19-衆-大蔵委員会-16号 昭和29年03月04日

昭和二十九年三月四日(木曜日)午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 千葉 三郎君
   理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君
   理事 坊  秀男君 理事 山本 勝市君
   理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君
   理事 井上 良二君
      宇都宮徳馬君    大平 正芳君
      小西 寅松君    島村 一郎君
      福田 赳夫君    藤枝 泉介君
      堀川 恭平君    池田 清志君
      小川 豊明君    加藤 清二君
      三鍋 義三君    春日 一幸君
      平岡忠次郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  植木庚子郎君
        大蔵事務官(主計局総務課長)      佐藤 一郎君
        大蔵事務官(管財局長)  窪谷 直光君
        大蔵事務官(銀行局長)  河野 通一君
        農林政務次官  平野 三郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官(主計官)   小熊 孝次君
        農林事務官(農地局管理部営農課長)   丸山 文雄君
        農林事務官(食糧庁総務部長)      新澤  寧君
        通商産業事務官(企業局特需課長)    影山 衛司君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
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三月三日
 委員井上良二君辞任につき、その補欠として堤ツルヨ君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員堤ツルヨ君及び柴田義男君辞任につき、その補欠として井上良二君及び三鍋義三君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員三鍋義三君辞任につき、その補欠として柴田義男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 井上良二君が理事に補欠当選した。
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三月三日
 入場税の国税移管反対に関する請願(椎熊三郎君紹介)(第三四号)
 同(鈴木茂三郎君紹介)(第三五号)
 < 略>
 同(庄司一郎君紹介)(第一三五七号)
 所得税制度改正に関する請願(中川俊思君紹介)(第二七九九号)
 揮発油税軽減に関する請願(田子一民君紹介)(第二八一二号)
 同(細迫兼光君紹介)(第二八一三号)
 < 略>
 同外五件(木原津與志君紹介)(第二九三五号)
 砂糖消費税引上げ反対に関する請願(中川俊思君紹介)(第二八一六号)
 物品税法廃止に関する請願(有田二郎君外一名紹介)(第二八一七号)
 織物消費税の復活反対に関する請願外六件(島村一郎君紹介)(第二八一八号)
 同外二件(宇都宮徳馬君紹介)(第二八一九号)
 < 略>
 同(片島港君紹介)(第二九四二号)
 生命共済掛金に対する所得税の基礎控除に関する請願(増田甲子七君紹介)(第二九一一号)
 揮発油税等軽減に関する請願(高橋禎一君紹介)(第二九三六号)
 棚倉税務署存置に関する請願(山下春江君紹介)(第二九四三号)
 たばこ小売人の利益率引上げに関する請願(西村英一君紹介)(第二九四四号)
 国有財産炭鉱労務者医療救護施設の使用料免除に関する請願(伊藤卯四郎君紹介)(第二九五四号)
 局納みつまたの納入数量確保並びに価格安定に関する請願(井谷正吉君外二名紹介)(第二九五七号)
の審査を本委員会に付託された。
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同日
 入場税の国税移管反対並びに入場税の撤廃に関する陳情書(東京都日本興行組合連合会会長河野義一)(第八四四号)
 入場税等の国税移管反対に関する陳情書(大阪府議会議長野出相三)(第一〇六三号)
 同(東京都議会議長佐々木恒司)(第一一二四号)
 同(愛知県議会議長池田駒平)(第一一二五号)
 同(兵庫県議会議長有沢与七)(第一一二六号)
 同(北海道議会議長蒔田余吉)(第一三六一号)
 積雪寒冷地帯における固定資産耐用年数短縮に関する陳情書(北海道議会議長蒔田余吉)(第一三六四号)
 昭和二十九年度予算に関する陳情書(東京都全国町村議会議長会会長辻龍太郎)(第一三七四号)
 金融引締緩和等に関する陳情書(愛媛県商工会議所連合会会頭滝勇)(第一三七五号)
 勤労所得税軽減に関する陳情書(東京都全国町村議会議長会会長辻龍太郎)(第一三七六号)
 織物消費税復活反対の陳情書(東京都中央区日本橋本町三丁目九番地日本繊維協議会会長阿部孝次郎外三十二名)(第一三七七号)
 麻製品に対する消費税賦課反対の陳情君)(宮
 崎県議会議長日高弥一)(第一三七八号)
 寒冷地課税特別控除の立法に関する陳情書(北海道議会議長蒔田余吉)(第一三七九号)
 共済組合関係事務職員の減員反対の陳情書(東京都千代田区富士見町一丁目十番地共済組合連盟理事長今井一男)(第一三八〇号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
 理事の互選
 昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
 開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出第一一号)
 緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案(内閣提出第一二号)
 昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出第二六号)
 財政法第四十二条の特例に関する法律案(内閣提出第三四号)
 当せん金附証票法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)(参議院送付)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
 国有財産法第十三条第二項の規定に基き国会の議決を求めるの件(内閣提出、議決第一号)(参議院送付)
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[前略]

○千葉委員長 次に、本日の日程に掲げました十二の法案中、昭和二十八年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案、開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案、昭和二十八年の風水害及び冷害による被害農家等に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、財政第四十二条の特例に関する法律案当せん金附証票法の一部を改正する法律案及び国有財産法第十三条第二項の規定に基き、国会の議決を求めるの件の七件を一括して質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。
 なお本日の政府側より出席いたしておりまする方々は、植木大蔵政務次官、河野銀行局長、主計局の佐藤総務課長、窪谷管財局長、説明員といたしまして食糧庁の新澤総務部長、丸山営農課長、通産省の影山特需課長、小熊主計官の諸君であります。
 それでは井上君。

○井上委員 ただいま議題となりましたうち、本日採決することになつております緊要物資輸入基金特別会計法等を廃止する法律案について、一、二質問をいたしたいと思いますが、この会計は、朝鮮動乱に基いて緊要物資の買入れのために設けられたのであります。ところが朝鮮動乱が終局いたしました後においても、二十八年度で四億七千七百万円と大体推定されるものが買い入れられておりますが、これらのものは現在どうなつておりますか。この特需用の原材料を現在政府は手持ちをいたしておりますか、それとも相当売り払つておりますか。もし手持ちをしておるとすれば、品名別にどういうものを手持ちをされておりますか。私どもの調べたところによると、ニッケル、タングステン、合成ゴム、皮類など約五億が在庫されているというのですが、この在庫はどこへどういう方法で処分されようとするのか伺いたいと思います。

○影山説明員 お答えをいたします。御承知のように緊要物資輸入基金特別会計は、二十六年の四月に、本来特需用の物資を買いつける特別会計として設立されたのでありますが、それが途中で二十七年の七月から、個々の適用対策範囲を広げまして、国際的な割当物資だとか、その他外国政府で輸出統制をやつておる物資、国際的に供給の不足しておる物資に適用範囲を広げたわけでございまして、その適用範囲を広げましたことに基きまして、二十八年度もやはり買付を続けて参つたわけでございます。この二十八年度中に買いつけました物資は、先ほどお話がございましたように、約二億くらいでございます。それで緒局のところ昭和二十八年十二月末現在約四億三千万円の物資が在庫になつております。その四億三千万円の物資のうち、品目及び金額について申し上げますと、先ほどお話がございましたように、ニッケルが約百六十三トンで六千七百万円以上、それからコバルトが二十トンで五千五百万円、タングステンが六十トンで八千三百万円、モリブデンは十二月末では在庫はございません。合成ゴムが約六百トンで一億六千万円、それからアスベストが八十二トンで約二千五百万円、亜麻仁油が二トンで、処分済み、それから皮が約三千万円、そういうふうになつております。それで、これの今後の処分のやり方でございますが、ニッケルの百六十三トン、これは主として特需用に向けるということになつておりますので、これは特需用の契約ができたということの証明書を持つて来たものに対して売却をするということになつておりますから、月十トンから五トンくらいのものであります。今後この緊特会計が、基金がなくなります五月末を一応予想してみますと、約百二十八トンくらい残ると思います。しかしこれは非常に確実に出て行くものでありますから、これの処分については全然不安はないわけでございます。それからコバルト二十トンにつきましては、もうすでに処分を終つております。それからタングステンの六十トン、これももう処分を終つております。それからモリブデン、これは在庫はございませんが、現在八十六トンほど買い入れました。しかしこれも処分がほぼ終つております。問題は合成ゴムでございますが、これは六百トンばかり在庫になつております。この用途はタイヤとかチューブとかくつの底、それからはきもの、そういうふうなものの底に使うわけでございますが、非常に耐久性がございます。合成ゴムにつきましては、日本でも合成ゴムを使うということについて工場の方で研究をしておつたわけでありますが、これが最近非常に研究が進みまして、今まで月に十トンくらいしか出ておりませんでしたものが、ことしになつてから大体五十トンくらいもう出ております。五十トンから百トンの間くらい今後出て行くものと思われますので、六百トンの在庫がございますけれども、この処分につきましては、少くとも本年中くらいにはさばけてしまうというふうに楽観しております。それから次にアスベスト八十二トン、これについても三月末には処分が終るということになつております。それから亜麻仁油二トンばかり、これも処分が済んでおります。皮についても約三千万円分、本日現在においてもう処分が済んでおります。こういうわけで、あとの在庫が残る見込みがあるのは、先ほど申し上げましたように、ニッケルと合成ゴムだけということになりまして、そのいずれも確実に処分ができるという見通しをつけております。

○井上委員 そうしますとこの会計を廃止することになりますが、この会計の清算はもうはつきりついておりますか。その清算の内容の大要を一応御説明願いたい。

[後略]