19-参-大蔵委員会-51号 昭和29年05月28日

昭和二十九年五月二十八日(金曜日)午後二時三十九分開会
  —————————————
 出席者は左の通り。
   委員長     大矢半次郎君
   理事
           藤野 繁雄君
           小林 政夫君
           菊川 孝夫君
           東   隆君
   委員
           岡崎 真一君
           木内 四郎君
           白井  勇君
           山本 米治君
           土田國太郎君
           成瀬 幡治君
           平林 太一君
  衆議院議員
           苫米地英俊君
           内藤 友明君
  政府委員
   大蔵省銀行局長 河野 通一君
  事務局側
   常任委員会専門員       小田 正義君
  説明員
   法務省刑事局刑事課長     長戸 寛美君
   日本専売公社監理官室長    三浦 道義君
   大蔵省管財局国有財産第一課長 木村 三男君
  —————————————
  本日の会議に付した事件
○北海道における国有の緊急開拓施設等の譲与に関する法律案(衆議院提出)
○出資の受入、預り金及び金利等の取締に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○租税、金融制度及び専売事業等に関する調査の件
 (類似保険事業等の取締に関する件)(葉たばこ収納所設置計画等に関する件)
○小委員の報告
○生糸課税反対に関する請願(第五二号)(第一四九号)(第四一二号)(第五九八号)(第六六四号)
< 略>
外資及び外国技術導入による日米石綿社設立反対の請願(第八四六号)
< 略>
>○国家公務員共済組合法附則第九十一条改正に関する陳情(第六五七号)
  —————————————

[前略]

○委員長(大矢半次郎君) 次に請願及び陳情に関する小委員長の報告を願います。

○小林政夫君 請願及び陳情につきまして、小委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 昨日第三回目の小委員会を開きまして、各委員の意見及び政府の見解を十分に聴取いたしまして、慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。
 請願第五十二号、第百四十九号、第三百十九号、第三百六十号、第四百十二号、第五百九十八号、第六百六十四号は、生糸に対する原糸課税が消費者負担とならず、養蚕家に転嫁されて、実質的に繭価の下落となり、農民収奪の結果となる。又養蚕意欲を低下させ、生糸の輸出貿易に及ぼす影響も大きいから、生糸に対し課税せられないようにとの趣旨であり、請願第二百三十一号、第八百九十三号、第千六十五号、第千六十六号は、昨年六、七月水害における北九州の被害は莫大な額に上り、これが復旧に要する借入金及びこれに対する利子も多きは一千万円にも達し、水害以来多額の出費と収入激減の町村財政ではその負担に堪えられないから、復旧資金に対する融資の枠拡大と、これに対する利子補給の措置を講ぜられたいとの趣旨であり、請願第千七百四十一号は、宮崎県都農町が県下における有数の生産地であるにもかかわらず、収納施設を持たず、毎年収納期には学校の講堂を臨時借用して収納に当てている有様であるから、速かに都農町に葉たばこ収納所を設置せられたいとの趣旨であり、請願第千八百二号は、電源開発が我が国の自立経済達成上の不可欠の緊要事であるが、新規発電設備が従前のものに比し著しく高価となつている現状に鑑み、電源開発工事予定計画の遂行に関し、財政投資の増額と、日本開発銀行貸出金利の引下げを実現せられたいとの趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。
 よつて以上請願十三件はいずれも採択すべきものと決定いたしました。
 陳情第六百九十四号は、宴会が多額の金が必要であり、個人の金を以てしては到底賄い切ることができず、自然、公費、社費によつて行われるため、国、公共団体、会社、組合等の経費が乱費されることとなつて、汚職、涜職の犯罪原因となり、延いては政界、官界、財界の腐敗を来たす結果となつているから、公費による宴会を抑制する対策を講ぜられたいとの趣旨であり、陳情第十六号、第四十四号、第七十五号は請願第五十二号と同趣旨であり、いずれも妥当と考えられます。
 よつて以上陳情四件はいずれも採択すべきものと決定いたした次第であります。
 請願第二千四百四十八号は、戦時中の企業整備による強制供出、機械器具買上金を現在物価指数に換算して返還せられたいとの趣旨であり、陳情第六百七十七号は、同じく企業整備業者が、戦後復元に当り借入れた借入金の分割返済金を所得控除せられたいとの趣旨であり、以上請願一件、陳情一件は、いずれも採択せざるものと決定いたしました。
 又請願第千七百四十一号の審議に当りまして、日本専売公社が徒らに華美宏壮な庁舎の新営を急ぎ、直接業務に必要な本収納所のごとき施設の拡充をなおざりにしておることは甚だ遺憾である。公社事業運営について、この際特に大いに反省を求むべさであるとの意見が多数委員より述べられましたことを、併せて御報告申上げます。
 なお本国会において本会員会に付託されました請願及び陳情のうち、給与所得に対する所得税の基礎控除引上げの請願、生命保険の所得税等軽減に関する請願、特殊積雪審冷地の所得税特別控除等に関する請願、国内産含密糖消費税廃止等に関する請願、東京都百人町公務員アパート撤去に関する請願、たばこ小売の利益率引上げに関する請願、換地清算交付金融資に関する請願、昭和二十八年海外引揚者の諸課税猶予に関する請願、外資及び外国技術導入による日米石綿社設立反対の請願、繊維消費税反対に関する請願、揮発油税軽減に関する請願、紙の物品税撤廃に関する請願、所得税法中一部改正に関する請願、砂糖消費税引上げ反対に関する請願、山口県徳山湾内沈没元軍艦河内払下げに関する請願、陶磁器製タイルの物品税軽減に関する請願、乗用自動車の物品税軽減に関する請願、福島県棚倉税務署存置に関する請願、化粧品の物品税撤廃等に関する請願、建築板金業の所得税減免等に関する請願、炭鉱労務者医療救護施設使用料免除に関する請願、物品税撤廃に関する請願、果汁および果汁飲料の物品税軽減に関する請願、貸金業法存続に関する請願、公認会計士法中一部改正に関する請願、新聞巻取紙の輸入関税定率減免反対に関する請願、夜勤手当の免除に関する請願、旧外貨有効化に関する請願、閉鎖機関令改正に関する請願、公認会計士法の一部を改正する法律案に関する請願、鉱床補てん費控除制度実施に関する請願、福岡県八幡税関の支署昇格等に関する請願、千葉少年鑑別所敷地使用承認取消に関する請願、ダム建設に伴う補償金免税の請願、国有財産特別措置法中一部改正に関する請願、電気冷蔵庫の物品税軽減に関する陳情、納税事務手続の簡素化に関する陳情、卸売業者に対する法人税法上の貸倒引当金増額の陳情、銅合金製品の物品税軽減に関する陳情、配当所得の源泉徴収税率引下げ等に関する陳情、富士山頂払下げに関する陳情、門司税関下関出張所の支署昇格に関する陳情、金融引締め緩和に関する陳情、勤労所得税軽減に関する陳情、昭和二十九年度国庫支出金増額に関する陳情、災害復旧事業費のつなぎ副次償還延期等に関する陳情、国家公務員共済組合法附則第九十一条改正に関十る陳情。
 以上請願百五件、陳情三十九件は、いずれも現状においてはなお検討を要するもの、又は国会提出法案により措置済のものである等の理由で留保するものと決定いたしました。
 以上御報告申上げます。

○委員長(大矢半次郎君) 只今報告がありました請願及び陳情につきましては、いずれもその報告通り決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(大矢半次郎君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会