態にある患者等もありますので、他の労災保険の患者等との均衡を考慮しつつ、同程度に悲惨な状態にある患者をいかに扱うかという問題につきましては、十分検討いたしまして、悲惨な状態にある患者に対しまして均衡のとれた処遇が行われますように、十分検討いたし努力いたすつもりであります。
○八木(一男)委員 今の御答弁で大体満足ですけれども、もう少し御要望申しあげたいのは、他のものと均衡のとれたといいますと、他のものの診定の研究ができないときには待たされることになります。たった二十人三十人でも、現在にのけい肺の適用者と同じような状態にある者は少いものでも、研究とがそういう準備ができ次第に入れていただくように逐次——ほかのものと同時に入れていただければ、ほかのものと一諸でけっこうですけれども、そういうふうに御努力願いたい。それについて重ねてもう一回だけ伺いたいと思います。
[後略]