6-衆-通商産業委員会-11号 昭和24年11月23日

昭和二十四年十一月一二十三日(水曜日)午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長代理理事 神田  博君
   理事 小金 義照君 理事 澁谷雄太郎君
   理事 村上  勇君 理事 有田 喜一君
   理事 川上 貫一君
      阿左美廣治君    今村長太郎君
      岩川 與助君    門脇勝太郎君
      高木吉之助君    多武良哲三君
      中村 幸八君    福田  一君
      加藤 鐐造君    坂本 泰良君
      高橋清治郎君    田代 文久君
      圖司 安正君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  稻垣平太郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次官       宮幡  靖君
        資源庁長官  進藤武左ヱ門君
 委員外出席者
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
        專  門  員 越田 清七君
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十一月二十二日
 委員福田篤安君辞任につき、その補欠として龍野喜一君が議長の指名で委員に指名された。
十一月二十一日
 産業設備営団法及び交易営団法廃止する等の法律案(内閣提出第七号)(参議院送付)
 帝国石油株式会社法の一部を改正する法案(内閣提出第八号)(参議院送付)
 帝国燃料興業株式会社法を廃止する法律案(内閣提出第九号)(参議院送付)
 帝国鉱業開発株式会社法の一部を改正する法立案(内閣提出第一〇号)(参議院送付)
 日本製鉄株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)(参議院送付)
同月十九日
 電気事業再編成に関する請願外一件(赤松勇君紹介)(第九六五号)
 蹴上発電所復元に関する請願(高木吉之助君外三名紹介)(第九八二号)
 助産婦等に業務用必需品配給の請願(吉田省三君紹介)(第九九五号)
 ネオガスロンの増産及び普及に関する請願(庄司一郎君紹介)(第一〇一七号)
 松尾鉱石山の鉱毒対策国庫補助の請願(山本猛夫君紹介)(第一〇三一号)
 自動車の輸出促進に関する請願(春日正一君外一名紹介)(第一〇五二号)
 電源開発等に関する請願(石野久男君紹介)(第一〇六九号)
 自動車産業に対する月賦販売資金融通の請願(春日正一君外一名紹介)(第一〇七四号)
 同(田中織之進君外一名紹介)(第一〇七五号)
 同(三宅則義君紹介)(第一二二一号)舞鶴市に競輪場設置に関する請願(大石ヨシエ君紹介)(第一〇八九号)
 廣畑製鉄所再開促進の請願(河本敏夫君紹介)(第一一九八号)の審査を本委員会に付託された。
 商工会議所法制化の陳情書(岡山県商工団体連合会長伊原米五郎)(第二三一号)
 中小企業に関する陳情書(金澤市議会議長鳥畠島徳次郎)(第二六一号)
 物資の割当に対する手数料の徴収関する陳情書(東京新聞新宿区角害一丁目一番地日本ゴム工業会長中村眞郷)(第二七九号)を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
 産業設備営団法及び交易営団法を廃止する等の法律案(内閣提出第七号)(参議院送付)
 帝国石油株式会者社法の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)(参議院送付)
 帝国燃料興業株式会社法を廃止する法律案(内閣提出第九号)(参議院送付)
 帝国鉱業開発株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)(参議院送付)
 日本製鉄株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)(参議院送付)
 日英通商協定大概に関する件
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[前略]

○神田委員長代理 ただいま通商産業大臣より、日英通商協定の件について御報告を、申しあげたいとの要望がありますので、これを許します。稻垣通商産業大臣。

○稻垣國務大臣 この機会に昨日四時半に調印されました日英の通商協定の大綱について、御報告申し上げたいと存じます。
 これはオーストラリヤ連邦、セイロン、インド、ニュジーランド、南アフリカ、その植民地代表、これらとそれから片一方は総司令部の代表によりましてサインされたのでありまして、英国側ではリングマン氏がこれにサインし、司令部の側におきましては、総司令部の貿易担当官がこれにサインしたのであります。
 その大綱は、期間は本年の七月から明年の六月末日に至るものでありまして、その金額は輸出入それぞれ五千五百万ポンドであります。もつとも輸出につきましては前年の輸出超過の九百五十万ポンドを差引きますから、四千五百五十万ポンドということに相なるわけであります。そのほかにこの地域以外のスターリング地域の、先ほど申し上げたものに入つておりませんところの、たとえばビルマでありますとか、パキスタン、そういうような地域を含む貿易予定額は、大体二千七百万ポンドということに相なつております。またその他物資の交換と異なる相互間の貿易外貿易の予定額は六百万ポンドということに相なつておりますので、総計いたしまして、その総額が一億四千三百万スターリング・ポンド大体四億ドルということに相なつております。これは昨年の通商協定と比べますると、大体二倍に当つているわけであります。なお品種につきましては、これは大体推定の予定品種でありまして、これに限られるわけではありませんけれども、大体次のようなものを含んでおります。
 日本が向うへ輸出いたしまするものにつきしましては、産業関係製品、たとえば琺瑯鉄器、ガラスあるいはガラス製品、陶磁器、衞生器具といつたようなものであります。それから化学薬品及びその関係製品、医療及び保健器具、その医薬及び保健器具の中には化粧用薬品も入つております。医療器具も入つております。それから向うへ出しまする食糧といたしましては、海産品、農産品、カン詰類が入つております。それから手工業品。それから械械製品といたしましては、電気機械及びそれに対するところのインスツルメント、設備、各種機械、そのインスツルメント、それから繊維機械、運輸機械といつたようなものを含んでおります。皮革及びイミテーション、レザー関係の工業用のもの、それから軽機械と申しますか、器具と申しますか、そういうもの、及び金属では農業用器具及び械械、アルミ製品、大工道具、通信設備、測定器、計量器、金属工具、金属製品、こういつたもの含んでおります。木材及び竹、建築資材、建築材料、木材、木製品、それから金属製の日常用品、なべ、かまの類であります。金属鉱産品、紙及び関係商品、ゴム製品、それから纎維製品といたしましては、綿及び綿製品、苧麻製品、人絹及び人絹製品、生糸、毛糸及び毛糸製品、大体こういつたものが輸出の品目の中に入つております。
 輸入品目といたしましては、穀類では大豆、ライ麦、小麦、化学製品及び関係製品ではカゼインであるとか、レネットであります。それからアンモニア、硝酸ソーダ、硫酸アンモニア、天然染料、殺虫剤、ロジウム、コロライドといつたようなものが入つております。油脂及びろう、含油原料、それから機械及びその部品、それから金属鉱といたしまして、その中にはボーキサイトでありますとか、あるいはホワイト・ボーキサイト、イルミナイト、あるいは鉄鉱、マンガン鉱、そういつたものが入つております。非金属鉱物では石綿とかアスファルト、黒鉛、カオリン、マグネサイト、マグネシアクリンカー、雲母、石油、塩といつたようなものが入つております。纎維原料では綿花、毛あるいはシサル麻、そういうものであります。それから植物、動物製品といたしましては、にかわ、ゼラチン材、牛の皮、角、骨粉、ハイドカッティングといつたようなものが入つております。それからゴム及び樹脂、アラビヤゴム、コーパルゴム、そういうような種類であります。皮革としては水牛の皮、雄牛の皮、小牛の皮、なめし皮その他であります。なおゴムといたしましては粗ゴム、カッタパチャ、ラテックス、くずゴム、そういうようなものも入つております。なめし材料、化学材料、カツチ、ガムビア、こういうようなものが入つております。木材、紙、ラワン材、籐、動物の毛でありますとか、ボタン用具、海綿、そういつたようなものが入つております。大体そういうようなものが予定された輸出並びに輸入商品であります。
 なお今朝英国の代表リングマン氏が見えまして、こういう協定ができたことは非常にけつこうなことであると言つて、お互い握手いたしたのであります。
 なおこれは総額を大体予定したとりきめでありますが、われわれが向うから輸入するところの数量、金額がこれを上まわりました場合におきましては、その上まわつただけの額はよけいに輸出できる。こういうことでありまして、これがわれわれの最低目標で、輸出輸入ともにこれに上まわつてできるということであります。ただわれわれといたしましては、今日せつかく協定ができたのでありますから、これを十分活用いたしまして、なおこの予定以上の輸出入額をあげたい。かように考えておりますような次第であります。大体大要御報告申し上げます。

○神田委員長代理 本日はこの程度とし、次会は明二十四日午前十時より理事会、十時半より本委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします
    午後零時十三分散会