27-衆-国土総合開発特別委員会-2号 昭和32年11月08日
昭和三十二年十一月一日
五十嵐吉藏君が委員長に、川村善八郎君、志賀健次郎君、薄田美朝君、南條徳男君、松澤雄藏君、竹谷源太郎君及び渡辺惣蔵君が理事に当選した。
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昭和三十二年十一月八日(金曜日)午後三時五分開議
出席委員
委員長 五十嵐吉藏君
理事 川村善八郎君 理事 志賀健次郎君
理事 薄田 美朝君 理事 松澤 雄藏者
理事 竹谷源太郎君 理事 渡辺 惣蔵君
伊藤 郷一君 田中 正巳君
松浦周太郎君 松田 鐵藏君
井谷 正吉君 北山 愛郎君
小平 忠君
出席政府委員
総理府事務官(自治庁財政局長) 小林與三次君
経済企画政務次官 鹿野 彦吉君
農林政務次官 本名 武君
委員外の出席者
北海道開発庁事務次官 池田 一男君
総理府事務官(経済企画庁総合開発局長) 伊藤 正義君
北海道東北開発公庫総裁 松田 令輔君
参 考 人(東北開発株式会社総裁) 渡辺 正人君
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十一月五日
福島県南部地方総合開発促進に関する請願(八田貞義君紹介)(第六〇号)
同(助川良平君紹介)(第一一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
十一月六日
東北開発公庫の中小企業に対する投融資に関する陳情書(青森市柳町五ノ六青森県商工会議所連合会長竹中喜一郎)(第二三号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
閉会中審査申出に関する作
委員派遣承認申請に関する件
国土総合開発に関する件
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○五十嵐委員長 これより会議を開きます。
これより国土総合開発に関する件について議事を進めます。この際、さきに北海道に実情調査に参りました小平委員より発言を求められております。これを許します。小平君。
○小平(忠)委員 では、先般北海道の国政調査をいたしましたにつきまして、五十嵐委員長外私ども委員の北海道近地方現地調査につきまして、簡単に御報告申し上げます。
< 略>
第三に、鉱工業及び電力について申し上げます。工業の発展は、北海道総合開発の一つの大きな目標でありまして、これがためには、必須条件として、原材料、すなわち、石炭、石油、鉄などの鉱業と、エネルギー、すなわち、電力、それとともに資金の充足が問題となるのでありますが、特に北海道におきましては、これらのほかに、自然的、社会的な工業立地条件の解決も必要となってくるのであります。
まず原材料、すなわち、地下資源の充足の問題でありますが、北海道は石炭、水銀、クローム、鉄鋼、石綿、砂白金、金、銀、マンガン、石油など、わが国における地下資源の一大宝庫であります。しかしながら、現実には、その地下資源調査の立ちおくれのため、あるいは輸送力の不備のために、鉱業の開発振興をはばんでおり、眠れる宝庫は依然して未利用、未開発のまま、十分なる調査も行われず、放置されているのであります。従いまして、開発の歴史も浅い北海道におきましては、まず基本調査がなされることによって、地下資源の開発は飛躍的に伸びる可能性があると思うのでありまして、綱走、根室、十勝、日高の各地区において、この調査につき深い要望のありましたことを申し添えておきます。
次に、エネルギー、すなわち、電力の問題でありますが、第一次五カ年計画におきまして、電源開発は非常に進み、従来より比較的大きな割合を占めておりましたところの火力発電とともに、昭和三十一年度には九十二万四千キロワットの開発が完成しておりまして、電力に関する限り、現在は不足していないようであり、非常にけっこうなことでありますが、今後総合開発の進展とともに、電力の需用が増加するのは明らかでありまして、北海道の包蔵水力は二百九十万キロワット・アワーといわれておりますので、いま一そうの開発が望まれるのであります。
以上の鉱業あるいは電源の開発によって、これらの原材料と電力は安価にかつ多量に供給できることになり、これはまた鉄道、港湾など、運輸交通施設の整備と相待って、工業の立地条件を整え、銑鉄、洋紙、肥料、セメントなどを基幹として、各種工業の振興が促進されることになるのであります。
また資金の面におきましても、日本開発銀行、電源開発株式会社、石油開発株式会社など、政府出資の企業が事業を開始しており、さらに北海道東北開発公庫の設立により、資金面においても着々と整備されておるのでありますが、これをもって十分であるとは決して申せないのでありまして、資金不足の理由でもって開発に支障を来たすということのないよう、一分の配慮が必要であると思います。
ただ、ここで問題となるのは電力料金の問題でありまして、全国平均より一六%高い北海道の電力料金は、北海道の産業発展上、大きな障害となっていることは非常に遺憾に思う次第でありまして、少くとも全国平均化して、地域差をなくするように指導すべきであると思うのであります。
< 略>
以上をもちまして、御報告を終りますが、事故のために日程が順延したにもかかわらず、支障もなく終えることのできましたのも、関係各当局、会社、地元各位の御協力に負うところが大きいのでありまして、この際感謝の意を表する次第であります。とともに、今回視察できませんでした地方につきましては、別の機会にぜひとも委員を派遣せられますよう要望する次第でございます。(拍手)
○五十嵐委員長 次に、東北地方に実情調査に行かれました竹谷委員より略言を求められております。これを許します。竹谷源太郎君。
[後略]