22-衆-決算委員会-31号 昭和30年07月29日

昭和三十年七月二十九日(金曜日)午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 上林與市郎君
   理事 椎名悦三郎君 理事 山本 正一君
   理事 生田 宏一君 理事 徳安 實藏君
   理事 山田 長司君 理事 吉田 賢一君
      本名  武君    松岡 松平君
      關谷 勝利君    片島  港君
      三鍋 義三君    細田 綱吉君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 松田竹千代君
 出府政府委員
        通商産業政務次官              島村 一郎君
        通商産業事務官(大臣官房会計課長)     出雲井正雄君
        通商産業事務官(公益事業局長)       中島 征帆君
        運輸政務次官  河野 金昇君
        運輸事務官(大臣官房長) 山内 公猷君
        郵政事務官(経理局長)  八藤 東禧君
        労働事務官(大臣官房会計課長)       澁谷 直藏君
 委員以外の出席者
        総理府事務官(行政管理庁監察部監察官)   松本 操一君
        農林事務官(農林経済局農業保険裸長)    橘  武夫君
        通商産業事務官(通商局輸出保険課長)    安達 次郎君
        通商産業事務官(重工業局産業機械課長)   琴坂 重幸君
        通商産業事務官(鉱山局鉱政課長)      磯野 太郎君
        通商産業事務官(中小企業庁振興部協同組合課長)遠山 長雄君
        通商産業事務官(工業技術院調整部長)    讃岐 喜八君
        会計検査院事務官(検査第二局長)      上村 照昌君
        会計検査院事務官(検査第三局長)      小峰 保栄君
        会計検査院事務官(検査第四局長)      大沢  実君
        参  考  人
        (奈良県経済部農政食糧課長) 本谷 義昭君
        専  門  員 黒田 久太君
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七月二十八日
 委員薄田美朝君及び永山忠則君辞任につき、その補欠として田子一民君及び戸塚九一郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員清瀬一郎君辞任につき、その補欠として松岡松平君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
 閉会中審査申出の件
 委員派遣承認申請に関する件
 昭和二十八年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十八年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十八年度政府関係機関決算報告暑
 昭和二十八年度決算中、農業止共済保険事業に
 関する事項について参考人より実情聴取
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○上林委員長 これより会議を開きます。
 本日は昭和二十八年度決算中通商産業省、運輸省、郵政省、労働省及び農林省の所管について審査を進めます。
 まずこの二十八年度決算中、農林省所管のうち農業共済保険卒業に関する事項について、ここに参考人として出頭を求めました奈良県経済部農政食糧課長本谷義昭君よりその実情を聴取することといたします。本谷参考人につきましては、去る二十六日に出頭するよう通知をいたしたのでありますが、本人の職務上の都合により当日は出席できない旨の届出がありましたので、あらためて本日ここに出頭を願った次第でございます。本谷君には御承知のことと存じますが、農業共済保険事業に関する問題につきましては、昭和二十八年度決算審査に関連して、当委員会として重大な関心を持つところでございます。本日は去る二十六日の委員会に引き続き、農業共済保険事業に関する事項について、奈良県の農業共済保険専業の実情一を聴取いたし、当委会会の決算審査に資したいと考える次第でございます。
 それではこれより参考人に対する質疑に入ります。なお出席者を申し上げます。奈良県農政食糧課長本谷参考人、行政管理庁松本監察官、農林省橘農業保険課長、検査院から小峰第三局長が出席しております。それでは吉田賢一君の御質疑を願います。

[中略]

○上林委員長 次に通商産業省所管について審査に入ります。すなわち昭和二十八年度決算検査報告二五三ページより二七〇ページに至る、報告番号一八八一ないし一八九七を一括議題といたします。会計検査院より説明を求めます。上村第二課長。

○上村会計検査院説明員 二十八年度の検査報告に通商産業省関係の検査報告を掲記しました件数は十七件でございまして、機械の管理に関するものが一件、補助金に関しまするものが十二件、その他四件というふうになっております。
 まず最初に一八八一号の機械管理について申し上げます。機械管理につきましては昨年度も同じような事態を報告したわけでございますが、本年も機械を借り受けた人あるいは預けられ人が無断で処分しあるいは勝手に使うというような事態が、機械の台数にしまして二百一台ばかりございました。これは掲記してあるわけでございます。
 次は一八八二から一八六の補助金でございます。この補助金は工作機械試作補助及び科学技術研究関係の補助でございまして、二十八年度中に検査いたしました件数が百件でございまして、検査報告に掲記しております件数が五件になっております。これらは大体同じような案件でございまして、補助金を交付します場合にそれに先行する研究関係が十分進んでいない。これを見きわめてやるならば、なお補助金を出す時期を相当おくらしてもよかったというような事態、あるいはこの研究をします場合に施設等が要るわけでございますが、それらについての見きわめを十分にやらないで補助金を交付せられましたために、あるいは研究を全部中止するというような事態が起っておる案件でございます。
 次は一八八七から一八九三の補助金でございますが、この中小企業庁関係の補助金につきましては、通産省におきまする実態調査が必ずしも十分に行われておらない事態でございまして、私の方で二十八年度検査いたしましたのが補助対象件数にいたしまして百三十一件、そのうち不当と認めましたのが二十件でございまして、ここに個別に掲記してありますのはそのうち七件でございます。これらはいずれも組合が補助金をもらって作った施設を売却するとか、あるいはその他処分する、あるいは全然利用していないというような事態でございまして、これらについては補助金交付の指令等に基きまして返還等の処置がとらるべきでございまして、これらにつきましては補助金返還についての措置を通産省においてとっておられるわけでございます。
 次は一八九四号でございまして、糖蜜の運送賃に関するものでございますが、この運賃は、加工場所が数個所ありまして、その数個所についていろいろの費目を収りましてどれだけかかるかということを計算いたしまして、加重平均で一本の単価で契約になっておるわけでございます。そのうち手押し賃が六十三円から百十九円ばかり積算してございます。これはその後改訂によって幾分変っておりますが、実際見てみますと、前年度の実績は一番多いところでトン当り二十二円くらいになっておりまして、非常に大差がありますし、二十八年度の実績に見ましても、手押し賃として積算されておる金額の二百四十万六円に対しまして実際使われておるのは十五万円ばかりになっておって非常に差があるわけでございます。さような関係上、前年度の実績を調査されて単価をきめていかれれば相当減額する余地があった、かように考えておるわけでございます。
 一八九五号のアルコールの生産計画でございますが、これは二十八年の十月になりまして需要が増加したということで、なまカンショで四百五十トンを追加割当されたわけでございます。その後一月になりましてなまカンショをやめられて糖蜜による生産に切りかえられたわけでございます。
 これにつきましては当時なまカンショの出回り状況というようなことを考えれば、初めから糖蜜で生産の計画を立てられる方が至当であったろうというふうに考えます。さらになまカンショから糖蜜に切りかえられる場合に連絡関係が必ずしも十分でなかったので、すでになまカンショを手当しまして生産した結果、普通のなまカンショで生産したものよりも百六十万円ばかりが不経済になっておるような状況であります。
 次は一八九六号の石綿の輸入に関するものでございますが、これは昭和二十七年の二月から七月までの間に加藤商会外四会社から二百四十六トンあまりの石綿が六千五百余万円で購入されておるわけであります。これを購入せられました事情は、当時輸入業者が、民間輸入契約が成立しておったわけでございますが、資金事情が悪くて引き取りができないというような関係上、緊要物資輸入基金特別会計の運用といたしまして本件を購入されたものでございますが、特需関係上必要であるということでありますれば、必ずしも法律に違反するというわけではありませんが、すでに民間業者において契約が成立しており、相当部分が国内に入っておる事情のもとにおきまして、しかも資金事情が悪いからということでこういうような事態に運用されることはいかがであろうか、かように考えます。第二は、さような関係上、通産省におきましてはそれを購入する場合に、業者が六力月以内に引き取るということと、あるいは輸入業者から一切の迷惑をかけないというような念書を入れておるわけでありますが、これをさらに業者に売り渡す場合にさような条項の発動をせられず、当時の時価等によっておられた関係上、約一千万円の損失を生じた次第でございます。
 次は一八九七号の特別鉱害の補助金でございますが、この補助金はすでに補助事業を完成しておりましたものに対しまして実はまだ完成していないということで、工事費の総額を認められたということが事実に即していないということと、すどに行われた事業費の中には御承知のようにプール資金で出た関係の事業費も含んでおりますので、これらを控除して積算すべきものだと思います。かように考えますと、約百余万円が過大に交付された結果になっておるわけであります。
 以上で通産省関係の御説明を終ります。

○上林委員長 会計検査院当局の説明は一応終了いたしました。
 島村政務次官から発言を求められておりますのでこれを許します。通商産業政務次官島村一郎君。

[後略]