13-参-決算委員会-8号 昭和27年02月20日
昭和二十七年二月二十日(水曜日)午後一時三十五分開会
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委員の異動
二月十八日山本米治君辞任につき、そ
の補欠として山田佐一君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 岩男 仁藏君
理事
高橋進太郎君
長谷山行毅君
飯島連次郎君
小酒井義男君
棚橋 小虎君
委員
秋山俊一郎君
大矢半次郎君
郡 祐一君
瀧井治三郎君
團 伊能君
西山 龜七君
溝淵 春次君
山田 佐一君
伊藤 保平君
高木 正夫君
藤森 眞治君
溝口 三郎君
森 八三一君
栗山 良夫君
小林 孝平君
森崎 隆君
カニエ邦彦君
小林 亦治君
田中 一君
菊田 七平君
紅露 みつ君
事務局側
常任委員会専門員 森 荘三郎君
常任委員会専門員 波江野 繁君
証人
三浦 義男君
大橋 武夫君
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本日の会議に付した事件
○特別会計、政府関係機関及び終戦処理費の経理並びに国有財産の処理に関する調査の件(昭和二十三年度会計検査院決算検査報告批難事項第三百九十七号足利工業株式会社に対する二重煙突代金支払及びこれに関連する事項)(右件に関し証人の証言あり)
○証人喚問に関する件
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○委員長(岩男仁藏君) 只今より会議を開きます。
本日は前回に引続き、昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算、そのうち昭和二十三年度決算会計検査院検査報告批難事項第二百九十七号足利工業株式会社(契約当時は足利板金工業組合)に対する二重煙突代金支払及び之に関連する事項について東京地方検察庁検事正からの報告に関する件を議題に供します。本日出頭の証人は大橋武夫君及び三浦義男君の両名であります。大橋君は前々回に御出頭になりまして宣誓をせられましたが、念のため本日も宣誓を求めます。
証言を求める前に各証人に一言申上げます。昭和二十二年十二月二十三日公布になりました議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合にはその前に宣誓をさせなければならんことになつております。宣誓又は証言を拒むことのできるのは、只今申上げました法律の第四条の規定に該当する場合に限られております。なお証人が正当の理由なくして宣誓若しくは証言を拒んだときは三年以下の禁錮又は三万円以下の罰金に処せられ、且つ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになつておるのであります。一応このことを御承知になつて頂きたいと思います。これより法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。総員起立を願います。大橋証人から宣誓書を朗読して下さい。
〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 大橋武夫
[中略]
○カニエ邦彦君 少し遅れて参りましたので質問がダブるかと思いますが、この前の証言にもあつたかと思うのですが、高橋、それから田中その他の人人が、大橋さんも入れて、そうして自動車の売却代金を運営すると、そうしてこれを殖やして、そうして特調に納めるというようなことを、三浦証人がそれを承諾をしたと、こういうことになつておるのですから、そこで承認をしたということは、いつ頃どういうような話合で御承認をなさつたのかということ、なぜ私はそういう疑問が起きて来るかというと、高橋並びに本件の関係者が国に大きな損害を与えておる、そうしてその過払の四千万円という金は、これはどうしても特調に支払わなければならない金であるということ、それからこれを多く取込んでおるために、従つて田中にしても、高橋にしても、何らそこには損をしていないと、そのときは……、にもかかわらず高橋の生活を見てやるというようなことを約束の中に入れておられる、その点がどうもおかしい、四千万円の過払はとつておるし、それまでに相当な金は支払を受けておる、そうしてなお且つその余分には、政府から当時もらつた資材であるとか、資材の中には薄鉄板或いは石綿、こういうような貴重品を当時横流しをして、そうしてまだそのほかにも金を儲けておるというような実情にあつたのであります。のみならず、高橋のごときは、どこかの湖水にモーター・ボートを浮べて女子を連れて絶えずそれで乗り歩いておつたとか、或いは二号、三号、四号というようなものを次から次からあさつてやつておると、こういうような行いをして来たんですね。特調のこの金をもらつたやつで、ごまかしたやつでそういうことをやつていた、そういう人間に対してですね、生活を見てやるためにというようなことをですね、一体大橋君なり、あなたがたの間で話合をされてきめられたというようなことは、どうも理窟に合わないんじやないか、特調の最高幹部としてのあなたがですね、そういうことを了承されるはずがないんじやないかという感じを受けるんです。仮に了承されたとしましてもですね、そういうような経過を辿つて、そうしてその過払いの返済に至つたのでありますから、なおその何はさて措き、全部取上げるということのほうが、これがあなたとしてはなされるべき仕事でなければならないのにかかわらず、そういう条件を認め、且つ又それを運営することを認めたというようなことはですね、どうもそこに大橋君なり、或いは高橋さん、あなたがたの間において、一つの馴れ合いのようなことをなされたような感じを受けるんです、我々としては……。そこで実際はどういう事情でそんなことになつて来たのか、それから認めたということはどの範囲に、どういう条件を認めたのか、仮に運営するということを認めたといつても、それが一年なのか、二年なのか、三年なのか、永久に認めたということになり得るのか、或いは金額にいたしましても、百万円は特調にこれは当然返してもらつて、そのほかに利益があつたなれば、これは徐々に返してもらうというような約束なのか、その点がはつきりいたしませんから、ここであなたからですね、その間の事情を一つ、私たちが納得の行くようにお話を願いたい、こう思うんです。
○証人(三浦義男君) 只今のお話誠に御尤もだと思うのでございますが、何せ高橋と申しますか、足利工業の資産の状態を当時事務当局が行つて調べて見、又銀行の関係なんかも調べて見ました結果は、もうその前の特調から受取つて行きました金は、殆んど旧債に使われて、ないというような報告を私どもが聞きました。又それがそうなりますというと、何としてでもこの多くの金をまあ取上げなければならないというような考えが相当強くなりましたので、殊にそのときには金はもう持つておらない、物に変つているというような状態でありましたので、それではもう止むを得ないから、それを少しでも多く納めさせるために多少の間の期間はかしても止むを得ないじやないかというような気持であつたのであります。それから又いつそれでは返済すべきかということでありますが、それは当時特調から足利工業に向つて支払うべき金も相当ございました。又金の何と申しますか、決算と申しますか、そのほうが余りはかばかしくございませんので、私が在任中にはどうも回復しそうもございませんでしたので、恐らく今のまあそういう了解を与えたという時期は六月の初旬頃ではなかつたかと思いますが、それでその特調から支払います金との時期とも睨合せまして、私どもは二月なり、三月なりというくらいの期間を考えておつたのでございます。それは一年とか、二年とかいうような長い期間を考えておつたのでは毛頭ございません。
[後略]