5-衆-建設委員会-7号 昭和24年04月18日

昭和二十四年四月十八日(月曜日)午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 淺利 三朗君
   理事 江崎 真澄君 理事 鈴木 仙八君
   理事 内藤  隆君 理事 前田榮之助君
   理事 天野  久君
      今村 忠助君    瀬戸山三男君
      高田 弥市君    宮原幸三郎君
      上林與市郎君    増田 連也君
      高倉 定助君
 出席政府委員
        建設政務次官  内海 安吉君
 委員外の出席者
        議     員 青柳 一郎君
        議     員 大泉 寛三君
        議     員 大村 清一君
        議     員 岡村利右衞門君
        議     員 鍛冶 良作君
        議     員 塚原 俊郎君
        議     員 牧野 寛索君
        議     員 山本 猛夫君
        議     員 松本六太郎君
        建設事務官(河川局次長) 伊藤 大三君
        建設事務官(建築局次長) 師岡健四郎君
        建 設 技 官(道路局建設課長) 落合 林吉君
        專  門  員 西畑 正倫君
        專  門  員 田中 義一君
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四月十三日
 眞野川改修工事促進の請願(内海安吉君紹介)(第二九一号)
 木曾川改修工事費國庫補助増額の請願(河野金昇君外二名紹介)(第二九二号)
 釜谷峠にトンネル開設の請願(内海安吉君紹介)(第二九四号)
 宮崎縣下の産業道路及び観光道路開設に関する請願(田中不破三君五名紹介)(第三〇〇号)
 西大阪の防潮事業費國庫補助の請願(前田種男君紹介)(第三〇二号)
 八澤川に管の代川水流誘導工事施行の請願(上林與市郎君紹介)(第三〇八号)
 宮崎縣の開発事業費町村負担に関する請願(田中不破三君外五名紹介)(第三一三号)
 淀川及び神崎川堤防復旧工事施行の請願(前田種男君紹介)(第三一六号)
 北上川治水工事施行の請願(淺利三朗君紹介)(第三三八号)
 同(山本猛夫君紹介)(第三三九号)
 戰災復興事業費國庫補助の請願(辻寛一君紹介)(第三四三号)
 房総國道改修工事促進等に関する請願(小高熹郎君紹介)(第三四五号)
同月十六日
 和田村地内の道路改修に関する請願(伊藤郷一君紹介)(第三五九号)
 熊原川並びに杉倉川砂防工事施行の請願(山崎岩男君外一名紹介)(第三六二号)
 大隅熊毛地区の道路及び河川改修工事費國庫補助の請願(二階堂進君紹介)(第三八五号)
 高瀬川並びに地藏院川治水工事施行の請願(前田正男君紹介)(第四二五号)
 熱海海岸道路幅員拡張の請願(畠山鶴吉君紹介)(第四二六号)
 伊東、下田間道路舗装の請願(畠山鶴吉君紹介)(第四二七号)
 伊豆半島の縣道を國道に編入の請願(畠山鶴吉君紹介)(第四二八号)
 小田原、熱海間道路舗装の請願(畠山鶴吉君紹介)(第四二九号)
 熱海、三島間道路改修及び舗装の請願(畠山鶴吉君紹介)(第四三〇号)
の審査を本委員会に付託された。
同月十四日
 戰災復興事業に対する起債及び國庫補助等の陳情書(姫路市長石見元秀外十九名)(第一六六号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
  請 願
 一 太田川及び原野谷川改修費國庫補助の請願(足立篤郎君紹介)(第一号)
 二 猪名川改修工事施行の請願(原健三郎君紹介)(第四号)
 三 大澤田川砂防工事施行の請願(野原正勝君外二名紹介)(第八号)
 四 豊平川治水工事完成促進の請願(宇野秀次郎君外十一名紹介)(第一〇号)
 五 山國川水系に國直轄砂防工事施行の請願(福田喜東君紹介)(第一七号)
 六 大崎、鹿兒島間道路改修促進の請願(上林山榮吉君紹介)(第三〇号)
 七 山口縣の災害復旧土木事業費國庫補助増額の請願(青柳一郎君紹介)(第三二号)
 八 木屋川河水統制事業施行促進の請願(青柳一郎君紹介)(第三三号)
 九 松尾川砂防工事施行の請願(大村清一君紹介)(第三四号)
一〇 由宇川改修工事促進の請願(青柳一郎紹介)(第三六号)
一一 倉尾村に砂防工事施行の請願(阿左美廣治君紹介)(第三八号)
一二 村山野川及び白水川上流改修工事施行の請願(牧野寛索君紹介)(第四三号)
一三 岡山縣下り河川に砂防工事施行の請願外三十二件(大村清一君紹介)(第四八号)
一四 中津、飯田間道路改修の清願(平野三郎君紹介)(第四九号)
一五 金山峠トンネル開設の請願(河口陽一君紹介)(第五九号)
< 略>
四一 利根川並びに荒川改修工事に関する請願(阿左美廣治君外十二名紹介)(第二五三号)
四二 庶民住宅建設助成に関する請願(瀬戸山三男君外四名紹介)(第二六一号)
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[前略]

○淺利委員長 次に日程第一五、金山峠トンネル開設の請願、紹介議員河口陽一君、文書表第五九号を議題といたします。紹介議員の説明を求めますが、河口陽一君にかわつて松本六太郎君に紹介説明を願います。

○松本六太郎君 本請願の趣旨は北海道勇拂郡占冠村より根室本線金山駅に通じます地方軌道のうち、最も交通土支障のはなはだしい部分において、トンネルの開鑿をお願いいたしたいというのであります。この占冠村はすでに開村せられてより約五十年の歳月を経ておりまするが、現在戸数が約五百戸であります。面積は三十七万方里に及ぶば厖大な面積を持つところの村であります。ところが交通が非常に不便でありまするために、開発が遅々として進まないというのが実情であります。しかしながら最近においては開拓移民等の入地その他によりまして、急激に人口の増加を見ておる情勢であります。のみならずこの地帯には伐採計画をいたしておりまする森林資源、すなわち本材の堆積と申しますか、資源が約五千万石に及び、また石灰、クローム、石綿等の地下資源が非常に多いのでありまして、この鉱区の面積も五千万坪に及んでおるのであります。しかしながら非常に交通が不便でありまするために、これらの資源の開発も遅々として進まないという現状にありまするので、何とか交通の便をよくしていただきたいというのが本請願の趣旨であります。この占冠村から鉄道沿線すなわち金山駅に演じまする区間は大体二十四キロでありまするが、その中に上り下り十八キロに及ぶ急勾配の峠があります。これを俗に金山峠と称しておりますが、これにトンネルを通じますことによりまして輸送力は非常に増大いたし、交通は至便となりまして、これらの資源の開発あるいは今続々入地せしめておりまする開拓移民の交通の優等が改善せられまして、今日北海道の総合開発というようなことも問題になつておりまする折柄、かような地点にまず交通の便をはかるということが非常な急務であると考えられます。さような点につきまして予算、資材その他の関係上相当の困難がありましようけれども、特に御配慮を願つて急速にこの目的が達成せられまするように、御配慮を願いたいというのであります事。
 なおごの路線は昨年から運輸省の省営トラツク、バス等の運行も始つたのでありますけれども、これらもやはりこの峠のために能率が非常に阻害せられておりまするので、ぜひ至急ごの目的を達成いたしまするように特に御配慮と願いたいと思います。

○淺利委員長 これに対する当局の意見を伺います。

○落合説明員 ただいまの道路は札幌、根室間を通じまする北海道の幹線鉄道の路線と、それから南海岸の方を通つておりまする鉄道の富川を連絡いたしまする連絡道路としての意義、それからその中間にありまする鉱山資源、林産資源の開発を促進する意義がありまするので、政府といたしましても、ぜひこれをすみやかに着工いたしたいと存じまして、本年度の予算を要求いたしますときには、これらの工事を着工できるようにという計画のもとで予算を要求したのでございますが、道路予算が非常に圧縮されましたので、この圧縮された予算の範囲では本年度の着手は非常に困難になつて参りました。特に金山峠は相当隧道工事を伴いまするので、資金資材の見通しがつきましてからでありませんければ、着工しても効果を発揮することができませんので、それらのことを十分に勘考いたしまして、資金、資材の見通しができます次第、すみやかに着工いたしたいと存じます。
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[後略]