24-衆-予算委員会第二分科会-2号 昭和31年02月21日

昭和三十一年二月二十一日(火曜日)午前十時四十四分開議
 出席分科員
   主査 藤本 捨助君
      相川 勝六君    川崎 秀二君
      纐纈 彌三君    橋本 龍伍君
      八田 貞義君    井堀 繁雄君
      辻原 弘市君    柳田 秀一君
      山花 秀雄君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        総理府事務官(調達庁労務部長)  海老塚政治君
        労働政務次官  武藤 常介君
        労働事務官(大臣官房会計課長)  三治 重信君
        労働事務官(労政局長)  中西  實君
        労働基準監督官(労働基準局長)  富樫 總一君
        労働事務官(婦人少年局長)    谷野 せつ君
        労働事務官(職業安定局長)    江下  孝君
 分科員外の出席者
        労働事務官(大臣官房労働統計調査部長) 堀  秀夫君
        労働事務官(労政局労政課長)      大野雄二郎君
        労働基準監督官(労働基準局労働衛生課長)  加藤 光徳君
        労働事務官(職業安定局失業保険課長)  和田 勝美君
        労働事務官(職業安定局失業対策部長)  渋谷 直蔵君
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二月二十一日
 分科員小澤佐重喜君、中川俊思君、辻原弘市君辞任につき、その補欠として川崎秀二君、三田村武夫君、井堀繁雄君が委員長の指名で分科員に選任された。
同日
 分科員井堀繁雄君辞在につき、その補欠として辻原弘市君が委員長の指名で分科員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 昭和三十一年度一般会計予算中労働省所管
 昭和三十一年度特別会計予算中労働省所管
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○藤本主査 これより予算委員会第二分科会を閉会いたします。
 昭和三十一年度一般会計予算及び昭和三十一年度特別会計予算中労働省所管を議題といたします。なお労働省所管に対する質疑は本日中に終了いたす予定でありますから、この点お含みおきをお願いいたします。
 それでは労働省所管に対する質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これをお許しいたします。山花君。

[中略]

○藤本主査 そのあと井堀さんに大臣に対する御質問を願いまして、あなたの残りの御質疑はあとで引き続きやっていただきますから、御了承願います。

○八田分科員 それでは大臣はお忙しいそうでございますから、大臣にお聞きしなければならぬ点を二、三点質問さしていただきます。労働衛生問題について二、三点質問いたします。さきの国会におきまして、けい肺を職業病として保護する法律の出たことは、画期的なことであります。すなわちこの法律で職業病に対し大きなとびらが開かれたわけでありまして、今後その内容を豊富にし、法律の幅と奥行きを広げたいというのがわれら労働衛生に対して関心を持つ者の願いであります。ただこのけい肺の法律に対しまして、この法律では全然予防措置が講じられていないということであります。このけい肺の問題にさらに進んで参りますると、今日褐石とか石綿などの塵肺の報告はございまするが、その他のものについては全然手がついていない状況にあるのであります。この塵肺についてはけい肺にまさる職業病として重大な関心を呼んでいるのでありますが、この塵肺についての研究調査資料というものは非常に不備であります。この研究の精神は非常に必要と思われまするが、一体今度のこの方面に対するところの調査研究予算というものはどの項目の中に入っておりましょうか。さらにまた職業病といたしまして鉛中毒とかあるいは難聴などの調査も重点を置いていかなければなぬと思うのであります。こういう方面についての調査研究費の予算は幾らほど組まれ、どのような対策をもって今後推准していかれるか、大臣のお考えをお開きいたそたいのであります。

○倉石国務大臣 政府委員から申し上げます。

○富樫(總)政府委員 けい肺に次ぎまして、今後名称の職業病、特に石綿肺等の塵肺あるいはただいまお話のありましたような鉛中毒、難聴の問題は確かに当面解決を迫られておる問題であるのにかかわりませず、調査研究はきわめて稀薄であることは御指摘の通りでございます。これらの同時は、いわゆる行政事務的に処理のでまたい性質の、きわめて専門的にかつ慎重な研究を要しまするので、かねて労働省といたしまして労働衛生研究所を設立すべく準備を進めてきておったのでありますが、ようやく来年度三十一年度の中ごろからこの研究所の建物が完備いたしまして、約五百坪に近い建物ができます。そこにおきまして各秘の研究資材を整備して研究に入ることになります。この衛生研究所におきましてただいま御指摘の問題を研究することになっております。予算といたしましては、本年度分といたしまして約六百万円計上してございます。

○八田分科員 ただいま労働衛生研究所のお話があったのでございますが、これらについてはあとでこまかい点は事務当局から御答弁を願うことといたしまして、ただ大臣に、この労働衛生研究所の発足に対しまして一番大切な問題は、根本問題といたしまして、研究する機関であるということを、ぜひとも今後の研究運営の根本方針として堅持願いたいのであります。というのは、この研究所の内容についてはまたお尋ねしますが、私の考えるところでは、この予算では単なるサービス機関くらいの程度のものしかできないのではないだろうかというような危惧を抱くのであります。その場合でも一番大切なことは、発足に際しまして人的構成の問題でありまするが、特に所長の人選問題等に関しましては、これは簡単な考えでもって人選問題を割り切ることはできないと考えるものであります。どうか大臣におかれまして、せっかく労働衛生の問題を大きく取り上げて研究を推進していこうということでありますから、人事問題につきまして特段の御考慮を願いたいのでございます。大臣に対する質問といたしましてはこれだけにとどめます。

[後略]