19-衆-通商産業委員会-16号 昭和29年02月26日

昭和二十九年二月二十六日(金曜日)午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 大西 禎夫君
   理事 小平 久雄君 理事 首藤 新八君
   理事 中村 幸八君 理事 福田  一君
   理事 山手 滿男君 理事 永井勝次郎君
   理事 加藤 鐐造君
      小川 平二君    小金 義照君
      始関 伊平君    田中 龍夫君
      村上  勇君    笹本 一雄君
      長谷川四郎君    柳原 三郎君
      加藤 清二君    齋木 重一君
      帆足  計君    伊藤卯四郎君
      中崎  敏君    川上 貫一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  愛知 揆一君
 出席政府委員
        外務政務次官  小滝  彬君
        通商産業政務次官       古池 信三君
        通商産業事務官(大臣官房長) 岩武 照彦君
        通商産業事務官(軽工業局長) 中村辰五郎君
        通商産業事務官(石炭局長)  佐久  洋君
 委員外の出席者
        通商産業事務官(通商局長)  牛場 信彦君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
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二月二十四日
 電力料金値上げ反対に関する請願(黒金泰美君紹介)(第二三三一号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 日中貿易促進に関する陳情書(岡山県児島市議会議長森富太郎)(第一〇五九号)
 イラン石油の輸入に関する陳情書(社団法人日本自動車会議所会長村上義一)(第一一〇六
 号)
 水火力調整金制度の撤廃及び発電県特別料金の設定に関する陳情書(新潟県知事岡田正平)(第一一〇七号)
 石炭鉱業対策に関する陳情書(福岡県知事杉本勝次)(第一一〇八号)
 同(福岡県議会議長田中保蔵)(第一一〇九号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
 貿易に関する件
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[前略]

○大西委員長 次に前会に引続き貿易に関する件について調査を進めます。質疑を継続いたします。永井君。

[中略]

○永井委員 私は通商局長に、この次でいいですから資料を出していただきたい。外貨割当についてできるだけ詳しい資料を、みなほしいだろうと思いますから、この委員会に出してもらいたい。それからその中で、今の砂糖に関連しまして、名古屋製糖に対して二十七年の秋八十五万ドルの割当をしたことがあるかどうか、それが原料用生産資材として機械購入名目で許可を与えているかどうか、その八十五万ドルがどういうふうに使われたか、この資料を出していただきたい。< 略>
 次は軽工業局長にちよつとお尋ねしたいのでありますが、小野川セメントから石綿工場新設の許可申請が出て、一旦それをひつ込めて、また昨年の十二月に再提出されている。これがアメリカとの合弁で、しかもその大部分がアメリカ資本である。資本構成の内容から見て、半分以上、七割五分くらいの資本がアメリカから入つて来ているというような会社の設立を一体認められるかどうか。それからこれがもし許可を与えられた場合においては、それによつて国内既設の工場は全部だめになつてしまう。現在ある工場でも稼働率は大体施設の五五%だということを聞くのでありますが、その実情はどうなつているか。現在施設が過剰になつているという実情の中に、こういう外国資本を入れた許可の申請に対して、当局はどういうふうにこれを取扱う方針であるか、それから政府は二重投資をしないようにということを強く言つておるのでありますが、もしそういう許可を与えるということになれば、二重投資も二重投資も、話にならぬと思うのでありますが、そういう関係はどういうふうに考えているか、一括して御答弁願いたい。これらについての詳しいことは、いずれ木材関係の小委員会もあることでありますから、それで詳しく掘り下げて行きたいと思いますが、一応これをこの委員会において御答弁いただきたいと思います。

○中村(辰)政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします。小野田セメントとアメリカのジヨンスマン・ビルとの技術提携の問題に対しましては、先ほどの御質疑のうちに、前に申請が出て取下げた、こういうお話がございますが、前の申請は仮申請と承つております。正式の申請は、御質疑の中にございましたように十二月五日にされております。合弁でいたします会社の資本金における比率でございますが、私の知つております関係について申し上げますと、最終の段階におきます比率は、二五%がジヨンスマン・ビルの出資、こういうぐあいに考えておるのであります。
 なおこの取扱いについての問題でございますが、この問題は正式申請がございまして、通産省、特に関係深い私の局といたしましては、ただいま御質問の中にもございました国産品との性能上の検討ということを技術的にいたす必要がございまして、目下この技術的な優劣の点についてそれぞれの製品の性質を求めまして、技術的の審査をいたす準備中でございます。これらの検討の結果、技術提携を認むることが妥当であるかどうかということを決定して参りたいと存じます。

○永井委員 そういたしますと、当局としては純技術的な立場で問題を処理しよう。経済的な関係は考えない。こういう基準で考慮せられるのか。

○中村(辰)政府委員 ただいまの技術的な見地を、まず実験その他の手段を通しまして検討いたしたい。さらにもちろん製品の経済性、特にコストの点等についても検討を加えて、総合的に判断いたしたい、こういう考えでございます。

○永井委員 いずれこの問題については、小委員会において十分検討いたしたいと思います。きようはこの程度にしておきます。

○帆足委員 これに関連をいたしまして資料のお願いをしたいのですが、きのうの朝日新聞に、中国とヨーロツパの貿易の数字の概略が出ておりましたが、あれを見ますと、非常に日本が立ち遅れているような実情でございますので、至急西欧講国及びアメリカと中国との貿易の昨年の実績、及び日本と中国との貿易の品目別昨年の実績をお願いいたします。

○山手委員 関連して。石綿の話がありましたが、通産省の経過報告を聞いて私が非常に遺憾だと思う点は、日本のいろいろの建築様式や、やり方を見ておりますと、日本の国民生活に非常に大きな影響を及ぼしている住宅関係において、非常に封建的な色彩が濃厚に残つている。これを一掃するためには、国民の住宅に対する負担を軽減をしてやらなくちやいかぬという大きな経済効果から、こういう技術提携なんかについては早急な手が打たれなければならないじやなかろうか、こういうことを私は現に海外を、まわつて日本に帰つて来ると痛感する。ここで木材対策の小委員会ができたことについても、こういう趣旨から出発していると思うのであります。通産省が技術だとか何とかいつて、いたずらにのんべんだらりとしてこういう問題を遷延し、あるいは政治的にもいろいろな問題が起きるようなふうに持つて行く素地をつくつていることは、私は非常に遺憾に思います。これは木材の小委員長もおりますから、早急にこの問題をそこで検討して、政府の方でも入れるのか入れぬのか、そういうことをすみやかに決定してもらいたい。

○大西委員長 本日はこの程度にして散会いたします。なお次会は明二十七日の午前十時より開会いたします。
    午後零時十四分散会