8閉-参-内閣委員会-7号 昭和25年11月15日
昭和二十五年十一月十五日(水曜日)午前十時五十六分開会
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本日の会議に付した事件
○行政機構の整備に関する調査の件(特別調達庁の終戰処理費運用状況に関する件)(出入国管理庁設置令に関する件)
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○委員長(河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。
前回即ち十月二十七日の内閣委員会において特別調達庁の行政事務運営状況の審査をいたしましたが、本日はその継続であります。前回カニエ委員から連合国軍要員健康保険組合の積立金の融資に関して質疑がありまして、これに対しまして特別調達庁から次回を期して説明するということになつておりましたので、今日は説明を承わろうと存ずるのであります。尚それにつきまして委員諸君から質疑等がありますればそれを願うつもりであります。特別調達庁次長堀井君。
[中略]
○カニエ邦彦君 こういうような結果になるまでにですね、十二分にこの問題は私は防げたんじやないかというように考えるのですが、この生産過程におきまして、もうこの二重煙突は要らないからということを軍から言つて来て、これがキヤンセルになつたということを聞いておるのですが、そういう事実があつたのかどうでしようか。
○説明員(辻村義和君) 二重煙突が軍のほうからキヤンセルになつたのではないかという御質問でございますが、これは或いは途中で御説明いたしたほうがよろしかつたと存じますが、こういう事情でございます。これは先ほど申上げましたLD三五という指示によりまして、昭和二十一年に軍から調達要求がございましたのは、この二重煙突だけでなしに、非常に沢山な品目につきまして購入の指示が参つたので、それによりましてそれぞれ購入をいたしておつたのでございますが、その後LD八〇という別の指示がございまして、それによつてLD三五の要求は一応全面的にキヤンセルに相成りましたのでございます。ただそのときの軍のほうの意向といたしまして、LD三五は一応全面的にキヤンセルをするが、その中で特に日本側から見てそのままキヤンセルして、後始末に困るものについては別に申出よという指示がございましたので、実は当時そういう事務につきましての直接の、つまりそういう軍からの要求に対する生産の責任は商工省が持つておりましたので、軍から只今申上げましたようなLD三五の中でキヤンセルをして困る品目については、別に申出よという指示が商工省のほうにございましたので、商工省のほうからそうしたものをより出して報告いたしましたが、その中に二重煙突も入つておりましたので、商工省といたしましては、二重煙突はキヤンセルしないほうがいいと結論に達しまして、そうしたことに取計らいをいたされたのであります。尚、特別調達庁といたしましても直接納入を受ける関係にありますので、商工省のほうから勿論連絡があつたことと存じますが、特別調達庁といたしましても当時二重煙突はキヤンセルをしないで、そのまま納入を続けて行くほうが適当だという商工省の結論に対しまして同じ意見を持つておつたようでございます。と申しますのは、その理由といたしますものは、当時キヤンセルになりました当時におきましては、すでに二重煙突当時の材料につきましては、大部分手配済でございましたので、これをキヤンセルいたしますと、当然損害賠償の問題が起りますので、その問題があとに残りまするのと、又当時何分まだ家族住宅、その他建設工事の最中でございまして、今後まだそうした二重煙突の必要がある、ないというはつきりした見当が付きませんので、この二重煙突は、御承知のように、石綿にいたしましても、鉄板にいたましても統制品でございまして、そうした統制品を折角確保したものを、そのままキヤンセルにしてしまうということは、そうした資材の活用という点からいつても、将来の利用という点からいつても、むしろここまで生産工程の進んでいるのは、そのまま完成さして置いたほうがいいじやないかという結論に達しまして、商工省におきましても、特別調達庁におきましてもそのまま購入を継続したいという結論に達しましたので、軍のほうに話をいたしまして、軍のほうの了承を得まして、購入を続けたような事情でございます。
○カニエ邦彦君 商工省が何故これを作らしてくれというような要求を何故したかということは、これはまあ後日商工省の方を呼ばなければ分らないと思うのですが、当時二重煙突は軍のほうで早急に急いでこれが要ると、必要であるというような事情にあつたのかどうか。又当時一体ストツクがなかつたのか、それほどその品物が枯渇しておつたのかどうか、その点の事情について御説明を願いたい。
[後略]