13-衆-大蔵委員会-82号 昭和27年06月03日

昭和二十七年六月三日(火曜日)午前十一時三十五分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 重遠君
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
   理事 佐久間 徹君 理事 松尾トシ子君
      淺香 忠雄君    有田 二郎君
      川野 芳滿君    島村 一郎君
      夏堀源三郎君    三宅 則義君
      宮幡  靖君    宮原幸三郎君
      武藤 嘉一君    深澤 義守君
 出席政府委員
        外国為替管理委員会委員   大久保太三郎君
        大蔵事務官(主計局法規課長)      佐藤 一郎君
        大蔵事務官(銀行局総務課長)      福田 久男君
 委員外の出席者
        総理府事務官(外国為替管理委員会事務局資金課長)龍路 紀男君
        大蔵事務官(理財局管理課長)      横山 正臣君
        大蔵事務官(管財局閉鎖機関課長)    堀口 定義君
        通商産業事務官(通商振興局経理部長)  石井由太郎君
        専  門  員 椎木 文也君
        専  門  員 黒田 久太君
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六月三日
 委員高間松吉君辞任につき、その補欠として奧村又十郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事三宅則義君の補欠として奧村又十郎君が理事に当選した。
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五十三十一日
 陶磁器製タイルに対する物品税撤廃の請願(武藤嘉一君紹介)(第三二七〇号)
 在外資産の補償に関する請願外一件(宮原幸三郎君紹介)(第三三〇四号)
 政府資金の統一運用に関する請願(夏堀源三郎君外二各紹介)(第三三三二号)
六月二日
 陶磁器製タイルに対する物品税撤廃の請願(多武良哲三君紹介)(第三四二〇号)
 政府資金の統一運用に関する請願(南好雄君紹介)(第三四三三号)
 同(田口長治郎君紹介)(第三四三四号)
 同(奧村又十郎君紹介)(第三四三五号)
 同(中馬辰猪君紹介)(第三四三六号)
 同(内藤友明君紹介)(第三四三七号)
の審査を本委員会付託された。
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本日の会議に付した事件
 理事互選
 閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出第一四三号)
 緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九八号)
 外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇三号)
 接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案(内閣提出第二三一号)
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○佐藤委員長 次に閉鎖機関令の一部を改正する法律案、緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案、及び接收貴金属等の数量等の報告に関する法律案の四法案を一括議題といたします。そうして本日は、まず緊要物資輸入基金特別会計法の一部を改正する法律案、及び外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案の両案につい政府当局より逐次詳細なる説明を聴取いたしました上で、質疑に入ることといたします。説明員通産省通商振興局経理部長石井由太郎君。

[中略]

○石井説明員 緊要物資輸入基金特別会計法は、昨年の四月以来運用されておるものでありますが、同法の目的は、—主として特需の需要を充足いたしますために、外国産の緊要な物資を政府がみずから輸入、保有いたしまし国際協力の実を上げようとするところにあるのでございます。現在までの実績は、政府におきまして買入れの契約が成立いたしました金額約七億九千万円、うち引取りましたものが約四億円ということに相なております。買入れ契約の済んでおりまするものは、ニツケルが約五百六トン、合成ゴムが千七百八十六トン、石綿が百七トン、苛性ソーダ六百トン、コバルト三トン、原皮約四十二方六千トンでございましてこのうち引取られました物資は、ニッケルが四百三十七トン、合成ゴム六百七トン、石綿二十四トンといたような状況と相なつております。この会計はもつばら特需の原材料で、かつ国際的な希少物資に属するものの取得のみを目的として運用して参つたのでございますが、今後の独立後における日本経済の自主的な運営について考えてみますると、特需は、国際協力の見地から申しましても、また国際收支上外貨收入源である見地からいたしましても、将来ともその充足を円滑にいたさねばならぬのはもとよりでございますけれども、さらにわが国の置かれておりまするいわゆる底の浅い経済という見地から考えてみますると、若干の国際経済界の波動によりましても、非常に深刻な影響を受けるという状況にございまするから、国際的な希少な物資にきましては、ぜひともこれの供給が安定して行われるように確保せねばならぬわけでございまし希少物資の持ておりまする国際的な通有牲といたしまし非常に価格の変動がはげしい。また往々にいたしまし市場は売手市場でございまする関係上、日本国内から買付に出動いたしますれば、ただちに非常な高価をもつて押しつける。ことに希少物資でありますだけに、国内におきましての価格が非常に高い。これが国際流通秩序を乱しましあるものは国際的に原料割当会議等で想定いたしておりまする価格よりも、非常に高く買いつけねばならなくなるという弊害が多く見受けられるのでございます。さらには現在国際経済情勢から見まし取得しておきますれば有利かつ安定した供給を確保し得るにもかかわりませず、あるいは国内における関係産業の金融難でございますとか、あるいは非常に少量ずつの需要になつておるというな関係で、これがうまく取得できないというようなものも見受けられるのであります。このような見地からいたしましてどうしてもこのような重要物資につきましては政府みずからが取得、確保いたしまし安定いたしました国内供給をはかろうというのが、本改正案の目的でございます。いかにして国際的な供給不足物資を確保いたすかという具体的な計画といたしましては、でき得る限り有力なる外国生産商社と間期の契約を取結びまして、国際原料割当会議あるいは米国外国貿易局等の割当規正等に従いつつ、これを取得して参りたいと考えておるわけでございます。また国際的に日本の当業者が熾烈なる競争をいたしまし不当に価格のつり上げ競争をいたすというような弊害に対しても、事実上の買手独占をいたすことを排除して参りたいと考えておる次第でございます。現在計画をいたしまして持つております構想は、IMC、国際原料割当会議から割当を受け得る見込みの物資はニッケル約八百トン、金額にいたしまして四億八千万円、コバルト二百四十トン、約七億二千万円、タングステン鉱約三百トン、四億五千万円、モリブデン鉱三百五十トン、約三億五千万円、ほかに石綿、原皮、亜麻仁油脂といつたようなものを約十億見込んでおりまして、三十数億の予定を組んでおるわけでございます。法文につきまして若干御審議の便宜のために、説明を加えさしていただきますれば、第一号にございます「国際條約、国際協定その他国際的な取極に基いて日本国に割り当てられた物資」と申しますのは——現在普遍的に存在しておりますこの種の物資についての国際的な協定をするのは、国際原料割当会議でございます。この国際原料割当会議によりまして、わが国に輸入割当の勧告がなされて参るのであります。現在国際原料割当会議におきまして、輸出、輸入あるいは消費等に割当を受けております物資は銅、亜鉛、鉛、硫黄、綿花、綿リンター、タングステン、モリブデン、マンガン、ニツケル、コバルト、パルプ、紙、羊毛の十四品目でございますが、御承知の通り羊毛、綿花等は国内に有力なる業者がおるのでございまし政府が特に買出動をいたす余地はないと存じますので、本基金は主としてタングステン、モリブデン、ニツケル、コバルト等の稀少物資に運用いたす考えでおります。第二号にございます「外国政府において輸出を統制している物資その他国際的に供結の不足している物資で、政府において取得しなければ輸入することが困難なもの」と申しますのは、たとえばアメリカにおきましては、商務省の外国貿易局と申します機関におきまし多くの物資の統制を行つておるのでございます。この物資を取得いたすにつきましては取得者の側が信頼すべきものである、リライアブルなものでなければならぬ。必ずそれの消費につきまし十分に国内的規正が行われているということを、必要といたしておるのでございます。従いまし価格あるいは数量等につきましても、一般民間貿易によりましては、取得する実益が多くないのでございましてむしろ政府による一手取得一手販売によりまして確実なる消費、流通の規正を行つた方がよいのではないかと考えているのでありまし先ほど申し上げました石綿あるいは原質といつたようなものに当てはまるわけでございます。
 それからその後段にございます「政府において取得することを有利とするもの」と申します範疇に入りますものとしましては、民間からの買付が行われますれば、いわゆるオファーが競合いたしましてみすみす価格をつり上げるというようなことを意味し、また民間で買いつけるためには、資力その他の関係からいつて、長期契約等ができない。従つて安定した供給を確保し得ない物資をさしておるわけでございまし石綿等がその適当な例ではないかと考えておる次第でございます。
 おな本基金をもちまして取得いたしました物資の国内運用につきましてはもちろん会計原則の定めるところに従いまして売拂い等が行われるのでございますけれども、一部の物資につきましては、御承知のごとく国際的供給不足物資等の需給調整に関する法律がありましいわゆる規正等が行われておりますので、これらの用途につきましては逐次計画をしてやつて参ることにとりはからいたいと考えております。また拂下げの価格につきましては国内一般市価によりまして拂い下げるわけでございますが、本会計によりまして取得しました物資につきましては、昨年の臨時国会におきましては輸入価格を下まわらない値段で、市価よりも安く拂い下げてもよろしいという御承認を得ているわけでございましあるいは特需関係の用途に、国際経済協力の関係からIMC物資等を拂い下げる場合でありますとか、あるいはわが国の当面いたしております一番重要な経済的要請、すなわち産業の合理化でございますとか、あるいは輸出の増進でございますとかいうような用途に対しまし国内価格と国際価格との間に著しき開きのあるものにつきましては、国際価格を中心といたしました価格で売渡し等の措置を講じて前申しましたような趣旨に合致する運用を期したいと考えております。
 なお従来、本基金の活動がやや活発でございませんでした理由の一つは、IMC等の発足によりまし国際的な重要物資につきましては、国際的な規正が行われるようになつたのでございますが、その活動がなかなか軌道に乘りませんために、これに即応した十分な活動ができなかつたといううらみもあつたのでありますが、国際原料割当会議の活動も遂次軌道に乘つて参りましたので、これらに即応した国内態勢としても、本制度を運用したいと考えているのであります。
 ついでをもちまし国際原料割当会議の活動状況に言及して御説明申し上げますれば、昨年の二月十六日に発足いたしたのでありますが、現在加入いたしておりまする諸国は二十七箇国でございます。その統制割当等を行つておりまする物資は先ほど申し上げました十四品目でございますが、このために七つの委員会が設定されております。各委員会におきまして各国の事情を検討し各国に対して消費あるいは輸出、輸入等の勧告を行つておるのでございますが、これらの勧告を無視いたしましたり活動は、後の割当等の場合に考慮されることと相なるわけでございます。わが国が同会議から割当を受けておりまするものは、昨年の十月以降でございますが、ニツケル五百十六トン、コバルト百二十トン、タングステン百五十五トン、モリブデン七十七トンというような状況と相なつております。また同時にわが国といたしましては、国際的にやや生産の潤沢なる物資の輸出の割当を受けておるわけでありまし硫黄五千トン、銅一万六千四百五十トン、フエロ・タングステン百千トン、亜鉛千七百七十トン等の輸出割当を受けておるというような状況に相なつております。
 以上簡単でございますが、本制度の改正の目的並びに運用の計画につきまして御説明申し上げた次第でございます。

[後略]