26-衆-地方行政委員会-16号 昭和32年03月27日

昭和三十二年三月二十七日(水曜日)午後三時四分開議
 出席委員
   委員長 門司  亮君
   理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君
   理事 山中 貞則君 理事 吉田 重延君
   理事 川村 継義君 理事 中井徳次郎君
      植木庚子郎君    唐澤 俊樹君
      川崎末五郎君    纐纈 彌三君
      櫻内 義雄君    徳田與吉郎君
      丹羽 兵助君    福井 順一君
      古井 喜實君    渡邊 良夫君
      今村  等君    大矢 省三君
      加賀田 進君    北山 愛郎君
      五島 虎雄君    三宅 正一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        自治政務次官  加藤 精三君
        総理府事務官(自治庁税務部長)      奥野 誠亮君
 委員外の出席者
        専  門  員 円地与四松君
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三月二十七日
 委員早川崇君、福井順一君及び井岡大治君辞任につき、その補欠として植木庚子郎君、渡海元三郎君及び五島虎雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員植木庚子郎君及び五島虎雄君辞任につき、その補欠として早川崇君及び井岡大治君が議長の指名で委員に選任された。
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三月二十六日
 地方公務員法等の一部を改正する法律案反対に関する請願外二件(平田ヒデ君介)(第二四三四号)
 同(床次徳二君紹介)(第二四六八号)
 所得税減税に伴う地方財源の減収補てんに関する請願(山口丈太郎君紹介)(第二四三五号)
 地方財政再建促進等に関する請願(徳田與吉郎君紹介)(第二四三六号)
 遊興飲食税減免に関する請願(池田清志君紹介)(第二四六七号)
 軽油引取税引上げ反対に関する請願(有馬輝武君紹介)(第二五〇六号)
 地方交付税率改正に関する請願(坂田道太君紹介)(第二五〇七号)
 公債費合理化等に関する特別措置法制定に関する請願(坂田道太君紹介)(第二五〇八号)
 新市町村建地促進の財源措置に関する請願(坂田道太君紹介)(第二五〇九号)
 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部改正に関する請願(坂田道太君紹介)(第二五一〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第四六号)
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[前略]

○奥野政府委員 それについて一応事務的なお答えをさしていただきたいと思います。御承知のように、法人税の税率をどういうふうに見るかということについては、いろいろ議論のあるところでございます。しかし、法人税と所得税の関係におきましては、法人擬制説的な考え方を持っておるわけでありまして、その結果法人が利益を上げる、その上げた利益につきましては、法人税が課されるわけであります。上げた法人の利益が分配されて、株主に対しましては配当所得として回ってくるわけであります。すでに課税済みの所得でありますから、配当所得に対しましては、一定部分を算定された所得程額から控除する、こういう方式をとっておるわけであります。勤労者に支払われまする給料は、法人のもうけを計算いたします場合には損金として控除するわけでございますから、法人税の課税標準には入らないわけでございます。従いまして、勤労者が受けました給与につきましては、全額所得税の課税の対象にする、こういう建前になっているというふうに私たち考えているわけでございます。

○北山委員 ここで法人擬制説というような議論をする余裕はないと思います。しかし、これはだれが考えても、今の資本主義の税制として都合のいいような理論構成です。やはり大ざっぱに考えれば、だれが考えても法人そのものと、配当を受ける個人そのものは違うのですよ。一体をなしておるものではないのです。だから、法人にかけたから配当にはかけなくてもいいというなら、やはりそこに働いている労働賃金に対してもかけなくてもいいという理屈になるわけです。それが片ちんばになっているという点は、やはり私は不合理だといわざるを得ない。
 それからほかの点についても、電気ガス税については前にも問題になりましたが、例の電気ガス税を非課税にして、電気税をかけないという企業が二十五種類ある。これは前の統制時代の遺物であるという御説明であった。ところが、その遺物に対してさらに今度はプラスしているんですね。製氷冷凍用の電気、あるいは石綿とか、焼成燐肥等の化成肥料というようなものの製造に要する電気については非課税にするというふうに、範囲を拡大している。こういう点はどうも筋が通らぬと思うのです。おそらくそういう関係の業者の陳情があってつけ加えられたものと思うのですが、そういうふうにその都度陳情なり運動なりが功を奏せば、そういう特例を加えていくということでは、これは奥野さんがいかに何と言おうとも、税制として筋が通らないのじゃないかと思うのです。行き当りばったりなんです。その点についてどうお考えですか。
 それから製氷、冷凍についてちょっとわからない点があるので、お伺いしておくのですが、一定規模以下の製氷の施設、それについて、いわゆる小規模のものに限定して非課税にするというように、政令で定めることになっていますが、その基準はどの程度になるのか。
 それからもう一つは、そういうような解氷施設としては小さい施設を持っておるものでも、冷凍施設の方は、この法案を見るとこれは無制限じゃないか。冷凍施設の方はどんなに大きくてもやはり電気税を免除するようになっておるのじゃないか。その点はどうなんですか。しかもそれは漁業協同組合ばかりでなく、その他の法人、会社等についても、そういうふうに適用されるのじゃないですか。

○奥野政府委員 電気ガス税の問題につきまして、若干非課税の範囲を広げておるわけでございます。電気ガス税をどのような形に進めていくかという点につきましては、議論のあるところだと考えております。一応現在の電気ガス税につきましては、個人用の電気、ガスの消費を中心にして課税していくという建前をとっておると考えておるのでありまして、そういう意味におきまして、基礎資材で特に多量に電気を消費するものにつきましては、市町村の財政状況ともにらみ合せながら課税からはずしていく、こういうことになっておるわけでございます。そのような点から考えて参りまして、従来製氷につきましても非常に問題があったわけでありますが、しかしながら製氷につきましてはどちらかといいますと、消費資材的な面が強いものでありますから、あえて非課税の範囲に入れて参らなかったのでございます。しかしながら氷を多量に消費いたしますものに漁民があるわけでありまして、漁民の生活を考えて参りますと、なるたけそういう負担を軽減すべきだ、こういうことももっともなことでございますので、そういう意味合いにおいて漁民保護の見地にしぼって、従来から絶えず問題を提起されておりました製氷用の電気につきましても、非課税の範囲を広げることにいたしたわけでございます。なおまた肥料などにつきまして、その後製法が進歩して新しいものができるようになりましたり、あるいは外国からの輸入にたよっておりましたものが、新規に国内において産業が興って参ったりいたしましたものにつきましても、均衡上若干非課税の範囲を広げることにいたしたわけでございます。
 第二に製氷能力の基準の問題でございますが、三十トンないし五十トンにいたしたいということで、現在農林省との間で話し合いをいたしておるわけでございます。
 それから第三に冷蔵施設の問題になりますが、冷凍施設でありましても、もっぱら水産関係に使用されているものでなければならないとやはり法律にうたわれておるわけでございますし、しかも氷につきましては、やはりもっぱら漁民のために用いられている工場でなければなりませんので、これに付随している冷凍施設であり、しかもその八割以上というものか水産関係に用いられているなら、やはり漁民保護の見地に立ってこれを非課税にできるのじゃないだろうかという考えを持ったわけであります。製氷工場に付設しておりません冷蔵施設ははずしておりますので、それは厳格に運用ができるのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

[後略]