26-参-地方行政委員会-6号 昭和32年02月28日

昭和三十二年二月二十八日(木曜日)午前十時三十九分開会
    —————————————
  委員の異動
二月二十七日委員大野木秀次郎君辞任につき、その補欠として佐野廣君を議長において指名した。
    —————————————
 出席者は左の通り。
   委員長     本多 市郎君
   理事
           大沢 雄一君
           小林 武治君
   委員
          伊能繁次郎君
          小柳 牧衞君
          佐野  廣君
          館  哲二君
          安井  謙君
          吉江 勝保君
          占部 秀男君
          鈴太  壽君
          中田 吉雄君
          成瀬 幡治君
          岸  良一君
          森 八三一君
          白木義一郎君
  国務大臣
    国務大臣  田中伊三次君
  政府委員
   自治政務次官 加藤 精三君
   自治庁財政部長 小林與三次君
  自治庁税務部長 奧野 誠亮君
 事務局側
     常任委員会専門員 福永與一郎君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○昭和三十一年度分として交付すべき地方交付税に関する特例に関する法律案(内閣送付、予備審査)
○特別とん譲与税法案(内閣送付、予備審査)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣送付、予備審査)
○地方行政の改革に関する調査の件(昭和三十二年度地方財政計画に関する件)
    —————————————

[前略]

○委員長(本多市郎君)それじゃ、御異議ないと認めて、さよう取り計らいます。
 昭和三十一年度分として交付すべき地方交付税に関する特例に関する法律案、特別とん譲与税法案、地方税法の一部を改正する法律案、以上、いずれも予備審査でございますが、三法案を便宜一括して議題に供します。
 これより、政府の提案理由の説明を聴取いたします。

○国務大臣(田中伊三次君)  < 略>
 最後に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方税においても、明年度は相当の自然増収が期待することができるのでありますが、ようやく再建への第一歩を踏み出した地方財政の現状では、これを財源として積極的に減税を行う余地は乏しいのであります。しかしながら、地方税制には、なお負担の均衡、合理化をはかるべき点もありますし、また、税務行政の適正化を期すべきものもございますので、若干の減収の生ずるところでありますが、昨年末提出されました地方制度調査会及び臨時税制調査会の答申の趣旨をも尊重し、あえてこの際若干の改正を加えることといたしたのであります。
 改正案の骨子といたしますものは、まず第一に、住民税について課税方式を異にすることによる市町村間の負担の不均衡を緩和することであります。
 第二に、所得税の減税に伴い自動的に生ずる住民税の減収をできるだけ回避するとともに、住民税負担の軽減にも留意いたしまして、その税率を調整したわけであります。
 第三に、中小企業者の事業税負担を軽減するため、法人、個人ともに低額所得部分に対する税率を軽減することにいたしました。
 第四に、遊興飲食税につきましては、租税負担の合理化をはかるとともに、税金徴収事務の簡素化を徹底したいと考えたのであります。
 第五に、固定資産税につきましては、大規模償却資産に対する所在市町村の課税限度額を拡張をいたしました。
 第六に、軽油引取税について、揮発油課税の増額に対応いたしまして、道路整備促進に必要な財源を充実するために、税率を引き上げることにいたしました。
 以下、その内容の概略をご説明申し聯叶上げます。
 < 略>
 第六は、電気ガス税に関する事項でございます。
 その一は、漁民保護の見地から、漁業協同組合などが、その設置する製氷工場において製造する氷をもっぱら漁船などにおける水産物保存の用に供しております場合においては、当該工場で直接氷の製造に使用する電気に対しまして、また、これらの工場に併置する冷蔵倉庫でもっぱら水産物の冷凍の用に供するものにおいて直接水産物の冷凍に使用する電気に対しましては、電気ガス税はいずれも賦課しないこととしたのであります。
 その二は、基礎資材の製造などについて原材料課税となるようなことを避ける考えのもとに、マグネシウム地金、それから石綿、可燃性天然ガス、水銀鉱及び焼成燐肥の製造、又は掘採のために直接使用する電気に対しましても、電気ガス税を課さないことといたしたのであります。これらによって生ずる減収額は約一億円と見込まれております。
 < 略>
 以上御説明申し上げましたもののほか、各税目を通じて規定の整備をはかっております。
 現行地方税制による昭和三十二年度収入見込み額は、地方譲与税をも含めまして、四千九百三十三億円でありまして、昭和三十一年度当初の見込みに比べますと、七百十九億円の増加となっております。ここに提案いたしました地方税法の一部を改正する法律案、別途提案いたします特別とん譲与税法案を通じまして、普通地方税では、昭和三十二年度七十九億円、平年度二百十八億円の減税となりますが、地方譲与税及び目的税を通計いたしますと、昭和三十二年度三十一億円、平年度百三十億円の減収にとどまる見込みでございます。
 以上が地方税法の一部を改正する法律案についての趣旨でございます。

○委員長(本多市郎君) ただいま説明を聴取いたしました三法案に対する質疑は、次の機会に譲ることとして、午前はこれで休憩いたしたいと存じます。
 午後は、一時から再開いたします。
  午前十一時十五分休憩
     —————・—————
  午後三時九分開会

[後略]