13-参-経済安定・通商産業・建…-8号 昭和27年05月26日
昭和二十七年五月二十六日(月曜日)午後二時十八分開会
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出席者は左の通り。
経済安定委員
委員長 佐々木良作君
理事
郡 祐一君
委員
愛知 揆一君
奥 むめお君
須藤 五郎君
通商産業委員
理事
小林 英三君
栗山 良夫君
委員
重宗 雄三君
松本 昇君
山本 米治君
小林 正雄君
島 清君
境野 清雄君
西田 隆男君
石川 清一君
建設委員
理事
赤木 正雄君
田中 一君
委員
小川 久義君
石川 榮一君
前田 穰君
三輪 貞治君
松浦 定義君
東 隆君
委員外議員
栗栖 赳夫君
衆議院議員
福田 一君
国務大臣
大 蔵 大 臣 池田 勇人君
通商産業大臣 高橋龍太郎君
建 設 大 臣 野田 卯一君
国 務 大 臣 周東 英雄君
政府委員
公益事業委員会委員 松永安左エ門君
法務府法制意見第三局長 西村健次郎君
通商産業省通商雑貨局長 徳永 久次君
事務局側
常任委員会専門員 桑野 仁君
常任委員会専門員 渡邊 一郎君
常任委員会専門員 武井 篤君
常任委員会専門員 菊池 璋三君
説明員
経済安定事務官 佐々木義武君
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本日の会議に付した事件
○電源開発促進法案(衆議院提出)
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○委員長(佐々木良作君) それでは電源開発促進法案につきましての連合委員会、実質的には第十四回目になると思いますが、経済安定と通商産業と建設の連合委員会を開会いたします。
前回に引続きまして質疑を続行いたします。
[中略]
○田中一君 させなければセメント産業のためにどのくらいの融資をするか。或いは会社ができ上ればセメント産業にどのくらいその面に融資をするか。これは御承知のように工場があつたからといつて生産されるものではない。今のお話の十五、六億か或いは十七、八億とおつしやるのもその通りです。それは結局月産一万トンと申しましても、事実一万トンは年間を通じてはできません、この工場では……。それから今日のセメントの山はもう増産をやる余地はないのです。もう新設をする以外にはセメントの生産は不可能です。今新らしく、先ほども申上げましたように三月や四月でできるものではありません。併しこの計画をやつて、民需を全然圧迫しないとか、或いはほかの重要なものを圧迫しないで融通できるというお話ですが、現在どのくらいのものをセメント産業に廻しておるか。又今年ばかりでなく来年度、二十八年度においてもどういう増産方法をとられるか。もう一遍くどいですが、数字をお示し願つて、数字と生産量とをお示し願つて御説明願いたい。
○政府委員(徳永久次君) 先ほど大蔵大臣からお答えがございましたように、セメント工場増設に関連いたしまする開銀融資につきましては、従来も相当好意的に配慮を願つておるわけであります。参考までにこれまでどういうものをやつたか、今後どういうことになりつつあるかということを、現状を中心にお話申上げて見たいと思いますが、そのセメントの増産に関連いたしまして、規模そのものを殖やす計画と、それから実質的にセメントの生産力を殖やすために自家発の整備という面と二つの面があるわけでありますが、昨年度におきまして、自家発の整備を中心といたしまして、四工場が開銀の対象として融資を受けるごとに相成つております。それから更に新増設の関係は、昨年度としましては北海道で増設を着手いたしました日本セメントの上磯工場の分が開銀の対象として現に工事が行われておるわけであります。それから本年度の分につきましては、実のところ計画が具体的になりまして、私どもとして開銀のほうへ融資の申込を取次いでいたしておりますものは、目下のところ三工場しかございません。下北セメント、常陸セメント、野沢石綿の三工場を通産省といたしまして開銀のほうに申入れいたしておるわけであります。そのうちすでに二工場は開銀でも役員会によりまして審査の段階に入つておるというふうに了承いたしておるわけでございます。
なお、案はセメントの設備の増設につきましては、先ほど来お話がございましたように、明年度の需要の増加ということを考えますると、只今私どもが開銀に送り込んでおりまする三社三工場の分以外の計画が出て参らなければ十分でないという点があるわけでございまして、この点は実は私ども開銀のほうにも、電源開発その他のセメントの今後の需要の増加ということから、セメントについてはもう少し計画が出るはずなんだということを前触れを以てお願い申上げてございます。出たらよろしくということは話し、又或る程度の了解を得ておるつもりでございますが、実は会社のほうにも具体的に計画を立てるべくそれぞれの会社へ慫慂をいたしておりまするが、或る程度計画が固まりつつございます。近々のうちに固まるであろうという工場が三、四工場ございますし、そのほかにも考えておる工場がございまして、まあこれらが順調に参りますれば、私ども明年度増産の分はおおむね達成できるのじやなかろうかと、これはまあ私どもが直接作るべきものじやございませんので、両方の気合いが揃わなきやいけませんが、出揃つた段階じやございませんけれども、出揃つておるものもあり、まさにできつつあるものもあるという状況を大観して考えまして、何とか行くんじやなかろうかというふうに判概しておるわけでございます。
○田中一君 今の御説明に、どの工場に幾ら融資して何万トンの増産計画があるという御説明が、これは計画でも結構です、見込があると、或いは二十六年度には幾ら融資をして幾ら増産されたという点は御説明願えませんか。
○政府委員(徳永久次君) 確定いたしております分だけにつきまして、新増設の分を申上げて見ます。只今申上げました日本セメントの上磯工場の分が、年間能力十二万トンの分を整備、建設いたしておりますが、これの完成予定が今年の九月頃と予定いたしております。これは前年度からの引続きでございますが、開銀の融資の例外としては一億一千五百万円をお願いしておるわけでございます。それから本年度新規にすでに見込みました分で開銀の審査中のものが下北開発、これは大湊の工場でございますが、能力十二万トン、完成予定本年十一月、それから開銀の融資希望金額三億五千、これは会社側の希望でございまして、若干数字は削られるであろうというふうには考えております。それから日立セメントの日立工場、これは同じく年間能力十二万トン、完成予定本年十二月、融資希望額一億五千万円、それから野沢石綿の彦根工場、年間能力同じく十二万トン、完成予定は本年十一月末、融資希望額三億、この三つが只今申込んでおるわけであります。それから若干遅れて参りますが、磐城セメントの岐阜工場、これは明年七月でございますが、新工場でございまして、建設にも相当かかりまする関係で完成が遅うございますけれども、これは本年度改めて実は開銀に申込んじやおりませんが、前から懸案の工場でございまして、と申しますのは、鉄道の新設と関連いたしまするので、前にほぼこれは融資の対象にするということがきまつておつた工場でございます。鉄道が先般の新線建設の審議会で建設に着手されることが挙げられました。で、その開設と歩調を合せてこれも開銀融資の対象としつつ工場の建設に着手してもらうということに相成つておるわけでございます。その他の工場は、ほかに問題になつておりまする工場は小野田の津久見工場、これは増設の形で計画がございまするし、それから敦賀セメントにも計画がございまするし、それから豊国セメントにも計画がございまするし、又北日本、それから電気化学等にも計画があるわけでございます。これが、政府に具体的に開銀申込の分として計画を固めて出すという段階までは至つておりませんが、今会社当局として具体的な設計その他も準備中であるように聞いておるわけです。
○田中一君 今、御説明によりますと大体四十万トンぐらいが本年中には増設される、増産される段階に入るということになつておりまするが、二十七年度十一月までの融資、これは大体セメントは暦年度でやつております。一月から十二月までの計算でやつておりますから、大体二十七年度は相当大幅に他の産業のセメントを食うということの結論になるんじやないかと思うのです。この点は、そのような計画で安本でも計画を立てていらつしやるか。或いはそれは全然そういうことはない、心配ないというようなお考えでいらつしやるが、最後に安定長官に伺います。
[後略]