19-衆-大蔵委員会-81号 昭和29年11月25日

昭和二十九年十一月二十五日(木曜日)午前十時五十四分開議
 出席委員
   委員長 千葉 三郎君
   理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君
   理事 井上 良二君
      大平 正芳君    苫米地英俊君
      宮原幸三郎君    三和 精一君
      小川 豊明君    佐々木更三君
      柴田 義男君    春日 一幸君
      平岡忠次郎君
 出席国務大臣
       大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官(主計局長)  森永貞一郎君
        大蔵事務官(主税局長)  渡辺喜久造君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
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本日の会議に付した事件
 税制に関する件
 金融に関する件
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○千葉委員長 これより会議を開きます。
 税制に関する件、金融に関する件の両件を一括議題として審査を進めます。質疑の通告がありますので順次これを許します。まず井上良二君。

[中略]

○小川(豊)委員 大臣に簡単に一点だけ。これはずつと前の新開で私は見たのですが、大蔵大臣が先般アメリカへ出発に際して日米石綿に関する外資は認可する意思である、こういうことを発表されておる。もちろんこれに対しては個人としてという付言がされておるわけですけれども、この問題は目下賛否にわかれて真剣に論議されておる最中でもあり、しかも認可すべきでないという民間側の意見も相当あるということを私は聞いておる。そういう中で外資委員会の最も重要なメンバーである大蔵大臣がこういう言明をすることは、公正であるべき委員会に対して威圧を加えるのじやないか、こういう感じをわれわれも持つし、またそういう意識がなかつたとしても、大蔵大臣としてはこの発音はきわめて不用意な言明ではなかつたか、こういうふうに私は思うのですが、この新聞の報道が事実であるかどうか、さらに事実であるとするならば、どういうお考えであの際そういう発言をされたか、伺いたい。

○小笠原国務大臣 防衛庁費の関係その他につきましては井上さんの御意向をよく承つておきます。なお私は総額において二十九年度より増加せしめないということにぜひいたしたいと考えております。
 今の日米石綿の問題ですが、だれかそういうことを私に聞かれたから、ぼく個人はそう思うがねと言つたことがそうなつておるので、そういうことが不用意かどうか、それは御解釈だと思うのでありますが、私は内地の日米石綿のことはよく存じませんが、向うの研究所を見て来てそのりつぱなのに、また非常によく行き届いているのに感嘆したものでありますから、それでこういう技術が日本に入つて来ることは非常に望ましいということを自分で思つたのであります。念のために申し上げておきますが、外資委員会には私は出席をいたさないのであります。従来の慣例に基きましてすべて委員会の意見を尊重して、その決を私の名前でやるというだけでありまして、いまだ一回も出席いたしておりませんので、私の意見がそこへ強く反映するというようなことはございません。これは率直に申し上げておきます。ぼくが会長だから出るべきじやないかと言つたことがありますが、そういう慣例ですということですから、この慣例を尊重して私はいまだかつて出たことはございません。すべて民間その他の委員の意見を尊重しておりますから、その点はさよう御了承願います。

[後略]