8閉-参-通商産業委員会-3号 昭和25年09月27日

昭和二十五年九月二十七日(水曜日)午後一時五十二分開会
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  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○通商及び産業一般に関する調査の件(通商産業省関係予算に関する件)
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○理事(廣瀬與兵衞君) 只今より委員会を開きます。
 本日は先ず最初に派遣議員各位の視察報告を承わり、次いで通産省当局より明二十六年度予算編成の現状について説明を聴き、最後に当面の諸問題に関する緊急質問を行う、大体以上の順序で議事を進めたいと存じます。
 それでは当委員会で継続予備審査にかかる鉱業法案並びに採石法案に関する視察について東北、北海道班の方から御報告を願います。

○島清君 では委員長の御指名によりまして、本委員会において継続審査中であります鉱業法案及び採石法案につきまして、東北、北海道方面の現地視察の経過概要北海道班を代表致しまして御報告申上げます。
 視察日程は八月二十四日に上野発その日に仙台に着きまして、直ちに右の二法案につきまして関係業者との懇談会を開催いたしたのであります。次に秋田に参りまして帝国石油株式会社八橋採油所、日本石油株式会社土崎製油所を視察後、当該地区関係業者と懇談会を開いて同じく右二法案に対する御意見を伺つたわけであります。更に、大平鉱業株式会社尾去沢鉱業所を視察いたしたのであります。ここは御承知のごとく銅を中心にその他金・銀・鉛・亜鉛等の採掘をやつてるところでございます。続いて硫化鉱の採掘を行なつております岩手県の松尾鉱山に参り、ここで東北の日程を終り、北海道に渡つたのであります。
 北海道は先ず函館の近くの上磯にございます日本セメント上磯工場及び、同社所有の莪萌石灰石採掘所を視察いたしたのであります。上磯から札幌に参りましてここで仙台・秋田と同じく関係各業界の方々と懇談会を行い、次いで山川さんの会社の砂川炭抗に参上してから、最後に山部にございます野沢石綿セメント・山部石綿石綿採掘所及びその附属工場を視察して十日間にわたる日程を終了したわけでございます。 視察の全日程を通じて関係業界の方々には、非常に熱心に、意見を開陳せられ、又論議されたのであります。且つ仙台札幌各通産局及び秋田鉱山事務所では視察日程の円滑なる遂行に、万全を期せられたため、所期の効果を十分に挙げることができたのであります。尚私共の視察の目的は前に申上げました通り鉱業法案、採石法案に関するものでございますが、副次的な收獲として一般鉱業政策に関する要望乃至意見も得て参りましたので、いずれ機会をみて、御報告申し上げたいと存じております。
 鉱業法案、採石法案に関する現地の状況及び意見の見聞したところ、大体次のような点が問題となるのではないかと思われます。
 先づ採石法案に関してはあまり意見なく僅に、宮城珪藻土株式会社の佐藤某及び、宮城県登米スレート工業協同組合理事長の高橋某から本法案については大概結構であるが、同法所管庁である通商産業局長と地方公共団体との関係如何との質問がございましたが、通産地方公共団体との関係は、第十條第二項の「採石権の設定及び譲受の許可に関し、その土地が保安林である場合にのみ、通商産業局長があらかじめ関係都道府県知事と協議すべきこと」の規定があるだけでございますので、この点大した問題はないと存じたのでありますが、聞くところによりますと衆議院通産委員会の委員が、私共より遅れて当地で懇談会を開催いたしました折には、所管庁を都道府県にせよとの要望があつたやに洩れ承わつております。併しこれもよく話合いの上本法案が通産局長による監督規定でないという、観点をよく了解して納得した由であります。
 鉱業法案に関する問題点は相当ございますのでできるだけ簡單に順次述べてみたいと思います。
 < 略>
 以上極く簡單に視察概況について御報告申上げましたが、各地の要望、意見等については鉱業権者のみのものであり、利害相反する側の意見を聴取する機会を日程の都合により持たなかつたので、或いは一方的な見聞になつたかも知れませんが、東北・北海道方面には、それ程紛争も起つていないようでありますので、この程度が実質的な意見でないかとも思われます。

○理事(廣瀬與兵衞君) 同件に関する福岡班の御報告をお願いいたします。上原委員。
[後略]