10-参-決算委員会公団等の経理…-5号 昭和26年05月23日

昭和二十六年五月二十三日(水曜日)午後一時五十八分開会
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  委員の異動
二月二十三日委員深川タマヱ君辞任した。
三月十四日決算委員長において岩木哲夫君を委員に指名した。
二月二十三日委員加賀操君辞任した。
三月二十六日委員岩木哲夫君及び岩男仁藏君辞任につき、その補欠として一松定吉君及び鬼丸義齊君を決算委員長において指名した。
三月二十七日委員小杉繁安君及び廣瀬與兵衞君辞任につき、その補次として高橋進太郎君及び長谷山行毅君を決算委員長において指名した。
五月二十一日決算委員長において高田寛君を委員に指名した。
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  本日の会議に付した事件
○特別会計、政府関係機関及び終戦処理費の経理に関する調査の件(昭和二十三年度会計検査院決算検査報告批難事項第三百九十七号足利工業株式に対する二重煙突代金支払及びこれに関連する事項の件)
 (右件に関し証人の証言あり)
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○委員長(棚橋小虎君) 只今から決算委員会公団等の経理に関する小委員会を開会いたします。
 本日は昭和二十三年度会計検査院決算検査報告批難事項第三百九十七号、足利工業株式会社に対する二重煙突代金支払及びこれに関連する件について証人の出席を求めまして、慎重に調査することにいたした次第であります。証人におかれましては、御多忙中のところ御出席をお願いして誠に御迷惑と存じますが、本小委員会が国会の権威におきまして愼重な調査をすることをお認め下さいまして、証言されることをお願いする次第であります。
 それでは宣誓を行いますから御起立を願います。
   〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
   宣誓書
  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
       証人 加藤 八郎
   宣誓書
  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
       証人 横田  廣吉
   宣誓書
  良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
       証人 瀧野 好曉

[中略]

○溝口三郎君 もう一点お伺いいたしたいのですが、先ほど年末に四千万円の支払を急速にやつたことが問題になつておるようでございますが、年末の二十八日に払つたことに対して、先ほど証人は増額の問題についていろいろ問題があつたので、予算誤長や経理第二課長といろいろお話しになつたというふうに承わつたのでありますが、この四千万円の支払については、小委員会の報告では、足利工業は十二月の四日附で四千百七万円の支払請求書を出しておるというようになつておるのでございますが、この二重煙突の契約でございますが、それは二十一年の十二月九日に二十五万フイートで四千万円の契約をしておるのでございます。それは特別建設局の業務部長の決裁になつておるのです。その後二十五万なフイートの納入につきまして、八回に亘つて九千九百万円の支払をしておるのでございますが、支払については私はこれは経理局長の責任であられると承知するのでございますが、私はこの小委員会の当初において質問をいたしたのでございますが、そのときに資料としてお願いいたしたのは、一回から八回までに分割して支払つていたんです。金額はわかつておりますが、そのときに毎回半分ずつ支払つたのです。毎回幾らの単価で支払つたかという資料を実は要求しておつたのでありますが、今までそういう資料は来てないのです。先般三月二十二日に特別調達庁から過払の処理状況という書類を頂いたのですが、それによりますと、当初四千万円の契約をした、業務部長がしているのです。その後五回に亘つて単価の、単価といいますか、契約の金額の変更をしているのです。それはどうもこの書類では甚だ不鮮明なんですが、第四回目の契約変更をしたのは二十三年の十二月五日、その前の第三回は二十二年の十月二十四日、一年間放つたらかしといて二十三年十二月五日に増額の変更の契約が来たんです。これは業務部長の決裁でやつていると思うのです。そうすると一年前の二十二年の十月二十四日までのはこの資料ではわかりませんが、どうもやり方が私にはわからないのです。二十五万フィートを毎回々々八回に支払つたのですが、毎回二十五万フイートのところへ一フイートの単価を幾らかずつ上げてやつている。そこで二十三年十二月五日の前までに七回払つたのですが、それまでに丁度二十万フイートが入つていたんです、七回に払つておるときに。そのような資料を私は一番初めに要求していたんですが、来てないのです。わかりませんが、大体工十万フィートきつちり入つていたかどうか、その検収調書にはどうなつておるか、今以て不明なんです。これは当局のほうへお願いして資料を出して頂きたいと思うのです。ところが二十三年十二月五日、第四回の契約変更は、これは五万フイートに対する増額ということになつているのです。それ以前には二十万フイート済んだんです。そうしてあとの残り五万フイートは二十三年十二月五日に業務部長と契約しているのです。先ほど証人は年末の二十八日頃に、増額の決裁の問題があつた、こう言いましたが、増額の決裁でもなんでもないのです。問題は五万フイートという検収調書、それが確実なものかどうか、そうして五万フイートに対する金額というものは、十二月の五日に実はあなたの所管ではないことにきまつていたのです。そのときに問題が起ることは私ほおかしいじやないか、そうしてその間に十二月十四日に会社からは申請が出ていたのです。十四日から二十八日までの間にどこにその書類がとどまつていたか。検収調書がはつきりして、確実なものであるということになれば、確かにきまつていると言うのですか。あなたはその検収調書は確かだが、過払は、半分しか来ないというようなことを誰からかでも聞かれたか。検収調書というものがはつきりしておるのならば、それは当然私は経理部長としては出してもいいだろう、十二月の十四日頃なら年末……、どこにそういう書類がとまつていたか。そうして五万フィートの代金が四千何百が円というのは、十二月の四日頃に申請書が出ておる。ところが私はこの前の委員会で、その検収調書五万フイートが四千万円になるのかということに対して、これは三人ぐらいの証人の証言によりましても、どうもまだ今以てわからない。足利工業の高橋専務が人な介して、特調に五万フイートを出してもらいたいというようなことを証言をしておるし、代行会社の太平工業の藤原という人が、証人は、特調の石井技官に言われた通りに五万フイートを出してある、石井技官は全然自分はそういう命令を下したこともないし、それから十二月の十七、八日頃に足利工業の誰からか是非四千万円ぐらいを出しでもらいたいということを言つて来たけれども、自分は拒絶したんだ、それから又年末になつてから、田中社長が東京へ出て来て、そうして四千万円くらい欲しいといつたときに、四千万円なんてそんなに出そうはないんだというようなことを聞いたが、急に一、二日たつて四千万円出ることになつたというように、どうも前の証人の証言は一つも実は一致していないんですが、初めて私は特調から出た書類で拝見したのですが、すでに丁度五万フイートというものが出ておる。その増額の金額がはつきりするようになつておる。そうして今までいろいろの証人から聞いたのは、みんな日が食い違つておるので、只今の証人のお話も、増額の決裁というようなことは、これは間違いなんでしよう、検収調書でさへ五万フイートない、その当時決裁したと言われましたが。そこら辺の日附の食い違いは、只今までの証人の言われたことと少し違いがあるのじやないかと私は思います。その点を承わりたい。

○証人(加藤八郎君) 増額の承認というような決裁文書であつたということを申しましたのは、多分煙突の材料でございました石綿なるものの公定価格が変つて、従つて値段が高くなつたという意味のいわゆる単価の値上げと私は記憶しておるのでございますが、その点どういうことでございましたでしようか、ちよつとわかりませんでしたか……。

○溝口三郎君 これはもう十二月の五日にきまつておることでございます、業務部長の決裁は。あなたのほうは関係はないんでしよう。ちよつとお伺いしたいのですが、業務部長というものの上の局長はどなたがやつておりますか。

○証人(加藤八郎君) 特別調達庁に業務部長というのはございませんと思いますが、まあ契約を増額するかどうかという問題になりますると、契約局もございましたし、それを……。

○委員外委員(栗山良夫君) あなたは瀧野というかたを御存じでございますか。

○証人(加藤八郎君) 庶務部長としておられましたから知つております。

○委員外委員(栗山良夫君) この瀧野氏から五万フィートの代金の支払についてあなたは依頼と申しますか、促進の話を伺われたことはございませんですか。

○証人(加藤八郎君) 私瀧野さんからそういう話は受けたことはございませんが、年末に調達する根拠が適当でないという意見で、契約局といろいろ意見の交換をしておつたのでございますが、庶務部長のほうは関係ございませんので、私特にどうこうということを頼まれたことはございません。

[後略]