71-衆-大蔵委員会-21号 昭和48年04月03日

昭和四十八年四月三日(火曜日)午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 鴨田 宗一君
   理事 大村 襄治君 理事 木村武千代君
   理事 松本 十郎君 理事 村山 達雄君
   理事 森  美秀君 理事 阿部 助哉君
   理事 武藤 山治君 理事 荒木  宏君
      愛野興一郎君    宇野 宗佑君
      越智 通雄君    大西 正男君
      金子 一平君    木野 晴夫君
      小泉純一郎君    三枝 三郎君
      塩谷 一夫君    中川 一郎君
      野田  毅君    萩原 幸雄君
      坊  秀男君    村岡 兼造君
      毛利 松平君    山中 貞則君
      高沢 寅男君    塚田 庄平君
      広瀬 秀吉君    堀  昌雄君
      村山 喜一君    山田 耻目君
      増本 一彦君    広沢 直樹君
      内海  清君    竹本 孫一君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  山本 幸雄君
        大蔵省主税局長 高木 文雄君
 委員外の出席者
        通商産業省重工業局自動車課長 中村 泰男君
        通商産業省鉱山石炭局鉱業課長 斎藤  顕君
        通商産業省公益事業局計画課長 箕輪  哲君
        運輸省自動車局整備部長    景山  久君
        建設省計画局宅地部宅地開発課長       吉田 公二君
        大蔵委員会調査室長      末松 経正君
    —————————————
委員の異動
四月三日
 辞任         補欠選任
  地崎宇三郎君     愛野興一郎君
    —————————————
< 略>
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)
     ————◇—————

○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。塚田庄平君。

[中略]

○箕輪説明員 ただいま申し上げましたのは、この法律では補助のかさ上げ的なことは税法上考えておりませんということでございます。ただ、あと問題が残っておりますのは、この法律では、先ほど申し上げませんでしたけれども、地方公共団体が公共事業を行ないます場合に必要な経費の一部を電力会社が負担することができるようにきめてございます。その負担金の経理上の取り扱いにつきましては、現在まだ検討中でございます。この取り扱い方によっては、どういうような税法が適用されるかということがきまってくるわけでございますが、その辺大蔵省とも今後相談をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、最初に御指摘のございました原子力発電所または原子力発電所の立地難の現実から考えまして、主として原子力発電所についてのその円滑化というのがねらいであろうという御指摘でございますけれども、現在は、年々増大いたします電力需要の需要増をまかないますためには、火力発電所にむしろウエートが置かれなければ需要をすべてまかなうことができないのが現実でございます。確かに考えられております原子力発電所の増設計画と申しますのは、年々ふやしていくという形にするということに一応計画上は考えられておりますけれども、それでも今後十数年の間は火力発電所にやはり依存せざるを得ないというのが現実でございます。
 それから、火力発電所につきましては、重油専焼のみをその対象として考えておるわけではございませんので、一定規模以上のものであれば対象にするというふうに考えております。
 以上でございます。

○塚田委員 その一定規模が問題なんですが、そこで、時間もございませんので結論的に言いますと、局長、私はいま言ったような発電、いろいろな発電がありますけれども、政策としてはやはり国内資源をまず最大限に活用していくという観点からの助成なりあるいは税法上の優遇措置、こういうことは当然奨励されていいと思うのです。そういう意味で、たとえば資源開発については探鉱事業、これについては特別措置を設けておる、あるいは石炭についてはいろいろ交付金または優遇措置を講じておる。これはいいのですが、しかし反面、これは貿易関係、関税定率法の関係にもなりますけれども、たとえば鉛だとか石綿だとかいろいろなものを関税を下げてまで輸入してくる。税としての毒具した基本的な姿勢がないために右手と左手の使い方がどうも違うように私どもは考えられてしょうがないのですよ。特にいま問題になっておる原子力の問題ですが、これはこういう措置を大蔵省、あるいは税法上で今後何かするということになれば、住民のいろいろな意向を押しつぶすための政策に転用されていくようなこと等も考えられます。
 あとの問題は別にして前の問題、特別措置とそれから国内資源の活用、この両方の面から考えると、どうもいまの税制というのはちぐはぐなものがあるんじゃないかと考えられますが、一体どうでしょうか。

○高木(文)政府委員 たいへん広範な御質問でございますので、的確にお答えをいたしかねるわけでございますが、電力問題はだいぶやっかいな問題になってきておりますので、今後どういうふうに展開してまいりますかは私ども詳しく承知をしておりませんが、あらゆる手段、方法によって発電設備を増強していかなければならぬという状況にあるであろうと推察をいたしておりますけれども、現在のところは、今日の段階ではまだそれに関して格別の税法上の措置をとれというほどのお話は承っておりませんし、いまのところ私どもは格別何かしなければならぬというふうに思っていないわけでございます。
 今後は、いろいろ料金問題であるとかいろいろな問題が出てまいりましょうし、新しい発電方式ということにもなりますと、旧来の発電方法以外の発電についてのかかります経費の処理の問題、たとえば現在あります原子力発電設備についての特別償却制度であるとか原子力発電設備工事支出金の償却準備金制度であるとかいうようなものは、一種の特殊な開発方式によりますところのかかります経費の若干の軽減という趣旨から起こってきているわけでございまして、筋道の通ったものであれば電力問題は問題であるだけに、場合によりましたら何らかの措置をとらなければならぬ事態が起らぬとも限らないし、現時点では何も話を聞いておりませんし、いまのところは考えていないという状況でございます。

○塚田委員 最後ですが、さっき聞きましたたとえば探鉱についての助成措置をしながら、たとえば石綿にしたって水銀にしたって、鉛にしたって、国内資源というのは探鉱のしようによってはあるし、また使えるのですから、むしろそういう方向に助成すべきであって、いままでの関税定率法あたりでどんどんと外国から輸入する。確かに石綿なんか日本のものは繊維が短いために使いづらいわけです。それも技術の開発によってできるので、ぜひそういう方向にあれしてもらいたい。だから、全体的に税体系というものをどこに一体視点を置いてやるかという基本の問題を踏まえてやらなければ、片方で火をつけて片方で消すということにもなりかねないので、その点一つ最後に御所見を承りたいと思います。

○斎藤説明員 国内資源は、何と申しましても最も安定した長期供給源でございまして、これの生産を維持していくということは、私どもとしましても一番重要な政策としてこれに対するいろいろな政策を進めておるわけでございます。その中におきましても関税問題ということは非常にデリケートでございます。もちろん国内鉱山の維持ということを柱として考え、そしてユーザーコンセンサス、そして対外的な問題等を考慮いたしまして、各年度それぞれ関税率審議会で御審議をいただくわけでございますが、国内鉱山の重要性を特に考慮いたしまして、たとえば四十七年度、関税率審議会であらゆる物資の二〇%一律引き下げというふうなことが行なわれたわけでございますけれども、銅、鉛、亜鉛については、特に関税をさわらないということを皆さんに御了解いただきました。そのほかにも暫定で無税ではございますけれども、諸々の国内で生産する鉱産物につきまして、これに対する輸入品につきましては、TQ制度を当てはめる等の手段によりまして、国内鉱山の維持発展、探鉱を進めていくという国の探鉱補助金のほかにも、税制の面からもこれをガードしておるところでございます。

[後略]