11閉-参-通商産業委員会-2号 昭和26年09月07日
昭和二十六年九月七日(金曜日)午後一時四十五分開会
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本日の会議に付した事件
○通商及び産業一般に関する調査の件(日米経済協力に関する件)(国際通貨基金等に関する件)(講和後の通産行政に関する件)
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○委員長(竹中七郎君) 只今から通産委員会を開きます。
本日は通商及び産業一般に関する調査といたしまして、その主なる議題は一、日米経済協力に関るす件、二、国際通貨基金加入などに関する件、三、講和後の通産行政に関する件の以上であります。
先ず、日米経済協力の問題に関しまして、政府側として小峯政務次官より説明して頂きますが、特に日米経済協力に関して自立経済方策との組合せについてお伺いいたしたいと存じます。そこで、この問題に関する話の順序といたしまして、先ず、当面の実際的な進行状況を伺い、次に講和後の見通し、それから今後の政府の方針といつた工合にお願いいたしたいのです。なお説明の要点として触れて頂きたいのは、国際収支の推移、米国における東南アジア開発の規模、順序、速度などと、先に申上げましたように日本の自立経済方策の組合せかた、次に、以上に関連して、日本の経済構造と貿易体制をどう新らしく導くかの問題、それから、国際価格や対日援助打切りに伴う国際産業資金、外貨導入の問題などであります。なお、貿易に関する具体的な新政策につきましては、あとで板垣貿易局長より御説明をして頂きたいと思います。では小峯次官にお願いいたします。
[中略]
○委員長(竹中七郎君) では次に、只今政務次官の説明にありましたような方針に基きまして、目下安本当局で立案中の新貿易計画に関しまして板垣貿易局長より説明を伺います。なおその後で特に最近の特需や新特需の動向に関しても買付機関とか、品目、支払方法等についても御説明を願いたいと思います。
○説明員(板垣修君) 私より本年度の貿易計画についてお話を申上げます。貿易計画と申しましても、御承知のように、実は一つの見通しに過ぎないのでございまして、現在の自由貿易を建前とする時代におきましては、厳格な意味での計画ではないわけであります。尤も輸入につきましては外貨の面からいたしまして、一つの計画性を持たしてございまするが、これとてもやはりいろいろ情勢が変りまするとしよつちゆう変更を加えなければならんということになりますので、現在は最初に年度の計画は立てますけれども、やはり外貨予算は四期に分けまして、情勢に応じて必要の改訂を行なつて行くというような状況になつておるわけでございます。
< 略>
次には輸入でございまするが、輸入につきましては、この基礎になりまするのは七月の鉱工業生産指数の一四三というものを大体ベースにいたしまして、輸入計画を組み直したのでございます。これにはストツクの現在の状況、価格の点などを考慮いたしまして若干の調整をした程度でありまして、この輸入の量におきましては前の案とそう大きく変つていないのであります。参考までに現在の重要物資の通産省の調査によりまするところの九月末の在庫状況を主な品目だけ申上げますると、御承知のように今年の一月以降の輸入促進策が大分効を奏しまして相当物資が豊富に入つておるわけでありまして、大豆のごときは九月末ですでに六カ月分入つております燐鉱石は三カ月分、鉄鉱石は二・九カ月分、粘結炭は二・五カ月分、原綿は三・八カ月分、原毛が四・二カ月分、塩が六・四カ月分、こういう工合に主な物資につきまして、大体多いのは五カ月から六カ月分くらいのストックがあるわけでありまして、原料の点は非常に安心すべき状態になつております。比較的少いのは石綿のような特需物資が殆んど在庫がなくなつているのは除きまして、レーヨン・パルプ・サルフアイト・ハルプが一カ月くらいのストツクを持つておるに過ぎない状態でありまして、あとの重要物資は非常に十分な原料を現在持合わしておるわけでありまして、こういうも点考慮に入れまして輸入の総額を十九億五千五百万ドルと策定いたしたのであります。当初計画は十九億七百万ドルでありましたので第二次案が二十億一千七百万ドル、合計大体当初計画と第二次案との丁度中間くらいの数字になつておるわけであります。これを商品別に申しますると、食糧関係が金額で申上げますると四億六千万ドル、石油類が一億ドル、繊維原料類が六億五千万ドル、鉱石類が一億三千二百万ドルというような金額になつております。で、大体こういう工合に、本年度の貿易計画といたしましては、輸出及び特需を含めますと合計十六億ドル、輸入が十九億五千万ドルということになつておるわけでありまして、そうしまするとどうしてもバランスが、三億五千万ばかり輸入のほうが多いわけであります。これをどういうふうにして埋合わせるかといいますると、貿易外の純収入、受取から支払を引いた純収入が一億一千万ドルばかりございます。そのほかに対日援助の関係、これはまだ本年度は半分残つておりますが、これが一億五千万ドルばかりございます。それから駐屯軍のドル払いが開始されておりますので、これが大体一億ドルくらいと見ますと、この合計が三億六千万ドルばかりになるわけであります。従いましてこれらの関係で丁度輸出と輸入がとんとんに見合う、少しプラスになる、全体の国際収支の計画としては少しプラスになるということが言えると思います。又これをドルだけをとつて見ますると、多少ドルが不足という結果にはなりまするけれども、国際収支の全体といたしましては大体とんとんで合うということになるわけであります。一応貿易計画につきましては以上の御説明を申上げました。
< 略>
一応これを以て御説明を終ります。
○委員長(竹中七郎君) それでは現在おられますのが政務次官の小峯さん、貿易局長の板垣さん、官房長の平井さん、計画室長の佐々木さん、財政金融局次長の前野さんでございますから、このかたがたに御質問を願いたいと思います。
[後略]