12-参-予算委員会-18号 昭和26年11月19日

昭和二十六年十一月十九日(月曜日)午後一時四十五分開会
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  委員の異動
十一月十六日委員岡田宗司君辞任につき、その補欠として、小林孝平君を議長において指名した。
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 出席者は左の通り。
   委員長     和田 博雄君
   理事
           石坂 豊一君
           平岡 市三君
           小林 政夫君
           藤野 繁雄君
           佐多 忠隆君
           櫻内 義雄君
           東   隆君
           ○木村禧八郎君
           岩間 正男君
   委員
           泉山 三六君
           石原幹市郎君
           白波瀬米吉君
           一松 政二君
           高良 とみ君
           内村 清次君
           小林 孝平君
           小酒井義男君
           山下 義信君
           山田 節男君
           岩木 哲夫君
           西田 隆男君
           深川タマヱ君
           堀木 鎌三君
           矢嶋 三義君
  国務大臣
   大 蔵 大 臣 池田 勇人君
   通商産業大臣  高橋龍太郎君
   国 務 大 臣 周東 英雄君
  政府委員
   大蔵省主計局長        河野 一之君
   大蔵省主計局次長       東條 猛猪君
   大蔵省主計局次長       石原 周夫君
   通商産業大臣官房長      永山 時雄君
  事務局側
   常任委員会專門員       野津高次郎君
   常任委員会專門員       長谷川喜作君
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  本日の会議に付した事件
○小委員会設置の件
○昭和二十六年度一般会計予算補正(第一号)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十六年度特別会計予算補正(特第一号)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十六年度政府関係機関予算補正(機第二号)(内閣提出、衆議院送付)
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[前略]

○国務大臣(周東英雄君) 今お話のような点についてはまだ具体的になつておりませんが、日米経済協力という線に基いての物資別の生産輸出の関係が具体化して来るような場合におきましては、今お話のような全部日本に物を持つて来て全部向うへ持つて行つてしまうというような関係のないように、私どもは努力をいたしたいと思つております。この点については大体そう世間で伝えられているごとく、原料をやるとそれを加工して全部取上げてしまうというような形にはむしろならないで、必要な原料について相当価格等も考えて輸入をして、その一部分が再輸出されるということになるのではなかろうかと考えております。具体的に品目別にまだ注文は来ておりません。併し将来の問題としては何とかして向うも一つの窓口で、日本の政府に対しても一つの窓口で相談するというような恰好にしてもらいたいということを要求はいたしているのであります。
 それから緊要物資輸入特別会計にどういう品物が入つているかということですね、それは通産省のほうからお答え申上げます。

○政府委員(永山時雄君) 緊要物資輸入基金の運営につきましては、本年の四月実施をされましてから最近までにニツケルを約二百トンぐらい買上げました。それでなお今後買上げる予定の物といたしましては、そのほかにニツケルを更に百トンほど、それからなお合成ゴム、或いはコツトン・リンター、パルプ、それから石綿、そういうような物を現在予定をし、或いは引合をしておるという現状でございます。
○木村禧八郎君 安本長官に伺いたいのですが、この制度は朝鮮動乱の結果いわゆる特需が出て来て、それにまあアメリカ軍が朝鮮で作戰するのに必要ないろいろな物資を供給する。その場合民需を圧迫するといけないから、統制する方法としてそこでそういうものを輸入するということからこの特別会計が作られたのじやないのでございましようか。

○国務大臣(周東英雄君) 大体そういう趣旨でありますると同時に、必要な物資を民間だけで輸入さしておるのが無理のあるというような場合に、政府において輸入してやろうということが目的であつたと思います。殊に今のニツケルのごときは、從来非常に少い物資が入つて来て、数人のブローカーで売られておることから来る値上りとか、或いは有効需要を阻んでおるということがありますので、むしろ政府でこれを輸入して、直接最終消費者に渡して有効需要を阻害しないようにするということも目的になつております。

○木村禧八郎君 そうしますと、この目的が今安本長官がお答えになつたようであると、実際の活動は殆んどニツケルが中心で、二百トン、今後百トン、あと石綿なんかで、特別会計を設けられた趣旨が十分に活かされていないのじやないかと思うのです。どうもその点名前は非常に大きかつたですが、我々非常に期待はずれなんですが、それは今後又どういうふうにこれを運用されて行くか。

○国務大臣(周東英雄君) 今までにおいては余りまだそれを活用するほど必要な物資が少なかつた。まだ金も從つて余つております。今後これが活用の時期に入ると思います。
[後略]