13-衆-経済安定委員会-12号 昭和27年03月20日

昭和二十七年三月二十日(木曜日)午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長 前田 正男君
   理事 多田  勇君 理事 有田 喜一君
   理事 中崎  敏君
      岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君
      圖司 安正君    奈良 治二君
      福田 喜東君    細田 榮藏君
      河野 金昇君    笹山茂太郎君
      横田甚太郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 周東 英雄君
 出席政府委員
        経済安定事務官(産業局長)  近藤 止文君
 委員外の出席者
        経済安定事務官(産業局産業政策課長)樋詰 誠明君
        専  門  員 圓地與四松君
        専  門  員 管田清治郎君
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三月十九日
 米給制度並びに対米物価制定に関する陳情書(兵庫県多紀郡古市村初田酒井槌治郎)(第九六七号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
 国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案(内閣提出第八一号)
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○多田委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が都合により午前中出席ができませんので、私が委員長の職務を代行いたします。
 これより国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律案(内閣提出第八一号)を議題とし、質疑を継続いたします。笹山茂太郎君。

[中略]

○笹山委員 ただいま大臣から御懇切な説明がありましたが、この石炭のような事例の場合には、ただ單に経済だけの問題だけではなく、治安の問題のウエイトが相当多かろうと思います。従つて石炭の不足の結果汽車が動かないというような場合がかりにあるとするならば、そういう面の物資の調達は別の法規によつてやるのが至当であつて、物調法的な法律によつてやるのは、むしろ主客転倒するような気持がいたすのでございます。この法律は経済的な問題を解決するということを、あくまでも主眼にしなくちやならぬのでありまして、そういうような場合におきましては、それこそ別の立法あるいは單行法でもけつこうでございますが、そういつた治安立法に讓つた方がいいのではないかと思います。従つてこの第三号は、経済関係からいえば、あれどもなきにひとしい規定ではなかろうかと考えまして、削除を提案したようなわけでございますが、それは見解の相異でありますからこの程度にして、次の質問に移りたいと思います。
 この法律の施行と同時に、今までいろいろコントロールしておつた物資が解除されておるのでございますが、その品目及びその解除してもいいという具体的な経済の事情を、若干簡單に御説明願いたいと思います。

○近藤(止)政府委員 ただいま統制を実施しております品目は、実は現在のところでは、あまりたくさんございませんが、これを具体的に申し上げますと、指定生産資材といたしまして、現在なお割当配給を継続いたしております物資は、第一に石油の関係でございます。原油及び石油精製の原料でございまして、いわゆる原油の関係を指定生産資材として割当配給をいたしております。それからニッケル、コバルト、ソーダ灰及び苛性ソーダ製造用の塩、燐鉱石、カーボン・ブラック、石綿、現在指定生産資材といたしましては、これだけの品目が割当配給の対象になつておるのでございます。それから指定配給物資といたしましては、砂糖、労務用酒、医薬品、石油及び石油製品、これだけが現在統制の対象になつております。これらの品目が今後どうなるかは、臨時物資需給調整法が三月末で失効いたしました場合に、そのときに統制がなくなつてしまいますものと、今後も新しい法律によりまして統制の継続されますものと、二種類あるわけでございますが、今後残りますものは、法律の別表に上つておりますように、ニッケル、コバルトの二品目でございまして、それ以外のものにつきましては、すべて三月三十一日かあるいは新しい法律の附則の第三項によりまして、経過的な規定といたしまして、六月末まで、ものによりましては従来の法律の効力を伸長することに相なつておりますが、そのいずれも統制が撤廃になるということになるわけでございます。これは実は法律が廃止になります関係で、統制がやめられるという関係ではございませんので、それぞれの品目につきましての需給関係を検討いたしまして、あるいは輸入を主といたしておりますようなものにつきましては、輸入の為替資金の統制等の措置によりまして、この需給調整が完全にできるというようなものもございますので、それらの具体的な事情から判断いたしまして、すべて継続して統制をやる必要はないということになつたわけでございます。

○笹山委員 この五品目の需給の見通しについて印刷物が参つているのでございますが、これによりますと供給と需要とぴつたり合つている。これは国際的には供給は不足している物資であるけれども、国内的には何ら不足という事実はない。こういうふうに解釈してよろしゆうございますか。

[後略]