1-衆-商業委員会-18号 昭和22年11月08日
昭和二十二年十一月八日(土曜日)午前十一時十分開議
出席委員
委員長 喜多楢治郎君
理事 笹口 晃君 理事 佃 良一君
理事 片岡伊三郎君 理事 中村元治郎君
佐竹 新市君 林 大作君
松原喜之次君 師岡 榮一君
山口 靜江君 岡野 繁藏君
櫻内 義雄君 坪川 信三君
松井 豊吉君 鈴木 仙八君
小枝 一雄君
出席政府委員
總理廳事務官 向井 鹿松君
商工事務官 冨吉 榮二君
委員外の出席者
議 員 小川 半次君
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十一月七日
石油配給公團法等の一部を改正する法律案(内閣提出)(第八四號)の審査を本委員會に付託された。
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本日の會議に付した事件
請願
一、中古衣類の公定價格制度撤癈の請願(笹口晃君外一名紹介)(第四七四號)
二、引揚者團體直營の全衣料品店許可の請願(中村元治郎君紹介)(第七三五號)
三、石綿輸入促進の請願(細野三千雄君外一名紹介)(第七四九號)
四、中古衣類の公定價格制度撤癈の請願(中村元治郎君紹介)(第七七七號)
五、石油配給公團法等の一部を改正する法律案審査のための連合審査會開會の件
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[前略]
○喜多委員長 日程第三を議題といたします。文書表第七四九号、石綿輸入促進の請願、紹介議員松原喜之次君の説明を求めます。
○松原(喜)委員 石綿輸入促進の請願につきまして、紹介議員の一人として簡単にその趣旨の弁明をいたしたいと存じます。御承知のように、石綿は、硫安製造の場合に電解をいたしますが、その電解の絶縁隔膜として用いられます副資材の最も主要原料となつておりますのみならず、自動車のブレーキ、その他あらゆる電気の絶縁體に用いられ、あるいはまた保温とか保冷とかいうような用途に部分品として広く用いられております。さらにまた鉄管の代用といたしまして、御承知の石綿高圧管として用いられますし、また石綿スレートや石綿煙突等、今日復興建築に重要な資材として広くその用途をもつておるものでございます。さらにまた、この石綿製品は戦前におきましては南洋、印度、中華民國等の方面にも相當輸出せられたものであります。しかるに現状を見ますと、もはや國内にありますところの石綿原料の状態は、ここ數箇月を出でずして底をつくという有様になつておるのであります。先ほども申します通り、非常に重要な産業の副資材として用いられる部面、及び製品として広くその用途をもつており、かつその製品は日本再建の上に最も不可欠な品種であると私は考えるのでありますが、しかもこの石綿の価額たるや大したものではない。すなはち他の産業におきましてもよくわれわれの経験するところでありますが、主たる原料資材等がいかに豊富に供給いたされましても、ごくわずかな副資材の不足のために、その製品の生産に重大な支障を来すというがごときことはまま見るところであります。硫安製造のためにするところの電解隔膜のごときは最も重要な部面と思うのでありますが、こういうふうな大した金高でもなく、しかも重要な使命をもつておる資材は進んでひとつ輸入をするというふうに、政府の方でお取計らいをお願いいたしたいと思うのであります。さらに附加えておきたいことは、現在石綿製品の生産にあたつておりまするところの工場は全國で百二十工場あります。それからそれに從事しておりまする者は七千人になつております。きわめて微微たる工業でありますけれども、しかしながらわずかの輸入が行われないために、これらの工場がその業を続けることができず、從つてこれらの從業員が失業するということは、これらの人人にとつては重大な問題であるということもお考え願いたいのであります。なお、石綿は御承知のように戦前におきましてはアメリカから主として輸入されておつたものであります。從つてこれは貿易面からいたしましても、ポンド地域、ドル地域と分けますと、もとよりドル地域でありますから、その輸入は貿易全體として考えて比較的容易な方面であると考えるのであります。以上の理由を持ちまして、この際ぜひこの石綿の輸入について特段の御考慮をお願いいたしたい。これが請願の趣旨でございます。
○喜多委員長 本請願に対する當局の意見を伺います。
○冨吉政府委員 石綿の輸入につきましては、関係各物資局の策定に基きまして、貿易庁におきましては、輸入要請書を作成してこれを総司令部に提出するとともに、申請の理由並びに國内におきまする石綿事情等を詳細に説明して輸入實現について関係各庁協力のものとにその促進に努力いたしておるのであります。それによりますと、一九四八年度といたしましては、一萬二百五十二トン、一九四九年度といたしましては一萬三百九十トンという數字を申請いたしておるのであります。総司令部におきましては大いに理解ある態度をもつて、本物資が日本経済再建のための重要物資であることを認められ現在米國より石綿隔膜の輸入はすでに二十二年八月一日現在で約三萬キロの輸入をなしておるのであります。これを硫安製造とソーダ製造のために配分しておるのでありますが、さらに石綿の原鉱輸入の實現方も考えておるのでございます。しかしながら、これが供給地でありますところの米國及びカナダにおきましてさえも供給量が決して十分に意のごとくならない事情でございます。加えまして御承知のごとく船腹事情の逼迫等によりまして、わが國への輸入が相當制約されることはまことにやむを得ないことであろうかと考えるのであります。貿易庁といたしましてはさらに総司令部に対しまして重ねて石綿の輸入實現方を一層努力しまして、その促進に努力いたしておることを申し上げて御答弁といたします。
○喜多委員長 これについては御質疑はございませんか。
〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕
[後略]